2019-07-06
Q1.0住宅宇都宮の家 SH-house(宇都宮市)
建材・住宅設備・便利グッズ
高断熱・高気密住宅

ダイライトmsの窓廻りの貼り方と特徴

人の絵が描いてある茶色い面材がダイライト。

大建工業のダイライトmsは、木造住宅の外壁下地に貼って耐力を確保する面材である。

 

ダイライトの「施工マニュアル」により、窓廻りや玄関ドア廻りは、「分割施工」することが指定されているが、実際に現場では、ベタ貼りされた後に、丸ノコで「切り抜き施工(切り欠き施工)」されていることが多いので、注意が必要だ。

 

分割施工しないと、地震で建物が揺れた時に、窓の入隅部分が割れやすくなるから。

 

特に外壁仕上げ材が、湿式のモルタル系外壁材の場合は、外壁下地材であるダイライトの窓廻りの入隅部が割れると、モルタルも当然、ひび割れが入りやすくなる。

 

今日のブログは、ダイライトの窓廻りの施工方法と、合板下地よりも優れているダイライトの特徴について書きます。

 

そもそもダイライトって何?

ダイライトは、主に建物外周の外壁下地(柱の直ぐ外側)に貼る耐力面材です。

 

耐力壁(たいりょくへき)とは、建築物において、地震や風などの水平荷重(横からの力)に抵抗する能力をもつ壁のことを示します。耐力壁は一般的に「筋違い」もしくは「耐力面材」によってつくられます。

 

ダイライトの主原料は鉱物

ダイライトの主原料は、火山灰(シラス)とスラグウール(製鉄時にできる副産物)という鉱物である。

 

Q1.0住宅等の高断熱住宅の外壁下地の耐力壁は、筋違いでなく耐力面材を使うのが普通

Cの斜めの木材が筋違い

出典

ヨシダクラフトでは、外壁下地は耐力面材ダイライトを使い、内壁など面材が使いにくいところでは筋違い(筋交い、すじかい)を使うようにしています。

 

外壁下地に耐力面材を使う理由は、外壁下地には断熱材が入るので、断熱材が入る外壁に筋違いを使うと、筋違いが邪魔になり、断熱材が上手く入らないからです。

 

ちなみに筋違いとは、上の絵のような柱間に木材を斜めに入れて耐力を確保する施工法ですが、筋違いのある個所には断熱材は上手く入りませんし、また、筋違いは木なので断熱材よりも断熱性能が低く熱橋になってします。

 

ダイライト等の面材なら、何も邪魔になる木材がないので、断熱材を綺麗に入れることが出来て、筋違いによる熱橋も生じませんから、Q1.0住宅等、断熱性能にこだわっている会社は、筋違いでなくダイライトや合板等の耐力面材を外壁下地に貼っています。

 

ダイライトMSの窓廻りは、切り欠き施工でなく分割施工する

窓廻りの「分割施工」とは、文字通り、上図の左ように分割して施工すること。

 

右のようにダイライトを1枚ベタ貼りして、後から丸ノコでコの字やロの字に切り抜いては、いけないのだ。

 

その理由を大建工業に電話して聞いたところ。

 

「窓廻りを分割施工せずに、1枚をベタ貼りしてから、コの字やロの字にくり抜く、切り欠き施工をすると、地震で建物が揺れた時に、入隅部分が割れやすくなるから」とのことでした。

 

SH-houseのダイライトの窓廻りはしっかり分割施工している。

分割施工は、わざわざ1枚を小さくカットして貼るので手間が掛かる。

 

設計者や施工管理者(現場監督)がマニュアルを読んでいないと、大工が1枚をベタ貼りして、後で窓や玄関ドア部分を、ロの字やコの字に切り抜いてしまっても、それが悪いことだと分からない。

 

ダイライトを貼る前に、金物にもウレタンスプレーしてカットし、熱橋をつくらない。

特に、「建て方の時にダイライトまで貼ってしまう住宅会社」は、窓廻りを「分割施工」せずに、外壁全面をベタ貼りしてしまい、後から窓部分を「切り抜き施工」しがちだから、注意が必要だ。

 

耐力面材のメリットと、ダイライトの合板に対する優位性7つ

 

1.耐力面材は、地震等の力を面全体に分散させるとともに、面材四周に細かく留め付けた一本一本の釘で支えます。釘により、たくさんの接合部が出来る為、変形が生じても「粘り」を発揮して耐力が低下しにくいという特徴を持っています。

 

2.断熱材を入れるときに筋違いが無いため、断熱材を綺麗に入れられ、かつ熱橋がなく、断熱効果が高くなる。

 

3.モルタル外壁などの場合は、モルタルを外壁に塗る時に、下地となる「あて」が無いと、鏝塗りが出来ませんが、耐力面材を貼ると耐力壁と左官下地の「あて」が兼用できて合理的である。

 

4.換気ダクト等の穴を外壁下地に開けた場合、耐力面材があると、面材自体が「あて」となり、ブチルテープ等を貼って、穴の周囲を防水しやすくなります。漏水防止効果が高くなります。

 

5.ダイライトは鉱物を主原料とするため、「合板による耐力壁」よりも燃えにくく、グラスウール等の燃えにくい断熱材と組み合わせて、杉板やガルバリウム鋼板など、耐火性に乏しいが雨に対して耐久性のある外壁仕上げ材を使用することが可能になります。

 

6.ダイライトは合板耐力壁に比べて、7~10倍湿気を通しやすいので、壁内の湿気をすみやかに放出し、壁内の結露を防ぎます。上の図は透湿抵抗の比較なので、数字が小さいほど湿気を通しやすい。ということはダイライトは合板耐力壁に比べて、壁内結露しにくいから、木材も長持ちする可能性が高い。

 

ダイライトは合板よりも白蟻に食われにくい。

7.合板よりも白蟻に強く防腐性にも優れている。白アリが食糧とする成分を含んでいない無機質素材なので、防蟻性にもすぐれています。6ケ月間土中に埋める実験でも、外観・強度ともにほとんど変化がありませんでした。

 

Amazonプライムビデオに7/8から「万引き家族」が降臨。

必ず名作ベスト10に入っている「アラバマ物語」は既に降りてきています。

どちらも観ていないので観るしかない。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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