「タカラスタンダードは、なぜ最高益を更新しているのか?」~値引き率が低く、売りにくいのに選ばれる理由と、おすすめキッチンの結論~

先日、水回りメーカーのタカラスタンダードが最高益を更新したという新聞記事を見ました。
建材価格の高騰や、新築着工棟数の減少が続く中で、これは非常に注目すべき出来事だと思います。
タカラスタンダードは、他の水回りメーカーとは異なり、「値引きなし=ほぼ定価販売」という特徴的な価格設定をしています。
さらに、ホーローという同業他社にはない「高耐久で掃除しやすい素材」を採用しており、キッチンやユニットバスでも、独自のポジションを築いています。
また、美容業界で圧倒的な存在感を持つ、タカラベルモントも、同じグループ企業です。
このブログでは、タカラスタンダードの特徴を、
①独自の価格設定②ホーローという独自素材⓷ショールーム数日本一という3つの視点から整理し、最後に「結局、どのようなキッチンがおすすめか?」まで解説します。

目次
タカラスタンダードの特徴①「価格の魅せ方(適正価格政策)」

タカラスタンダードの最大の特徴は、価格の考え方・魅せ方です。
一般的な水回りメーカーや建材メーカーは、あらかじめ定価を高く設定し、そこから大きく値引きする仕組みになっています。
例えば、カタログでは300万円と表示しながら、実際は「50%OFFで150万円」といった販売です。
これはいわゆる 二重価格(値引き前提の価格設計)です。
この仕組みのメリットは、実は施主ではなく工務店・建材店側にあります。
- 粗利益を自由に調整できる
- 施主に「安くなった」と感じさせやすい
- 見積の幅が広がる
結果として、同じ商品でも、高く買う人と安く買う人が存在する構造になります。
家電や自動車業界も同じで、値引き交渉がある業界は、ほぼこの構造です。
一方、タカラスタンダードは全く違います。
- 定価が実勢価格に近い
- 値引きがほとんどない
- 価格のブレが少ない
つまり「値引きなし=透明で損しにくい価格」です。
どの施主が買っても、価格がほぼ同じになります。
また、工務店側から見ても
- 仕入れ価格の差がほぼない
- 多くの建材店に相見積もりをする手間が減る
というメリットがあります。とてもシンプルで、個人的には好きな商売の方法です。
タカラを採用した場合の、工務店の粗利益率は、個人的には充分なものだと思います。工務店のメリットは、タカラの商品は、どの建材店から買っても仕入れ価格に、ほぼ差が無いことです。複数の建材店から見積もりを取るなどという、無駄な時間が省略されて助かります。実際は、タカラを積極的に扱いたいと思う建材店が少ないため、タカラから仕入れ先の建材店を推薦されることが多いと思います。多くの建材店が、タカラの商品を積極的に扱わない理由は、建材店の粗利益率が、ほぼ固定されているからだと思います。
この価格戦略を、タカラでは 「適正価格政策」と呼んでいます。
インターネット時代において、価格の透明性が求められる中で、この考え方は非常に理にかなっています。
適正価格政策 https://www.takara-standard.co.jp/brand/fair_price/?utm_source=chatgpt.com
タカラスタンダードの特徴②「骨組みまでホーローで高耐久」

ホーローとは、鋼板の上にガラス質を焼き付けた素材で、
- 傷がつきにくい
- 汚れが染み込まない
- 水や湿気に強い
という特徴があります。
ここで重要なのは
「扉だけではなく、骨組み(キャビネット)までホーロー」であることです。
一般的なキッチンは
- キャビネット(骨組み)=木(合板)
- 扉=シートや塗装仕上げで、芯材が合板
いわゆる「木質キャビネットキッチン」です。
これはホームセンターのカラーボックスと同じ構造で、
- 湿気で傷みやすい
- 湿気が合板の中に入り、匂いが出やすい
という弱点があります。
一方で
タカラスタンダードとクリナップの2社は、金属キャビネットです。
- タカラ:ホーロー(金属+ガラス質)
- クリナップ:ステンレス
つまり構造そのものが、合板と金属で違います。
耐久性・清掃性・匂い対策を重視するなら、金属キャビネットキッチンである、タカラ かクリナップの2択になると思います。
タカラスタンダードの特徴③「ショールーム数日本一」
| メーカー | ショールーム数 |
| タカラスタンダード | 161ヶ所 |
| クリナップ | 102ヶ所 |
| TOTO | 94ヶ所 |
| LIXIL | 84ヶ所 |
| パナソニック | 64ヶ所 |
| ハウステック | 47ヶ所 |
| トクラス | 27ヶ所 |
図のように、キッチンメーカー各社のショールーム数を比較すると、タカラスタンダードは全国で約161ヶ所と、主要メーカーの中で最多です。
調べてみると、2位のクリナップの1.5倍以上のショールーム数で驚きました。
TOTO、LIXILといった大手メーカーと比較しても、その数は明らかに多く、業界の中でも特徴的な存在といえます。
では、なぜタカラスタンダードはここまでショールームが多いのでしょうか?
理由①:ホーローは「体験しないと伝わらない」
タカラスタンダードの最大の特徴は「高品位ホーロー」です。
しかしこのホーローという素材は、
- 傷がつきにくい
- 汚れが染み込まない
- マグネットが使える
- 水や湿気に非常に強い
といった性能を持っているものの、カタログや写真だけでは、その良さが伝わりにくい素材です。
実際に触ったり、叩いたり、傷を付けようとしたりして初めて「なるほど、これは他社と違う」と納得できる商品です。
ショールームに行くと、「ホーロー実演キット」という、実演キットが頂けます。これは、ホーローを叩いたり、傷つけたり、燃やしたり出来るキットです。実演してみると、ホーローは、金槌で叩いたり、ワイヤブラシだ傷つけたり、ライターで燃やしたりしても、ほぼ変形しません。とても説得力があります。

