【映画】「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」/たった1か所だけ欠点のある、理想の我が家を売るべきか?
Amazonプライムビデオで「ニューヨーク眺めのいい部屋売ります」を観ました。
ニューヨークのブルックリン建つ、眺めのいいアパート(分譲マンション)の、5階の最上階に住む老夫婦の物語。
このアパートは2LDKでこじんまりとしており、シンプルでいかにも使い勝手が良さそうです。
屋上庭園も付いた、日当たりも良いアパートでの生活は便利で、近隣住民との関係も良好ですが、1つだけ欠点がありました。
それは、エレベーターが付いていないこと。
「その欠点を回避するために、理想の我が家を売るべきか?」というのが、テーマです。
「住宅を決める」ということは、「どこに住むのか?どんな家に住むのか?を決める!」ということであり、住まい手の人生観が濃く反映されます。
これから家を建てようと考えている方や、マンションを買う予定の方、リフォームもしくはリノベーションを考えている方は、この映画を観て「家づくりに、何が大切なのかを再考してください」
現場見学会(マンション内覧会)のシーンでは、参加者の中に、勝手に振る舞う子供に注意をしないバカ親も出てきて、売り手側はイライラするという「現場見学会あるある」も展開されています。
あらすじ
ニューヨークのブルックリンの街並みを一望できる、眺めのいいアトリエのあるアパート。
画家のアレックス・カーヴァー(モーガン・フリーマン)と元教師の妻ルース(ダイアン・キートン)は、新婚時代から、住み心地の良いこじんまりとしたこの家に住んで40年になりますが、建物にはエレベーターがありません。
足腰が弱りはじめ、5階までの階段昇降がきつくなってきた夫を気遣い、この部屋を売ることを決断したルース。妻の考えに同意したものの、本心では、思い出の詰まった住み心地の良い、この家を売りたくないアレックス。
結局、部屋は売りに出すこととなり、内覧会を開くことになりますが、内覧日の前日に愛犬ドロシーが急病にかかり、さらに近所でテロ騒動が勃発。
住み替えに理想的な、エレベーターの付いたアパートも見つかりますが、結末は・・・。
週末の落ち着かない4日間を描いた映画です。
住宅の、たった1か所の欠点は致命的なものだった
2人が暮らすアパートは、日当たりと眺めが良く、屋上庭園もついており、便利な立地の理想的な住まい。
しかし、たった1か所の欠点が、エレベーターがないこと。
これは致命的欠点で、高齢になり足腰が弱ると、5階の我が家まで階段を昇れなくなります。
これは、どこの国でも普遍的テーマです。
例えば、私たちが暮らす栃木県宇都宮市は、分譲マンションでなく、一戸建て住宅がメインの地域ですが、一戸建住宅でも、似たようなことが起きます。
昭和40年代~50年代に出来た新興の団地は、山を切り開いて造った造成地が多く、「坂が多い立地」がほとんどです。
足腰が弱ると、坂道を上がって自宅に帰るのは大変になりますし、雪が降ると坂道は凍って滑りやすくなるので、危険もあります。
敷地を探す時に、全ての面で良いことは難しいのですが、「高齢化したときに住みやすいのか?」を考えておくことは、重要な土地選択の要素になります。
家を建てる時、家を買う時に、どこに暮らすかという立地は重要
映画の最初に、ニューヨークのブルックリンは、40年前はあまり人気の無いエリアでしたが、だんだんと住みやすくなってきたという描写があります。
アパートの1階のカフェのマスターは親切で、近隣住民との関係も良好の様子。
近隣にどのような人が住んでいるのか?は、できれば土地を探す時に知っておきたいもの。
人間関係に関係する立地は、住みやすさの基本になりますので、土地を探す時は、このブログを参考にしてください。
ガラの悪いヤンキー家族が多い地域に、誰も住みたいとは思わないでしょう。
古い分譲地に暮らすメリットはこれ。土地を探す場合は、ゴミ捨て場をチェックすると周辺事情がわかるという話
現場見学会(内覧会)あるある。内覧会(現場見学会)に来て、勝手に振る舞う子供に注意をしないバカ親!
映画では、売りに出すアパートを、購入希望者に見てもらうために内覧会を開催しますが、勝手に振る舞う子供に注意をしない親が居て、売り手側はハラハラします。
お客さんになるかもしれないご家族に対して、売り手側(造り手側)は注意しずらい。
内覧会(現場見学会)の時には、自分が売り手側(造り手側)の立場に立って、小さなお子さんが居たら、手を引いて勝手な行動はさせないようにしましょう。
自分の家を勝手に使われたり、傷付けられるのは、誰だって嫌なものです。
「住宅を決める」ということは、「何が大切なのかを取捨選択することなので、人生観が濃く反映される」
老化が進んだり、家族の環境が変化したりする中で、「その家に(その土地に)住み続けるがどうか?」という問題に対しての答えには、家族の経済状況は勿論、今までの人生観が濃く反映されます。
「住宅を決める」ということは、「何が大切なのかを取捨選択することなので、人生観が濃く反映される」のです。
家は思い出の詰まった箱で、住まい手の情緒そのもの。
この映画でも、新婚時代の回想シーンが多く出てきます。
今までの人生で何が大切だったのか?
生活し決断した場所の多くが、「家」だったということで、家には思い出が詰まっていますから、なかなか売る決断ができないのです。
また、家を住み替えるのはとても面倒なので、映画のテーマにもなりやすい。
ダイアン・キートンとモーガン・フリーマンのファッションが素敵
特に、ダイアン・キートンのマニッシュ(男性的)な、ファッションが素敵です。
ファッションは、アニーホールの時と雰囲気が似ています。こういうファッションさせたらピカイチの女優。
飼い犬は、ボーダーテリア
子供の居ない夫妻で、飼い犬が生活を彩る重要な要素になっています。散歩のお供はこの犬が務めて、コーヒーを買って一緒に帰ってきます。
この犬はボーダーテリアという犬種で、日本には殆ど居ませんが、ブリーダーを発見しました。
特徴は、猟犬であるテリアの原種のような野性味と言われています。とても魅力的な犬。この犬種を飼っていたら、犬好きの間でも、かなりな好きモノに認定されます。
私も現在、アメリカンピットブルテリアとジャックラッセルテリアという2種類のテリアを飼っていますが、このボーダーテリアも飼ってみたい犬種の1つです。
今日のわかった
「住宅を決める」ということは、「何が大切なのかを取捨選択することなので、人生観が濃く反映される」
敷地を探す時に「高齢化したときに住みやすいのか?」を考えておくことは、重要な土地選択の要素になります。
原作本
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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