狭小敷地に家を建てる場合は、特有の計画や施工方法があるという話
狭小敷地・狭小住宅特有の計画や施工方法があります
狭小敷地とは、一般的に20坪以下の狭い土地を指すようですが、建物が敷地一杯に建つ住宅も、建物周囲が狭いという点で、狭小敷地と同じように設計や施工にコツがいります。
隣地境界線から新築予定の外壁までの距離が1m以内だと、狭小敷地特有の計画や施工方法を考える必要があります。
狭小敷地の建物の配置の決め方は、室外機がギリギリ置けるところ
狭小敷地や建物が敷地一杯に建つ住宅の場合、隣地境界線からの建物の離れ(建物の配置)は、エアコンや薄型エコキュートの室外機がギリギリ置けて、正常に動作する場所になります。
室外機の前に障害物があると、ショートサーキットを起こしてエアコンが効かなくなったりしますから、隣地境界線からは一定の距離を離す必要があります。下記のように障害物が建つ可能性のある隣地から、自分の家の外壁までの距離を60㎝程度に保てると、エアコンとエコキュートは正常に作動します。
ですから狭小敷地の建物の配置は、隣地境界線から自分の家の外壁仕上げまでを60㎝と設定することが多いです。
実際の狭小敷地では、隣地境界線から自分の家の外壁までを60㎝以上に保つことが難しい場合も多いので、その場合は設計段階から、室外機を「なるべく障害物の建たないであろう場所」に設置するよう計画します。上記の写真では、赤囲いがエコキュートの設置される場所です。エコキュート室外機前に隣家の塀が無いところで設計しました。
狭小敷地の場合は先行配管
狭小敷地や敷地一杯に建物が建つ敷地の場合は、先行配管を行います。この場合の先行配管とは、基礎工事より先に、建物周囲の土の中の給水管、排水管の工事をしておくことです。
通常の敷地の場合は、建物周囲が広いので、基礎工事の後に建物の外廻りの配管工事が出来ます。しかし狭い敷地の場合は、最初に基礎を造ってしまうと、建物周囲の配管工事をするのが非常に大変になるので、基礎工事より先に、配管工事を完了させておきます。
先行配管を忘れてしまうと大変です。基礎工事の後は直ぐに足場が建ちますから、先行配管を忘れると、配管工事は足場が外れた後の完成間際になります。建物完成間際に、敷地の隙間60㎝を、長い距離、延々手掘りすることになりますから、設備業者は手間が掛かりますし、仕上がった外壁を汚したり、傷つけたりする可能性も出てきます。
狭小敷地に家を建てる場合は、特有の計画や施工方法があるという話でした。
狭小敷地で家を建てる予定の方は、こちらもご覧ください。
有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。
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