建築模型を造る意味は、顧客視点を持つためだ
お客さんとの打ち合わせで使う「建築模型」。3階建ての店舗併用住宅なので人間も作りました。付近を通行する人に店を認識してもらい、入店して頂くことを考えています。歩行者、自転車や車の人が、どのように店を認識し、入店しやすくするかは、模型があったほうが想像しやすい。当然、施主との打ち合わせもしやすいです。
「顧客視点」を持つこと。他人の本当の気持ちを理解することは、とても難しい。人間は自分勝手で、自己中心的に考えてしまう本能を持っているからです。写真の店舗併用住宅の場合の顧客視点とは、お店に来るお客さんの視点、お金を出して住宅を建てるオーナーの視点、近隣の方の視点。専用住宅の場合は、建築主であるお客さんと近隣の方の視点です。それらをできるだけ正確に理解したいわけです。
「顧客視点」=お客さんの潜在意識まで含めた気持ちが全て正確に分かれば、それを状況に合わせて、自分のやりたいことと調整していくだけで仕事が上手くいくはす゛(理論上)。顧客視点が分かれば、会社経営者はウハウハに儲かる。一般の人も相手の気持ちが分かれば、人間関係のストレスは少なくなり、異性にもてる。ただ、実際は相手の気持ちが分からないから、みんな苦労するのだと思います。
建築模型は、顧客視点に近づくためのシュミレーションツールだと考えています。日差しの入り方、室内の明るさ暗さ、風の入り方を検討したり、周辺環境、例えば隣家との関係を検討したりするために造る。それはお客さんに心地よく住まいを使ってもらうためのシュミレーションであり、歩行者や近隣の方になったつもりでのシュミレーションです。
また、建築模型を造ると、施工で問題になりそうな部分がより具体的に分かる。模型を造りながら、実際の施工も頭の中で軽くシュミレーションすることになるからです。まだ、お客さんに見せてもいない模型なのに、造っている途中で工事費、施工の注意点、将来のメンテナンスの「しやすさ」(コスト)が、とても気になり手が止まってしまうこともあります。とくにメンテナンスが気になるのは、ずっとリフォーム工事をやっているからだと思います。なるべく複雑な形にしないこと、自然の摂理に反しないようにすることが重要です。話が少しそれましたが模型を造る意味は、顧客視点を持つだめだというエントリーでした。
マニュアル見て模型を造ろう。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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