リフォーム・リノベーション

D-house

埃だらけの小さな平屋の中古住宅が、住まい手の審美眼により、高級和風旅館のような住まいに変身したリフォーム

夜景。北側道路から建物を見る。
向かって右がリフォームした平屋(延床面積25.71坪)。
左の丸窓の家が増築した総二階(延床面積27.04坪)。

好みの意匠の、小さな平屋の中古住宅を見つけるまで

2006年夏、アイルランド在住のご家族が、休暇中の別荘として、宇都宮市内に小さな平屋の中古住宅を買いました。

当時、旦那さんの実家のあるアイルランドに家族6人で住んでおり、大きな持ち家もありました。しかし毎年、最短でも夏の2週間程度、奥様の実家のある栃木県に、休暇で帰省していました。

帰省する度、家族6人が奥様の実家で過ごしていましたが、毎年のことなので、栃木での休暇が過ごせる、別荘的な小さな家が欲しくなり、ネットで探して、好みの意匠の小さな平屋の中古住宅を見つけました。

購入前に内見した時、庭は雑草が生い茂り、室内は埃だらけでしたが、「和」を感じさせる趣のある外観と内部の骨格と造作建具に魅力を感じ、今のままでも十分に格好が良いのだから、リフォームしたら更に良くなると確信し、購入を決めたとのことです。

ここでの内部の骨格の魅力とは、太い柱や梁、無垢の床材や漆喰壁など、リフォーム後にも残るであろう仕様のこと。

丸みのある「むくり屋根」が特徴的。
「むくり屋根(起り屋根)」とは、日本独自の屋根形態の1つ。
丸みを帯びた曲線の屋根は、つつましさや丁寧さの表現と言われる。
比較的、京都に多い屋根形態。
囲炉裏のある玄関ホール。
開放感のある勾配天井と木組み
玄関ホールから玄関を見る。
手前に囲炉裏があり、御影石貼りの玄関土間の一部に、竹で出来た筧(かけい)と、地面に埋まった石の蹲(つくばい)が見える。

増築して居住部分を確保してから、中古住宅のリフォームを始めることになった

中古住宅を購入した2006年以降、アイルランドに住んでいる時点で、旦那様の勤務先が日本になりました。

別荘にするつもりで買った、延べ床面積25.71坪の平屋の中古住宅に、家族6人で暮らすには狭いと考えて、2008年、中古住宅をリフォームするより先に、同じ敷地内に、別棟で増築することにしました。

増築とは、別棟で新築のように建てて、既存部分と繋げることです。

総二階の増築は、奥様のお父様の高校の同級生という関係で、当社会長が担当することになりました。

その増築が、当社とDさん家族の、お付き合いの始まりです。

アイルランド滞在中に工事が始まり、2008年に帰国してから1~2か月後に、増築部分(延床面積27.04坪)が完成して、増築部分に住み始めました。

増築部に居住スペースを確保した上で、既存の平屋中古住宅のリフォームを始めました。

最初は、キッチンのリフォームを行い、居間のリフォーム、玄関リフォーム、お風呂のリフォームと、順番に行いました。

玄関ポーチを見る。
石灯籠や植栽が外部空間に落ち着きを与えている。
左手の大谷石のような壁の建物が、増築した総二階。
駐車場から建物を見る。経年美化した古い家と、新しい高級外車のコントラスト。どちらも本物の為、違和感がない。パフパフな家では、車とのバランスが悪い。
玄関土間の筧(かけい)と、地面に埋まった石の蹲(つくばい)。
囲炉裏、筧(かけい)と蹲(つくばい)、地下室のある、とても珍しい中古住宅。
蹲(つくばい)に落ちた水は、配管により排水されている。
ダイニングを見る。
開放感のある高い勾配天井だが、低めに取り付けられた照明により視線が下がり、落ち着いた雰囲気となっている。

住まい手と造り手の対話により、想像の上を行く仕上がりに!

平屋のリフォーム部分については、奥様のアイデアや要望を、造り手である当社会長が、既存の良いモノは残して、違和感のあるものは新しくするという、的確な取捨選択により形にしていきました。

施主が「こうしたい」と伝えると、それが予想以上の形で実現していったとのことです。

北側道路から門扉を見る。
夜景。
デッキと庭を見る。
玄関ホールからダイニングを見る。
右側壁の縦格子の引き戸の中はロフトとした。
壁の一部を、縦格子の引き戸とすることで軽快さが生まれ、ロフトにすることで、変化のある空間になっている。
ロフト内部は隠れ小部屋のようなスペース。
ロフトからダイニングを見下ろす。
ダイニングから玄関ホール側を見る。
正面の4枚引き戸、右手のガラス引き戸は既存のまま。
左手上部の縦格子引き戸は壁を抜いて造った。
印象的な北斎柄の襖。
約300mm幅の檜フローリングは、様々な幅がある。
畳敷のリビングを見る。
濃い色の畳が敷かれたリビングは、柔らかなフローリングのように感じてラフに使える。
座ると、美しい障子で切り取られた視線は、自然と庭に向くようになっている。
畳敷のリビング。
床の間を見る。
寛げる現代和室のお手本。
キッチンを見る。
既製品の木のキッチンだが、造作を加えることで、オーダーキッチンのようなオリジナル感が生まれた。
玄関ホール夜景。
和風プライベート旅館の待合室のような雰囲気。
脱衣室を見る。
好きな、設備を選んだ。
地下室への床ハッチ。
秘密の世界へどうぞ。
地下室があるなんて、言われないと分からない。
地下室を見る。
地下室はシアタールーム兼ラグビー観戦スペース
美しい浴室。
壁の板張りと勾配天井は既存のままです。新築した人も、只者ではない。
腰の石と浴槽とシャワーヘッドはリフォーム。
窓を閉めたところ。
浴室。
窓を引き込んで全開にすると、お風呂と庭が一体になる。
浴槽内部の光源により、お湯は様々な色にライトアップされる。
増築棟のリビング。
正面のライオンの絵画は、息子さんの作品。
ビリヤードとテレビがある。
増築棟のリビング。

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概要

D-house

埃だらけの小さな平屋の中古住宅が、住まい手の審美眼により、高級和風旅館のような住まいに変身したリフォーム

所在地
栃木県宇都宮市
敷地面積
348.1㎡(105.3坪)
リフォーム部分の用途・構造・延床面積
専用住宅 木造軸組構法平屋建て(一部地下室)  85.01㎡(25.71坪)
増築部分の用途・構造・延床面積
専用住宅 木造軸組構法2階建て 89.42㎡ (27.04坪)
設計施工
(有)ヨシダクラフト/ 設計協力: ゆいの杜設計
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