当社の標準仕様ハニカムサーモスクリーンの紹介と、 ツーウェイタイプのメリットとデメリット
8月初旬の3日程、Q1.0住宅 小幡の家のハニカムサーモスクリーンを付けました。
当社では、窓の断熱気密補強のため、全ての窓に、ハニカムサーモスクリーンを付けることを標準仕様としています。
ハニカムサーモスクリーンは、窓の断熱気密補強のためだけでなく、和にも洋にも合うシンプルさがあるため、インテリアの一部として使えることも魅力です。
Q1.0住宅 小幡の家の窓は16か所あり、全ての窓にハニカムサーモスクリーンを付けました。15か所がボールチェーンタイプで、1か所だけツーウェイタイプです。
ボールチェーンタイプの取付けは、慣れているのですが、ツーウェイタイプは5年前にQ1.0住宅宇都宮の家で、初めて付けて以来2度目なので、上手く取り付けられませんでした。
プライバシーを守りながら冬に日射取得したいなら、レースカーテンでなくハニカムサーモスクリーンのツーウェイタイプがおススメ!
ツーウェイタイプを取り付ける時に、両端にある長い操作紐(ひも)が絡まってしまい、現場で、解くまで1時間以上も掛かり、取付を諦めかけるほど苦労しました。
紐の長さは、窓の高さの1.5倍くらいになるので、2.2Mの高さの窓の場合、両側の操作紐は、3.3Mずつになります。これが、灼熱の現場で絡まってしまい、汗が目に入って集中力が無くなったので、当日は諦めて、翌日、やっとこ解いて取付けました。
今日のブログは、当社のマストアイテムの、ハニカムサーモスクリーンの紹介と、ツーウェイタイプのメリットとデメリットを書きます。
目次
ハニカムサーモスクリーンとは?
ブラインドのように窓に取付けるスクリーンです。
二重の蜂の巣(ダブルハニカム)構造の不織布生地に空気が取り込まれ、強力な空気の壁となって窓からの熱の出入りを防ぎます。
またスクリーンを開閉することで、時間帯や季節によって、熱の採り入れ方をコントロールできることも大きな特徴の一つです。
新築の場合、ハニカムサーモスクリーンはいつの段階で取り付けるのか?
新築工事の場合、ハニカムサーモスクリーンを取り付ける時期は、クリーニングの前が良いと思います。
その理由は、ハニカムサーモスクリーンは窓枠や、窓廻りの壁や天井にビス留めするため、下穴を開けるときに、木くずや石膏ボードの粉がでるので、当社ではクリーニング前に付けておきます。
ハニカムサーモスクリーンに、サイズの規格品は無く、オーダー品
ハニカムサーモスクリーンは、サイズに規格品はなく、各窓の室内側の幅と高さを採寸して、オーダーします。採寸できるのは、壁天井もしくは、窓枠4方向が完成してからです。
当社の場合、窓廻りの壁天井に付けるため、漆喰塗りが完了して、乾いた後に採寸します。
ハニカムサーモスクリーンの採寸方法と注文のコツ
採寸方法は、幅も高さも同じです。
断熱レール仕様の場合、例えば幅の採寸は、両端と真ん中の合計3か所の長さを測って、一番短い長さを、ハニカムサーモスクリーンのメーカーである、セイキ総業の専用見積書に記入します。高さも同じです。
ですから、1つの窓で幅と高さの合計6か所で採寸し、それぞれ、一番狭い地点の寸法でオーダーします。
当社の家は、壁と天井が白い漆喰のため、白いハニカムスクリーンを標準として、違和感の無いシンプルな室内としています。レーザー距離計があると、早く測れて便利です。1か所測るのに、5分程度は掛かりますから、16か所の採寸時間は、1時間20分から2時間弱くらいです。
断熱レールの長さは、窓の高さ寸法ピッタリで作成されてくるので、そのままだと、断熱レールを切らないと入らないことが多くなります。漆喰などの仕上げは凹凸がありますから、窓高さは、実際の採寸寸法より、1~2mm短く記入して見積依頼すると、現場で断熱レールをカットするという面倒な手間が無くなります。
ハニカムサーモスクリーンの納期
見積が出てきたあと注文してから、10日から2週間くらいで届きます。
ハニカムサーモスクリーン、ボールチェーンの断熱レールを標準仕様にした理由
ハニカムサーモスクリーンの操作方法は、主にスタンダードタイプとボールチェーンタイプの2種類があります。
ボールチェーンタイプを標準仕様にした理由は2つ。
1つ目は、採用前、既にハニカムサーモスクリーンを採用している同業の先輩に、どの仕様が良いかを聞いたところ、ボールチェーンタイプ(当時はループコードタイプという紐のタイプ)が一番シンプルで、誰にでも分かりやすい操作方法だと聞いたこと。5年くらい前に、ループコードがボールチェーンに変わりました。
