2025-03-05
冷暖房・換気システム
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高断熱・高気密住宅

ヒートポンプって何?仕組みとメリットを調べてみた!

ヒートポンプを使った住宅設備

「ヒートポンプ」という言葉を聞いたことはありますか?

何となく省エネ技術であることは知っているけれど、具体的にどういう仕組みなのか、よく分からない…。

そんな方も多いのではないでしょうか?

私も同じで良く分からなかったので、ヒートポンプについて、ザックリと調べてみました。

効率が良く省エネとなるヒートポンプという技術は、エアコンやエコキュート(電気給湯器)など、私たちの暮らしの身近なところで活躍しています。

この記事では、ヒートポンプの基本的な仕組みやメリットを分かりやすく解説します。これから新築やリフォームを考えている方の、家づくりのヒントになれば幸いです!

ヒートポンプの語源は?

ヒートポンプ(heat pump)の語源は、熱(heat)をくみあげる(pump)という意味です。

ヒートポンプとは?

ヒートポンプは、大気中から熱をくみ上げて、熱エネルギーを生み出す省エネ技術です。

例えば空気の温度では、空調や給湯などへの直接利用は難しいため、ヒートポンプ技術を活用することで熱エネルギーとして利用することができます。

わずかに消費する電気エネルギーよりも、大きな熱エネルギーを効率よく得られるのが特徴です。省エネルギー性に優れ、CO2の排出量削減にもなることから、脱炭素化に向けた技術としても注目されています。

ヒートポンプを利用した住宅設備としてはエアコンとエコキュートが代表的です。

※エネルギー供給構造高度化法(2009年施行)により、ヒートポンプで利用する空気熱や河川水等の熱は再生可能エネルギーと定義されています。様々な用途で利用することで、更なる省エネ・省CO₂が可能となります。

ヒートポンプの仕組み

エアコンは暖房と冷房の両方がヒートポンプで行える夢の機械

冷媒(れいばい)を圧縮すると温度が上昇し、膨張させると温度が下がり、循環させることで熱を移動させます。

※冷媒とは、エアコンなどの機器の内部で、熱を移動させるために使用される液体や気体のことです。液体が気体になるときに周囲の熱を奪い、気体が液体になるときに周囲に熱を放出する性質を利用して、冷却や暖房を行います。

その性質を利用し、冷媒を圧縮したり膨張させたりして温度を上昇・低下させ、熱を移動させるのがヒートポンプの仕組みです。

具体例として、エアコンの冷媒は、室内機と室外機をつなぐ配管内を循環するガスで、空気中の熱を運ぶ働きをします。冷房時には部屋の熱を外に、暖房時には外の熱を部屋に移動させて、冷房と暖房を行います。

どうしてヒートポンプは省エネなのか?

ヒートポンプの仕組み

ヒートポンプの大きな特徴は、エネルギーを効率的に使うところにあります。例えば、エアコンの場合、電気を使って冷媒を循環させ、その過程で空気中の熱を吸収したり放出したりします。この仕組みを利用することで、少ない電力で大きな冷暖房効果が得られるため、従来の電気ストーブなどと比べてかなり効率的です。

一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターによると、暖房の場合、電気ストーブでは「1」の電力で最大で「1」の暖房効果しか得られませんが、ヒートポンプでは同じ「1」の電力に、空気の中にある熱「5」が加えられ、「6」の暖房効果が得られます。ヒートポンプはエアコンで昔から使われている技術ですが、今では冷暖房のほかに給湯などに使われています。

ヒートポンプを使ったエアコン暖房のシェアは?

上記は環境省が出している資料ですが、エアコン(電気)の表示があるので、エアコンはヒートポンプのエアコンだと思われます。

https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/05/#:~:text=%E6%9C%80%E3%82%82%E3%82%88%E3%81%8F%E4%BD%BF%E3%81%86%E6%9A%96%E6%88%BF%E6%A9%9F%E5%99%A8%E3%81%AE%E5%89%B2%E5%90%88%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%8C,%EF%BC%85%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

※エアコンにはヒートポンプのほかに、ガスエンジンで駆動するガスエアコンや、灯油やガスで動く冷房などもあるようです。私は見た記憶がありません。

全国平均で、最もよく使う暖房機器の割合は、エアコン(ヒートポンプを使った)が39%で最も高く、次いで灯油ストーブの22%、電気カーペット・こたつの17%となっています。

エアコンは、関東甲信越では、42.7%で一番多いです。

北海道では、何とエアコン暖房のシェアは、1.8%で、東北は20.1%。

北海道と東北では、灯油ストーブのシェアが50%を超えています。

なぜ北海道や東北などの寒冷地では、エアコン暖房(ヒートポンプ)が普及していないのか?

寒冷地では、氷点下になる日も珍しくありません。そのような日には、ヒートポンプ機器も空気中の熱エネルギーを、上手く汲み上げることができず、本来の効率・能力を発揮できなくなるという現象があります。これが、寒冷地でヒートポンプが普及してこなかった要因です。

北海道や東北でエアコン暖房が普及しない具体的要因は以下のようです。

●要因1→低外気温時に暖房能力が低下する

●要因2→室外機に付着する霜を除去する除霜運転時に暖房運転が止まる

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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