2024-07-04
Q1.0住宅 宇都宮小幡の家(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

取り外しのできる造作手摺

取り外しのできる造作手摺。ビスや釘が見えないスッキリした納まり。ブラケットも外せる

Q1.0住宅 宇都宮小幡の家では、施主の希望により、初めて造作手摺を木製ブラケットまで外せるように設計施工しました。

取り外しのできる造作手摺は、ビスや釘が見えない、スッキリとした形状にしています。

手摺は木製プラケットまで含めて、外せるようにしておいたほうが、大きなモノが移動しやすく、使いやすい室内になると思います。この手摺は、今後当社の標準仕様になるかもしれません。

手摺を取り外したいのは、どのような場面なのか?

受け材の赤身の杉。手摺棒は白木の杉。

「冷蔵庫やソファなど、大きな荷物を出し入れするので、廊下と階段の手摺を、取り外しできるようにしておきたい」

「将来、階段に電動昇降機を付ける可能性があるので、階段の手摺を外せるようにしておきたい」

通常、施主が手摺を取り外したい場面は、この2つです。

ちなみにQ1.0住宅 宇都宮小幡の家では、将来、電動昇降機を付けられるように、階段にコンセントも付けました。

今までの当社の造作手摺

今までの当社の手摺。手摺棒は外せるが、手摺ブラケットは固定でした

よくある大手建材メーカー製の既製品のシステム手摺であれば、金物の着脱式ブラケットを外すのは簡単ですが、大工が無垢材を削って造った、造作手摺を取り外しできるようにするには、工夫が必要です。

今までの当社の手摺。ビスキャップを取ってビスを外し手摺棒を外していた

今まで、当社では、施主の希望により手摺を外す場合、手摺棒のみ外せるようにしていました。

上の写真のように、手摺棒をビスで留めて、ビス穴を隠すために、樹脂のビスキャップをしていました。その場合、壁のブラケットは外せない仕様でした。

樹脂製のビスキャップ

今回は、手摺ブラケットまで外したいという希望を頂き、手摺形状と、留め方を工夫して外せるようにしました。

取り外しのできる造作手摺の断面形状

手摺詳細図

取り外しのできる造作手摺は、ビスや釘が見えない、スッキリとした納まりとしています。

手摺棒の断面は30×40。材質は、枠材とフローリングに合わせて地元の杉材としました。

手摺ブラケット
この手摺ブラケットも外せます。
木製ブラケットの下からビスで手摺棒を留めると、ビスは見えにくい

手摺ブラケットは先に付けてから珪藻土を塗る

壁の仕上げは、左官職人が珪藻土を鏝(こて)で塗ります。そのため珪藻土の壁面は鏝で不陸があるので、珪藻土を塗った後では手摺ブラケットは付けにくい。

ですから、手摺ブラケットを先に付けてから、珪藻土を塗ります。

手摺ブラケットの下面は、石膏ボードのままということになります。

下地ブラケットの位置は、石膏ボードのままですから、取り外した後、ブラケット位置が分かるので、取付がしやすいとも言えます。

階段に電動昇降機を付ける場合など、完全に手摺を撤去してしまう場合は、手摺ブラケット下を珪藻土で補修する必要があります。その場合、後からの施工になるので、すこし塗り後が目立つことになります。

ビニールクロス仕上げの場合は、クロス面は平らなので、クロス貼りした後で、手摺ブラケットが付けられますが、当社の新築時の標準仕様は珪藻土(鎌倉漆喰)の塗り壁です。

その他の造作工事

杉材を掘り込んで照明のダクトレールを取り付けて、そこにペンダント照明を吊るします。
アールの壁

Q1.0住宅宇都宮小幡の家も、たくさん造作収納を造りました。造作家具は完成したらブログを書きます。

Q1.0住宅宇都宮小幡の家、見学会

現在、施工中のQ1.0住宅小幡の家も、上記した造作の考え方により、使いやすい室内を目指しています。

日時を決めて完成見学会は行いませんが、見学希望の方は、7月から9月初めまでの期間で、随時、建築中の現場の様子や完成時に見学して頂けます。

9月6日が引き渡し予定です。

見学希望の方は、引き渡し日までに下記問い合わせから、ご予算と敷地の有り無しなどを書いて、ご連絡ください。

ご予算と価値観が違ってしまうと、お互いに時間の無駄になってしまうので、方向性の合う方に見学して頂きたいと思っております。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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