2019-04-01
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
高断熱・高気密住宅

宇都宮の小さなQ1.0住宅、契約しました。基礎着工は5月中旬、完成は11月です。

外観模型。南西より建物を見る。外観のバランスに配慮した。

3月28日木曜日、宇都宮市の延床面積24.5坪の小さなQ1.0住宅、契約しました。

 

何とか消費税率8%に納まる3月中に契約しました。

この住宅の特徴を箇条書きにしてみます。

 

敷地について

1階で全ての生活が完結する、平屋のような2階建ての住宅は、宇都宮市の中心市街地から少しだけ離れた、落ち着いた住宅街に建ちます。

 

詳しくはこちらのブログを見てください。

平屋のような2階建て、宇都宮の小さなQ1.0住宅/SH-house 

 

Q1.0住宅の断熱性能だけではない。間取りの工夫

断熱性能、気密性能の高さはもちろん、外観デザイン・間取り・長く使える仕上げ材で家を造ることは大切です。

 

コンパクトな平屋のような間取りの南側に、7帖のウッドデッキを一体化させて、その先に庭となる敷地があるので、視線が遠くに行くので狭さを感じさせません。

 

当社ではリフォーム工事も行っているので、家の大きさも含めて、どのような家が住みやすく長持ちするのかを分かっています。

 

小さな家こそ収納を充実させる

小さな家は、大きな家と比べると室内スペースが小さくなるので、収納が充実していないと暮らしにくくなります。具体的には小さな家は室内が狭いので、収納を適切な位置に必要な容量造らないと、室内が「散らかりがち」になります。

 

そのため、このSH-houseでは、収納の数も今まで私が造った家よりも多めになっています。

 

収納が多くなるということは、建具や家具の数も多くなるということです。だから当然、収納の多い小さな家の坪単価は高くなります。それでも大きな家を造るよりは、建築費もランニングコストもメンテナンスコストも安いです。かつキッチンは簡素ですが、施主のライフスタイルに合った造作キッチン(オーダーキッチン)にしています。

 

逆に「この家安い!」と思ったら、必ず安い理由がありますから、その家をよく見てください。室内を見ると収納や家具の数が少なくて、室内の密度が低い家が多いはず。そんな家は広くても住みにくく、室内が散らかる可能性が高いです。

 

新建材、既製品建材を使わないことが長く使えることに繋がる

例えば外壁には、窯業系サイディングは使っておりません。また、室内のフローリング、建具、窓枠、巾木も新建材、既製品建材は使っていません。

 

広い面積を占める外壁や室内の建材は、イニシャルコストだけを考えて安いものを使うと新築時の契約金額は安くなりますが、メンテナンスコストにお金が掛かってしまうばかりか、新建材や既製品建材の寿命は短く、ほぼ全てが廃盤になります。

 

廃盤になると、部品交換が出来なくなるので、大規模に壊して、交換せざるを得ません。そうなると多額のお金が掛かり、まさにリフォーム貧乏になります。

 

ですから、例えば室内建具は地域の職人が造った造作建具にする必要があり、フローリングも無垢フローリングの1択になります。

 

また、1階と2階のフローリングの種類を変えてコストダウンするとか、インテリアが「チグハグ」になるようなことも行いません。

 

こちらのブログもご覧ください。

将来リフォーム貧乏にならないためには、新築時に杉板外壁材を採用するのがマスト

 

床下エアコンはLDK家具と一体型

床下エアコンは、造作キッチンと一体となったLDK側の家具の中に仕込まれて、冬はこの床下エアコン1台だけで全館暖房。夏は2階の吹抜け上に付けた壁掛けエアコン1台だけ。合計2台のエアコンで全館冷暖房する予定です。

 

床下エアコンも家具の一部となるので、インテリアに違和感がありません。

 

擁壁の耐震性は、家の断熱性能や耐震性能より大切

基礎工事より前、4/8から擁壁工事が始まります。

 

擁壁(ようへき)とは、隣地と高低差のある敷地の場合に、基本的には高い土地の所有者が建てる「土留め」のこと。

 

今回、擁壁は大地震対応型のL型擁壁を施工します。

 

地震等で擁壁が傾いてしまうと、建物も傾いてしまう可能性が高いので、頑強な擁壁を造ることは、建物自体の断熱性や耐震性よりも、更に重要になります。

 

いくら断熱性や耐震性の高い住宅を造っても、擁壁と家が傾いてしまっては話になりません。

 

建物の基礎下に杭を打ったり地盤補強をして、家の地盤を強くしても、擁壁が傾いてしまったら、杭や地盤補強の補償は無くなります。

 

SH-houseと隣地との高低差は60㎝程度ですが、SHさんの家が擁壁近くに建ち、擁壁に家の荷重が掛るということもあり、大地震対応型擁壁「HDウォール」を施工します。

 

この擁壁は、通常の建物のベタ基礎の2倍以上の地耐力を必要とするため、地耐力が足りずに「マイコマ」というコンクリート建材を設置して地盤改良を行った上で、擁壁を造ります。

 

この大地震対応型の擁壁は、東日本大震災の後に造られたもので、まだ施工例の少ない擁壁です。この擁壁の施工もブログにしたいと思います。

 
長期優良住宅、耐震等級3で制震ダンパーも設置

SH-houseでは長期優良住宅の認定を取得し、耐震等級3にした上で、制震ダンパー「evoltz(エヴォルツ)」を設置します。

 

設置理由は、制震ダンパーを付けることで、繰り返し大地震に見舞われても、新築時の耐震性能を維持できる可能性が高くなるからです

 

実際には耐震等級3の建物でも、大地震で建物が繰り返し揺らされると、耐震性能を維持している金物のビスや釘が「緩みがち」になります。ビスや釘が緩んでしまうと、新築時の耐震性能は維持できていないことになります。

 

しかし制震ダンパーを設置することで、ダンパーにより地震の衝撃が減るので、大きな地震に繰り返し見舞われても、耐震性能を維持している金物のビスや釘が緩みにくくなるので、新築時の耐震性能が維持できる可能性が高いという、しくみです。

 

この制震ダンパーは自動車のダンパー技術を応用しており、世界最高峰のサスペンションメーカーであるドイツのビルシュタインのダンパーと、シャフト(ブレース部分)は 高度なマフラー製造技術をもつ藤壺技研工業のものです。

 

下記の動画を見ると、去年の大阪北部地震の際にも、かなり揺れを抑えたようです。

 

 

この宇都宮のQ1.0住宅の構造見学会と完成見学会を実施します

 

構造見学会と完成見学会を実施しますので、見学希望の方はご連絡ください。

 

お問い合わせはこちら。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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