2021-04-10
リフォーム

【注意喚起】消費者が注意すべき、訪問型屋根リフォーム業者の、訪問のための口実7選

屋根に登って状態を確認した。

当社webを見てご連絡頂き、8年前に「部分断熱リフォーム」と「外装塗装リフォーム」をしたAOさんから電話が来ました。

突然、作業服を着た男性が来て、「屋根が大きく波打っているので、明日屋根に登って見積させてほしい」と言われたとのこと。

AOさんからの電話の内容は、リフォーム業者に突然訪問された上に、屋根が波打っていると言われてびっくりしてしまい「訪問の約束してしまったが、どうしたら良いか?」という相談の電話でした。雨漏りがするようになったり、屋根が飛んで近所迷惑を掛けてしまうのではないかと考えたようです。AOさんにコロニアル屋根が波打っているのかを確認して頂いたところ、下からはそんな様子はないとのことでした。

直ぐに電話で訪問予定をキャンセルしてもらいました。今朝、板金屋と一緒に現地に行き、下から屋根を確認したところ、屋根に不自然な点はなく、屋根に登っても波打っているような場所は1箇所もなく、直ぐにリフォームの必要がある場所もありませんでした。

訪問リフォーム業者の名刺を見せてもらったら、埼玉県三郷市のリフォーム会社でした。わざわざ他県から来ているのです。屋根のリフォーム工事は、修繕系のリフォーム工事になります。当社は車で30分程度以内のお宅しか、修繕系リフォーム工事は行わないと決めているのですが、それとは正反対の会社です。

修繕系のリフォーム工事は、工事してみたら下地の状態が悪かった等、適切な判断をするために、監督が現場に滞在する時間が多くなりがちな上に、基本的に請負金額が高くはないので、自ら遠い場所に行って工事をしても割に合わないことが多いはずなのです。また完成後、お客さんのお宅で不具合が生じた時に、なるべく早く私たちが駆け付けられる範囲となると、施工地域を当社の近所に限定せざるを得ません。目がしっかりと届く範囲で仕事に責任を持つのが基本。

ですから消費者は、他県からリフォーム業者が来るということは、合理的ではない、おかしなことだと考えるべきなのです。

今回の場合も、訪問リフォーム業者に屋根に上がられたら、リフォームの必要もないのに工事をされてしまった可能性が高いです。

外壁は素人でも目視で確認が出きますが、屋根は上がってみないと分からないので、訪問型のリフォーム業者は、屋根のリフォームを突破口にして、お宅に入り込むことが多いのです。

訪問型リフォーム会社の注意点をお話しします。

突然、訪問してくるリフォーム業者には注意が必要

訪問型のリフォーム業者は、突然、不意打ち的に訪問し、上手に勧誘してくるので、一連の流れに乗せられると、消費者は正常な判断ができず、そのまま契約してしまうことがあります。

今回は、突然訪問されて、「貴方の家の屋根が浮いていますよ」という「不安を煽るタイプ」でしたが、他にも様々な口実を作りお宅に入り込みます。

以下は、私が実際に施主から聞いた、訪問リフォーム業者がお宅に入り込む口実7選です。

訪問リフォーム業者が、お宅に入り込むための口実7選

共通するのは、突然訪問されて不安を煽られたり、お得感を出されること。そうされると消費者は、直ぐには正常な判断が出来なくなる場合があります。

  1. 屋根が浮いています。危ないので無料で見積しますよ?
  2. 近所で工事している者ですが、屋根がオカシイので無料で見ます。
  3. 近所の工事が終わって足場を解体予定なので、直ぐにお安くに足場を建てられます。
  4. お客様の地域を無料点検して回っています。点検だけでもさせてください。
  5. 今、キャンペーンをやっています。
  6. 屋根リフォームも火災保険で、自己負担0円で出来るもしれないです。知ってますか?
  7. モニターになってくれたら大幅に割り引きします。

他県から来る訪問リフォーム業者の生態

わざわざ、時間と交通費(高速代含む)を掛けて、他県から来る業者の場合、その時間と交通費は、常にコストに上乗せされます。余分な費用を支払わないためにも、リフォームも新築も地元の業者に依頼するのが無難です。

訪問型リフォームの営業マンは出来高制(歩合制)なので、必要のないリフォーム工事をされてしまう可能性が高い

訪問型リフォーム会社の営業マンの給料は、基本給が安く設定されており、基本給+出来高となっていることが殆どです。前述したように、他県で仕事を獲得するので、そのコストが上乗せされる上に、営業マンの給料も見積に加算され、その上、会社から決められた最低粗利額もあるので、リフォーム工事を安くできるはずはありません。

出来高制なので、仕事の取れる営業マンは多くの給料が取れるということになります。仕事にならないと、出来高は加算されないので、今回のような必要の無いリフォームも、工事されてしまう可能性が高いということです。

また、今回のように、訪問リフォーム会社の営業マンは、スーツを着ていると警戒されてしまうので、大概は作業着を着ているようです。時には職人が訪問営業をしているリフォーム会社もあるようです。

屋根点後のAOさんとの会話

AOさんから、

「ヨシダクラフトさんに相談して良かった」

「今日来て頂いて、リフォームの必要が無くて安心しました」

「訪問型リフォームに屋根にのられていたら、リフォームの必要がないのにリフォームされてしまったと思います」

「今日は、おいくらになりますか?」

と言われたので、

「以前から仕事させて頂いているAOさんに、屋根点検で料金請求はしない」旨を話すと、

「屋根と外壁の塗装はいつ頃やった方が良いか?」と聞かれたので、

「2年後くらいにやりましょう」ということで帰ってきました。

  

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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