元祖セルローズファイバーの特徴
昨日は新住協の総会後の懇親会で、隣の席になってお話ししたことがあった、株式会社マツナガ社長の松永 潤一郎さんご来現。
沈下しないセルローズファイバーによる、耐震断熱同時改修リフォームの提案を受けました。
日本の元祖セルローズファイバーの特徴は「沈下しないこと」
株式会社マツナガさんは、30年ほど前からセルローズファイバーの施工をしており、日本にセルローズファイバー断熱材を広めた、元祖のような会社と認識している。
ちなみにセルローズファイバーとは、新聞古紙を再利用して出来た、綿状の断熱材のこと。
セルローズファイバー断熱材は専用の機械を使い「吹き込む方式」の断熱材なので、工務店がセルローズファイバー断熱材を施工する場合は、マツナガさんのような断熱施工会社に依頼するのが一般的です。
当社でも、マツナガさんの商品ではありませんが、天井裏の断熱材は何度も「セルローズファイバー」を使ったことがあります。
今ではセルローズファイバーの施工会社が増えて、格安施工する断熱会社もあるようですが、マツナガさんのセルローズファイバーの特徴は、壁の断熱材として施工した場合でも、沈下を防止できることにあります。
セルローズファイバーは、反発力のない綿状の繊維ですので、時間が経つと徐々に沈下をし、上部に隙間が出来るという問題があります。
マツナガさんでは、この問題を解決するためセルローズファイバーに、麻の繊維を均一配合する事により、ファイバーの荷重を支え、沈下を防止させる事を日本で初めて可能としました。
目次
自宅を新築して、壁の断熱材としてセルローズファイバーを採用した同業者が、東日本大震災の後、
「最初暖かかった家が、最近寒くなった。」
「壁のセルローズファイバーが沈下したからだと思っている」
というのを聞いたことがあります。
地震や経年変化により、壁のセルローズファイバー断熱材が沈下したのだと思います。
天井裏にセルローズファイバーを施工しても、天井裏は水平なので、そこに綿状のセルローズファイバーを施工し多少沈下しても問題はないのですが(天井の綿状断熱材は沈下を見越して設計寸法より厚めに吹きます)、壁のセルローズファイバーが沈下すると、「壁に断熱材が無い状態」になってしまうので、室内が寒くなるのです。
壁の中なので、本当に沈下しているかを確認するには、壁を壊すしかありませんから、沈下してしまった場合は、寒いままの状態で過ごすのが一般的なのだと思います。
壁の断熱材としてセルローズファイバーを使う場合は、沈下しないセルローズファイバーを使う必要があります。
マツナガさんのWEBには、各セルローズファイバーの性能比較が掲載されています。
出典 http://www.ms-matsunaga.jp/insulation/ms/different/
耐震断熱同時改修リフォームにセルローズファイバーを使うという提案
マツナガさんは、当社の壁の断熱材は、新築の場合「高性能グラスウール」を使っているので、セルローズファイバーを使わないことは知っており、リフォームにセルローズファイバーを使うという提案をされました。
「耐震断熱同時改修」とは、新住協が提案した壁の「断熱リフォーム+耐震リフォームを合わせて行える方法」で、断熱方法は、壁の「気流止め」工法です。
新築時にキチンと断熱・気密施工がされていないと、暖房時に室内が充分に暖まらないばかりか、壁内に結露を生じ躯体の耐久性も損ないます。
寒く不快になり、かつ壁体内に結露を生じやすくする最大原因は、断熱材に隙間があるために、壁内に上昇気流が生じるからです。
室内の暖房で暖められた壁中の空気は上昇するので、いくら暖房しても利きが悪いわけです。
その上昇気流を防止するのが「壁の上下の気流止め」ということになります。
写真のように、外壁の上下を壊し「圧縮グラスウール」を詰め込み「気流止め」として、壁の中に上昇気流を生じさせないようにすれば、壁の断熱材が薄くても、効くようになります。
外壁をカットした部分は、構造用合板か補強金物を施工して耐震性を上げて「耐震+断熱の同時改修リフォーム」ができます。
マツナガさんの提案は、上下の気流止めの間に、外側から「沈下しないセルローズファイバー」を吹き込んで、壁の充填断熱を新築同等以上にしようというもの。
この方法なら内装材を壊さずに、ほぼ完璧な壁の断熱施工が出来ます。
今日のわかった
壁の断熱材としてセルローズファイバーを使う場合は、沈下しないセルローズファイバーを使う必要があります。
毎朝スプーン1杯飲んでますが、癖が無くてオイリーまいうーです。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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