2016-09-24
住宅設計
自然素材
格子を見ると日本的で美しく感じるのは何故か?
昨日のブログ、木製格子床の隙間は何センチが最適なのか? を書きながら、「格子を見ると日本的で美しく感じるの何故か?」を考え、2つの理由を思いつきました。
1つは格子を見ると、昔の日本家屋の格子戸を連想するので日本的で美しく感じる
昔の日本家屋は内外部共、建具に格子戸を使うことが多かった。格子とは、細めの無垢木材がたてよこに規則正しく並んでいる様(さま)です。格子は京町屋の象徴とも言われています。
現在、格子戸を見ることは少なくなりました。しかし多くの日本人は、昔の日本家屋の格子戸の記憶があるので、外壁の一部分に木製格子を使った住まいや、床の格子を見ても、昔の日本家屋の格子戸を連想して、日本的だと感じるのではないでしょうか?
2つ目は、格子の経年変化する様子「もののあわれ」から、日本的で美しく感じる
格子は無垢材なので経年変化します。経年変化とは、時を経て美しく変化することと、朽ちていくことが同時に起こることです。2つを同時に受け入れる無常観「もののあわれ」が日本的であり、格子という「モノ」ともののあわれという「精神世界」を美しく感じるのだと思います。建築を知らない人も、無意識のうちに「格子」から「もののあわれ」を感じているのではないでしょうか?
「もののあわれ」は、日本文化においての美意識、価値観に影響を与えた思想である。
「もののあわれ」は、物事には必ず良い面と悪い面があり、2つを同時に受け入れるということだと、私は解釈しています。
吉田武志
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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