2つ目は、ハニカムサーモスクリーンを仕入れている建材屋さんに、どの仕様が良いか聞いたところ、ボールチェーンタイプの場合、幅2.4Mまで、高さ2.6Mまでの大きなサイズの窓でも、対応できること。同業の工務店もボールチェーンタイプの採用が多いとのことでした。この建材屋さんは、新住協会員の東北の会社で、お客さんは、主に高断熱住宅を造っている工務店なので、販売実績があり、設置後の様々なケースも知っていると感じたからです。
断熱レールタイプを標準仕様にしている理由は、断熱レールを付けると、壁もしくは窓枠と、ハニカムサーモスクリーンの隙間が無くなるため、コールドドラフトという窓面から冷気が下りてくる現象を抑えることができるためです。
当社事務所の、私の机の背面の窓にも、ループコードタイプ(後継がボールチェーンタイプ)&断熱レールタイプのハニカムサーモスクリーンを付けています。
吹抜の窓は、断熱レール無しのボールチェーンタイプが標準仕様
ただし、吹抜けの2階の窓は、「断熱レール無」を標準仕様にしています。
というのも、2階の窓のハニカムスクリーンの操作は1階で行うので、2階吹抜け窓のボールチェーンの長さは、4m以上になります。
4m以上の長い操作チェーンを1階で行うので、断熱レールがあると、チェーン自体が絡まったり、ハニカムが断熱レールに引っかかって、外れる可能性があるからです。
普通の窓の高さなら、脚立程度で直せますが、吹抜けの2階窓でボールチェーンが絡まったり、断熱レールが外れたりすると、吹抜けに足場を架けて直す必要が出てくるからです。
そうなった場合、主に吹き抜けは、リビングやダイニングにあるため、そこに足場を架けるのは、邪魔になりますし、足場代だって数万円は掛かります。
ですから、多少のコールドドラフトは生じますが、吹抜け窓のハニカムサーモスクリーンには、断熱レールを付けないことを基本としています。
ハニカムサーモスクリーンの開閉仕様は、スタンダードタイプでなく、ボールチェーンタイプが良い
スタンダートタイプは、開閉が早くできるというメリットがありますが、ボールチェーンタイプは、操作機能がシンプルで、壊れにくいような気がします。
また、ボールチェーンタイプの方が、大きな窓に対応できるメリットがあります。
暗くないと眠れない人の個室と、衣装部屋は、遮光タイプの生地としています
普通の人は、採光タイプの生地でも充分眠れると思いますが、暗くないと眠れない方は、遮光タイプ生地を選ぶのが良いと思います。
今回、奥様の部屋の1.箇所のみ、遮光タイプのハニカムサーモスクリーンとしました。
また、窓付の衣装部屋があり、衣類を日焼けさせたくない場合も、遮光タイプの生地が良いと思います。
外からの視線が気になる部屋は、ツーウェイタイプの断熱レール仕様がベター
ツーウェイタイプのハニカムサーモスクリーンは、写真のように、窓の上下を開けたりして、任意の位置でスクリーンを止められます。
上だけ開けて、床面までを閉めたり、下を開けて窓の上の方を閉めたりも出来ます。窓のベストな部分だけを開けたり閉めたりできるのが、ツーウェイタイプになります。
このお宅を含めて、2軒でツーウェイタイプを付けていますが、どちらも1階で、視線が気になるLDKとダイニングでした。
ハニカムサーモスクリーン、ツーウェイタイプのメリット
1.スクリーンの位置設定が思いのまま。気分や必要に応じて、採光や景観を調整できる
2.上記の調整ができるので、プライバシーが気になる、通りや隣家に面した窓に最適
ハニカムサーモスクリーン、ツーウェイタイプのデメリット
1. エンドキャップが外れやすいため、写真の青いマスキングテープで留めて作業をした。
2. 操作紐が左右に付いており、その紐が窓高さの1.5倍くらいあるので、箱から取り出して、取付前に絡まりやすい。今回、絡まった紐を解くのに1時間以上掛かってしまった。工事中の灼熱の室内で、汗だくになりながら解きましたが大変でした。
これは、メーカーのセイキ総業さんへのお願いですが、何とか、取付までの間、絡まないように梱包して欲しい。
3. 紐が長いので、小さなお子さんの居るご家庭では、遊ばれてしまい、絡まったりしがちだと思うので不向き
4. 両側の紐で操作するので、操作性が複雑になり、慣れるまで分かりにくい。
5. 両側の操作は、プルコード式となり紐が細く、かつ、ボールチェーンタイプと比べると、操作が複雑になり、早く破損しそうな気がする。
ハニカムサーモスクリーンの断熱レールが長くて、窓に納まらない場合
樹脂製の断熱レールが長くて、窓に納まらない場合は、金ノコで切れます。
ハニカムサーモスクリーンで、シンプルで違和感のないインテリア
当社の家は、壁と天井が白い漆喰のため、白いハニカムスクリーンを標準として、違和感の無いシンプルな室内としています。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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