2014-11-01
インテリア・家具・収納

本が好きな人やお金持ちほど、本棚を必要としなくなる理由

 

 

tiny house本棚

本棚とソファが一体化されている。ソファの上で色んな体勢で読書できる。こりゃ最高だ!

出典 www.jhinteriordesign.com

 

当社で家造りをする人は、本が好きな人が多いようで、

大きなものから小さなものまで、今まで、いろいろな本棚を造ってきました。

ym-house本棚YM-house2階ホールの本棚。机の両脇に本棚がある。

 

人は好きなモノに囲まれると楽しくなり、安心します。

本が好きな人は本に囲まれて生活すると楽しい。

ギターが好きな人はギターが、自転車が好きな人は自転車が

インテリアとして身近にあると、楽しい生活が出来るでしょう。

 

住宅の雑誌でも、「本棚のある住まい」が特集されたりしています。

本棚に並んだ本自体がインテリアの一部となり、

写真映えするので雑誌で特集されるのです。

 

本棚を造ることは、注文住宅の「見せ場」でした。

オリジナルの本棚を造ることは、注文住宅建築、リフォームの「見せ場」の1つでもあり、

手造り系工務店や意匠系建築設計事務所の「差別化」のポイントでもありました。

オリジナルの本棚、ドア、家具のほうが、違和感の無いインテリアに出来るのです。

 

大多数派の造り手である、ローコストビルダー、ハウスメーカー、一般的工務店や設計事務所は、

既製品の本棚は現場で組み立てますが、オリジナルの本棚は造りません。

オリジナルのドアや家具も基本的に造りません。

 

造らない理由は、部材の設計が必要になって面倒だし、一品生産品を造るとクレームも生じやすいし、値段も既製品と比べると高めになることもあるからです。

彼らの場合は、家を「造る」というよりも、ニトリの家具のような部材で「組み立てる」感じの家造りです。

既製品の本棚やドア、家具だと、取って付けたような感じになるのは否めません。

 

本が好きな人ほど、本棚が必要無くなる理由

しかし近い将来、造作本棚も既製品本棚も含めて、

本が好きな人ほど、本棚を造らなくなるでしょう。

 

本が好きな人は、多くの本を買うのが普通です。

年間に本を100冊買う人は、10年で1000冊となります。

普通の家の本棚では納まりません。

 

電子書籍の登場は、本棚を不要にしつつあります。

電子書籍で読める本も増えてきましたし、

電子書籍でしか読めない、ニッチな本もあります。

本が好きな人は、電子書籍も買わざるを得ないのです。

 

イノベーターやアーリーアダプターと言われている

先進的な方たちのブログを読んでいると、

持っていた紙の本を全て売って、電子書籍に替えている人もいる。

 

今までは、本とスマホの両方を持って生活していたが、

本を持たずに外出して、スマホで読書できるのは便利なのです。

また、電子書籍は一度買うと、iphoneでもipadでも、他のデバイスでも読める。

 

お金持ちは電子書籍に移行するのが早いんじゃないかと予想。

イノベーターやアーリーアダプターはお金持ちなので、

本の値段は、購買動機にならなそうです。

紙の本より、電子書籍のほうが使いやすく、

面積もとらず、時間を有効に使えると判断したら、

紙の本より高くても、電子書籍に乗り換えるのだと思います。

 

本の価格(現在)。

値段の高い順番は、

1.紙の新刊本>2.電子書籍>3.古本です。

今は、紙の古本が送料を入れても一番安い。

ザックリいうと、古本(送料込価格)の1.5倍の値段が電子書籍という感じです。

だから、お金の無い私は、がさばっても、古本を買っていますし(笑)、

古本の出ていない新刊本は電子書籍のほうが安いので、電子書籍で買っています。

 

アマゾンの電子書籍価格が、古本価格に近くなると、紙の本は完全に売れなくなる。多分ね。

アマゾンでの電子書籍価格が古本の価格に近くなると

電子書籍に移行する人が多くなり、

紙の本は、ほとんど売れなくなると思います。

 

電子書籍のほうが古本より多少高くても、

使いやすさと、場所を取らないことで電子書籍を選ぶでしょう。

 

事務所本棚事務所の本棚。神棚と本棚が一緒になっている。

 

それでも本棚は造りたい。

当社は、なるべく小さく家を造り、質を上げていく方向です。

電子書籍が主流になっても、できるだけ本棚は残したいと考えています。

近い将来、本棚は、電子書籍に取って代わられ、

インテリアとしての本棚(飾り棚)のようになるのかもしれません。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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