理由②:「値引きしない価格戦術」との関係
タカラスタンダードは、他メーカーのように
- 定価を高く設定して
- 大きく値引きする
という販売方法ではなく、
- 値引きが少ない価格体系
- 最初から実勢価格に近い定価設定
を採用しています。
この価格戦術では、
「なんとなく安いから買う」という動機は生まれません。
その代わりに必要になるのが、商品そのものに納得してもらうことです。
そのため、
- 実物を見る
- 触れる
- 実験してみる
というショールーム体験が非常に重要になります。
理由③:地域密着型の営業スタイル
タカラスタンダードは、都市部だけでなく、
- 地方都市
- 中小エリア
にも数多くショールームを展開しています。
これは、 「近くで体験できること」を重視した営業戦略です。
わざわざ遠くの大型ショールームに行かなくても、地元でしっかり確認できる。
この積み重ねが、結果として「全国最多のショールーム数」につながっています。担当営業マンと、女性のショールームアドバイザーの対応も、同業他社と比較して、熱心できめ細やかな印象です。
【まとめ】タカラスタンダードは、なぜ最高益を更新しているのか?
タカラスタンダードが最高益を更新している理由は、
- 適正価格(透明性)
- 高耐久(ホーロー構造)
- 体験型営業(ショールーム)
この3つが揃っているからです。
さらに言うと価格競争から脱却していることが大きいと思います。
少子高齢化の中で
- 安さ重視ではなく
- 良いものを適正価格で買う層
が増えていることも背景にあります。
相見積もりや価格競争が好きな、一部の工務店と建材店からは、定価販売のタカラスタンダード売りにくい、と敬遠されてはいるものの、少子高齢化で、今までの相見積もりのような、価格競争が成り立たなくなっています。良いモノを適正価格で買える、一定所得以上の住まい手が、新築もしくはリフォームしているとも言えます。
タカラスダンダードとタカラベルモントの関係
タカラベルモントが先に創業(1921年)、その後住宅設備部門が分離して、タカラスタンダードとして独立(1971年)しています。
「タカラスタンダードは突然出てきた会社ではなく、美容業界で世界的なシェアを持つタカラベルモントをルーツに持つ会社です」
タカラベルモントは
- 主に美容室向け設備
- 歯科設備(横になれる椅子など)
などを扱うメーカーで、美容業界では圧倒的な存在です。美容室を造ったことがある設計事務所や工務店は、その存在の大きさが理解できると思います。
美容室専用の給湯器・内装建材・専用ミラー・椅子・シャンプー椅子・各種備品など。美容室内部の移動できる備品は、ほぼタカラベルモント製と言っても過言ではありません。
知る人ぞ知る、美容業界の独占企業です。
タカラベルモントとタカラスタンダードの共通点は、独自技術 × 独自路線
- タカラ:ホーロー
- ベルモント:美容設備
どちらも価格競争に頼らず、品質とブランドで勝っている会社です。
https://www.takarabelmont.com/
結局、どのようなキッチンがおススメなのか?

おススメの順番を結論から書くと、1.オーダーキッチン(シンク下は扉無し)→2.金属キャビネットキッチン(タカラスタンダードもしくはクリナップ)→3.木質キッチンです。価格も高いほうから、1~3の順番になります。
オーダーキッチンを一番のおススメにした理由は、扉の面材を室内ドアと一緒にするなど、内装建材とのコーディネイトがしやすく、統一感を出しやすいからです。オーダーキッチンは木質キャビネットキッチンに分類されますが、シンク下の扉を無くすことで、湿気が籠りにくくなり、耐久性が上がります。
おススメの2番目を、金属キャビネットキッチンにした理由は、耐久性と掃除のしやすさです。耐久性と掃除のしやすさのみを重視するなら、金属キャビネットキッチン1択です。金属キャビネットキッチンも、シンク下の扉を無くす仕様はありませんが、扉の内側も金属キャビネットなので、シンク下に湿気が籠っても、傷む心配はありません。値段も、耐久性と掃除のしやすさが高い割に、お安いと思います。金属キャビネットキッチンは、一番ラフに使っても壊れにくいので、一番万人向けです。具体例として、床上浸水の心配のある地域で、キッチンが浸水しても、その後も使える可能性があるのは、金属キャビネットキッチンのみです。木質キッチンは、浸水すると、ふやけて変形してしまうからです。また、設備業者さんの自宅は、金属キャビネットキッチンを採用していることが多いと思います。
タカラスタンダードとクリナップを比較すると、何かをハードにぶつけた時に凹みにくいのは、タカラです。マグネットキッチンパネルでも、タカラのほうが歴史があります。
おすすめの最後は、木質キャビネットキッチンになります。ほぼ、全てのメーカーで採用されており、一番多く出ているのが木質キャビネットキッチンです。既製品のキッチンは、金属キャビネットキッチンも含めて、シンク下の扉を無くす仕様が無いので、湿気が籠りやすいです。湿気は、匂いと痛みの原因になることが多いので、シンク下は扉を開けておくなどして、通気させるのが良いと思います。
キッチンシンク下収納に湿気が出る原因と対策を、キッチンメーカーに聞いてみた
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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