小さな家で大きく暮らす具体的方法
※ホームページの更新するので、文章を書き直しています。とりあえずブログに掲載。
当社ではリフォーム工事を手掛けている為、無駄に大きな家のデメリットや小さな家のメリットをたくさん見ています。
無駄に大きな家のデメリット
例えば70坪の大きな家でも、昔の家のように8帖間等に部屋が細かく襖で間仕切られて、廊下で繋がっているような家は、間取りが悪く使い勝手が良くありません。
その上、断熱性能が低く寒い家であれば、実際に使っているのは暖房があるLDK・寝室・水廻りの20坪程度だったりします。
外観は70坪の大きな家ですが、実際は20坪しか使っていない狭い家。実はこんな家は多いです。
子供が巣立ち、家族が減り体力も低下すると、大きな家は掃除も大変になります。また定期的に訪れるリフォームの費用は、基本的に面積×単価で算出するので、大きな家はリフォーム費用も高額になります。
小さな家のメリット
逆に、必要最小限の小さな家でも、広々と大きく暮らすことは可能です。住まいの断熱性能を高めれば、家の中が寒くないので、家全体を広く隅々まで使うことができます。
小さく高性能の家は、吹抜け等の大きな空間を造っても寒くないので、小さな家でも広がりを感じます。
その上で廃盤になりにくい造作建具や長期使用できる自然素材等の部材を使えばメンテしながら長く住めて、インテリアの統一感も出るのでお得なのです。
家族人数が多いのは子供が学生時代までです。子供部屋を頻繁に使うのは中学から高校卒業までと考えると6年程度、大学まで入れても10年くらいです。
だから思い切って子供部屋を小さくするなど、新築時に家を小さくして、なるべく上質な部材を使って質を高めておいたほうが、メンテナンス費用も安く済み、後々の負担も少なくなります。
小さな家のほうが、冷暖房のコストも安くすむ。
ですから新築時に必要最小限の小さな家を提案しています。
小さな家を広がりのある空間にする具体的方法をご紹介します。小さな家も高断熱高気密とセットで考える必要があることが分かります
1.天井と壁を同じ材料として、廻り縁を入れないことで境い目を無くして広く感じさせる
天井と壁を同一仕上げ材として、廻り縁等の余分なラインを見せず、かつ白色にすることで広く感じる。
2.小さな家と吹抜けをセットで考える
小さな家を広がりのある空間にするには、建物内部の広がりを意識する。
小さな家でも「吹抜け」を造ると広く感じる理由は、吹抜けで空間を縦に伸ばして、1階の床から2階の天井までが見える状態を作ると、視線が遠くに行くので広がりを感じるからである。
また広くするだけでなく、空間に落着きを与える為に、適切な場所にバランス良く壁を設けることが重要です。
吹抜け空間を造っても、断熱性と気密性が悪いと寒く不快となり、経済性も損なう為、ここでも高断熱高気密が重要となります。
Q1住宅(キューワン住宅)クラスの断熱性があると、少ない光熱費で温度差の少ない吹抜け空間が造れるので快適である。
3.階段をリビングと一体とするリビング階段とする
リビング階段にすると、LDK→階段→2階へと空間が繋がるので、小さな家でも広がりを感じます。
リビング階段は吹抜けと一緒で広い空間になるので、ここでもQ1住宅(キューワン住宅)クラスの断熱性があると、少ない光熱費で温度差の少ないリビング階段空間が造れるので快適である。
断熱性の低い家で吹抜けやリビング階段にするのは、寒い家になるか電気代が掛かりすぎるかのどちらかになるので、やめたほうが良いだろう。
4.回遊できる動線をつくる
行き止まりのない動線は広がりを感じる。その場所にいろいろな行き方ができるのは楽しい。
5.特に小さな家では収納計画が重要
小さな家でモノが散らかっていると狭く感じてしまうので、特に小さな家では、モノが散らからないようにする収納計画が重要である。
大工工事で家具を作った例。箱を大工が造り、建具職人が扉を入れて収納とした。
目立たないように、壁と同色の白い収納としている。
6.小さな家の置き家具はコレが便利
ダイニングテーブルや椅子などの置き家具は、毎日使い体に触れるものなので、その良し悪しが生活の豊かさを大きく左右します。
小さな家でテーブルを選ぶ時は円形のものをオススメしています。
円形テーブルは狭いスペースでも多くの人が座れて、周囲を廻れる動線ができるからです。
私の造る家にはシンプルで機能的な北欧家具や日本のあるメーカーの家具が一番合うと思い、家具屋さんも紹介しています。
その場所に固定しない置き家具は、移動して使える為、小さな家の大きな味方です。
7.幅の広いフローリングを使う
幅広のフローリングを使うと、部屋が広く感じます。
8..2階リビングで勾配天井とする
小さな家の場合、2階にリビングを設けて勾配天井とすると、容積が大きくなり広がりを感じます。
2階リビングは、採光や通風も有利になる場合が多いです。
デメリットは、足腰が弱くなった時に2階に上がるのが辛くなること。水廻りも2階に設置する為、寝室となる1階での水の音に対する防音は考えておかなければなりません。
敷地や住まい手の状況もありますが、延床30坪以下の小さな家なら2階リビングのメリットは多いと思います。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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