2017-01-05
本・映画

住宅屋的視点で、ウディアレン監督と映画「マンハッタン」を語ります

今日はアマゾンプライムビデオで観た、ウディ・アレン監督の映画「マンハッタン」のどこが素敵なのかを語ります。おまけにウディ監督の仕事と私の住宅屋の仕事の共通点も語るというブログです。

 

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ウディ・アレン監督自身が凄い

1960年代後半から現在まで、50年近く第一線で活躍し、スランプや困難もあったと思いますが、毎年1本ペースで「自分の人生観」を反映させた映画を創り続け、世界中にファンが居るのは驚異的なことだと思います。同じ「モノづくり」をする人間としてつくづく凄いと思いますし、羨ましいです。

 

ウディ・アレン監督は、脚本・監督・時には主演も自分で行い、特に脚本と監督の主要2役を他者に渡さないことで、作品をコントロールできているので、アベレージが高いのだと思います。ウディ・アレン作品10本も観ていませんが、多分間違いありません。というのもドキュメンタリーでウディ・アレン監督自身も敏腕マネージャーも「脚本と監督の主要2役の決定権は誰にも渡さない」と語っているからですw。

 

これは住宅建築も当てはまり、脚本を設計・監督を現場監督と考えると、どちらかがダメだと駄作になるという点でも似ています。特にウディ・アレンは、脚本(設計)・監督(現場監督)を自分で行いコントロール出来ているので、作品の個性が際立っており、時代の変化にも合わせることが出来ているのだと思います。

 

浜崎あゆみが消えて、宇多田ヒカルが残っているのも、宇多田が作詞作曲を自分で出来るからです。年齢と共に変化していく自分の状態を楽曲にしていくことは、他人では出来ないという事だと思います。長く残っているミュージシャンは、海外アーティストも含めて自分で歌が作れる人のみ(演歌除く)。

 

住宅屋も同じで、自分がコントロールすべき脚本(設計)・監督(現場監督)部分を、キツイからと他人(他社)にゆだねてしまうと、一時的には良いかもしれませんが、長いスパンで見ると制御不能になり業界で長くは生き残れていないと思います。

 

また、アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞しているので、住宅業界では職人に当る(有名な)俳優もウディ・アレン監督に使ってもらい、褒められたいと強く感じているので、現場も上手く回ります。まさしく住宅業界そっくり。そのへんの話は、ドキュメンタリー「映画と恋とウディ・アレン」をご覧ください。ウディ・アレン自身は、飄々としていて面白いです。

 

住宅屋も自分の考える良い家を造りたいなら、最低限、脚本(設計)・監督(現場監督)の2役は自分でコントロールするしかありません。

 

作品は濃くウディ・アレン監督自身を反映しています。監督自身も内縁の妻(女優ミア・ファロー)の養女と結婚するという、普通の人間では考えられない恋愛で、世間に叩かれるという困難もありました。しかし、それにも負けずに映画を作り続け70歳を超えて、何度目かの絶頂期に居るようです。

 

ウディ・アレン監督は多作なので、長い期間視聴が楽しめる

今、ウディ・アレンのウィキペディアで、脚本・監督を担当した映画の本数を数えたら、47本でした。こんなに多作な映画監督は珍しいので、ファンは長い期間視聴が楽しめます。ネット上では多くの人がアレン映画の批評や感想を書いているをので、それを読むのも楽しいです。私はまだ、名作と名高い「アニー・ホール」観ていません。ツタヤに行くのは面倒なので、アマゾンビデオに落ちてくること希望。

 

ジョージ・ガーシュウィンの曲ラプソディー・イン・ブルーから始まるニューヨークの風景のオープニングがイイ

この映画「マンハッタン」は恋愛をテーマにしていますが、ニューヨークという街の雰囲気も味わえる映画です。このオープニングと有名な夜明けのシーンを見るだけでも価値があります。

 

アマゾンプライムビデオの映像はこのユーチューブより数段綺麗。「マンハッタン」は1972年の作品ですが、普遍性があり45年前の作品とは思えません。以下がアマゾンプライムの「マンハッタン」。メチャいい映画です。

 

ラプソディー・イン・ブルー、いい曲やね。最初のクラリネットが上手いのは、音楽を知らない私でも分かる。ウディ・アレン監督もクラリネット奏者です。

撮影監督ゴッドファーザーシリーズの「暗黒の王子」ことゴードン・ウィリスの映像が凄い

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「マンハッタン」はモノクロ映画なのですが、このゴードン・ウィリスが撮った映像を見ると、モノクロ以外は考えられないと思わせます。

 

カラー撮影できた時代にモノクロ映画にした理由は何故なのだろうと考えると、モノクロのほうが圧倒的に情報量は少なくなるので、観客は映像・音楽・セリフに集中できるからかもしれません。

 

ゴードン・ウィリスは、ゴッドファーザーシリーズの撮影監督としても有名で、「暗黒の王子」というプロレスラ―風のニックネームが付いている人です。

 

橋を臨む公園の夜明けのシーンは有名

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人が恋に落ちる瞬間を見事に描いたとして有名なシーンです。明け方までニューヨークの街中をさまよいデートした男女。明け方、女性が犬を散歩させるからと、一緒に女性の自宅に帰り、ダックスフンドを連れて夜明けの公園へ。

 

橋を臨む夜明けの公園の椅子に腰かけたモノクロの映像が、とてもとても美しい。何度も観たくなるシーンです。このシーンを観て懐かしく感じるのは、こんなに美しくないにしても、誰でもこんな経験があるからだと思います。ウディ・アレンは、こういうところが現実的で上手いです。「あるよね!」って思います。

 

若き日の有名人が出演

若き日のメリル・ストリープがウディ・アレンの元妻役で出演しています。美人。また、小説家アーネスト・ヘミングウェイの孫娘 マリエル・ヘミングウェイがアレンの17歳の恋人役で出演しています。両者共に上手い役者です。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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