「床断熱フック」を使って分厚い155㎜の床断熱施工ができると、床表面温度が上がり快適性が向上!床断熱リフォームにもピッタリ
新住協の第2回東北地区大会の研修では、床をかさ上げすることなく「分厚い床断熱」が施工できる「床断熱フック」という金物の説明もありました。
この金物も、先日の「ガラス面の大きな木製断熱玄関ドア」と同様、鎌田先生が開発したものです。
施工説明を読むと、単純な金物です。根太材とラス板を使い、簡単に分厚い床断熱材を施工できそうです。当社では新築の場合、床下エアコンを採用したいので、床断熱でなく基礎断熱を基本仕様にしています。
しかし、栃木県の既存住宅はもちろん、温暖地の住宅は、ほぼ100%が床断熱で施工されてきました。「床断熱フック」金物を使えば、床がブカブカして貼り替えが必要なお宅や、床が寒いお宅の床断熱リフォームにも使える金物だと思いました。
特殊な会費が必要なクローズト工法でなく、誰もが簡単に手に入る部材で、高性能な床断熱を実現できそうなのでご紹介します。
室内側に床を「かさあげ」する必要なく、分厚い床断熱材が施工できるのがメリット
グラスウール等の繊維系断熱材を、分厚く床断熱材として施工するには、室内側に床をかさあげして、断熱材を厚くするのが通例でした。
しかし、この「床断熱フック」金物を使えば、大引きの下にも断熱材が入れられるので、床のかさあげをすることなく、分厚い床断熱材を施工することが可能です。
床断熱工法は性能を高めるために床上げし、厚い断熱材を施工するなど非常に手間とコストが掛かっています。そこで、床上げをすることなく大引き下に断熱材を施工する事で、性能も施工性も向上し燃費半分を目標にした高性能床断熱工法を実現させました。また、剛床や床断熱のヒートブリッジを解消。床断熱フックを使用する事で、安定した木下地が組めます。(床断熱フック 日本住環境WEBより)
床の貼り替えリフォームの時に「床断熱フック」は使えそう
30年位前の住宅は、カラーフロア(新建材の合板フロア)の床材が多く、カラーフロアの下に、12㎜厚の捨て貼り合板を施工していないお宅も多いです。そういうお宅は、20年程度経過すると、捨て貼り合板が無いので、人の荷重により、合板フロアの接着剤が剥がれてフローリング自体がブカブカしてきます。
そうなると、床貼り換えリフォームが必要になるので、この「床断熱フック」を使い分厚い床断熱にして、床表面温度を上げて快適性を向上させるのが選択肢の1つになります。床断熱材には発砲系断熱材にも良いものがあるので、比較検討するのが良いでしょう。
30年位前の住宅の床をリフォームする場合、床下がコンクリートでなく土のままであることがほとんどなので、土の上に防湿シートを敷いて、床下地木材も、腐っていたり状態が悪ければ撤去して交換する必要があります。
「床断熱フック」は、いつも使っている規格の木材で施工ができる
「床断熱フック」の施工説明を読むと、いつも使っている木材で施工ができることも利点です。45×45の断面の根太材と12×90のラス板で施工出来ます。
従来の床断熱工法より床表面温度が上がり、快適性が向上
床の断熱材を厚くすることにより、ザックリ普通の厚さの床断熱材よりも、床温度が上がり、床温度も均一に近くなる。普通の厚さの床断熱材の場合は、木材の下には断熱材が無いので、温度差が1.4度程度になる。
しかし、「床断熱フック」を使って、分厚い断熱材として熱橋が無くなると、温度差は0.4度とほぼ均一になる。
従来の剛床大引間断熱では特に大引が熱橋となるため、大引部の表面温度が低くなり、中央部との差が1.39℃もあります。床断熱フック仕様では中央部で0.44℃、大引部ではなんと1.4℃も上昇して冬の足の冷えを緩和します。※室温20℃、床下温度0℃の場合(床断熱フック 日本住環境WEBより)
床断熱フック 施工手順
施工説明の絵を見ると、施工手順が良く分かる。
床断熱フック 標準納まり
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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