【実話】北川景子似の美人CAからの近隣騒音クレームに、私はどう対処したのか?

出典：http://coolship100.net

前に勤めていた会社「佐藤秀工務店」で現場監督をしていた20年以上前の話です。

恵比須ガーデンプレイス裏の住宅工事現場。

朝、出勤すると現場前に、どう見てもモデルのような、若くスラリとした長身の美女が立っていました。

●私「おはようございます。どうかされましたか?(スケベ心全開でしたが、真面目なふりして)」

■美女「この工事現場の音がうるさくて眠れないのです。仕事の時間が不規則で、朝方帰ってきて、昼間寝ていることもあるものですから。今日は苦情を言いに来ました。」

●私「そうですか。作業音や工事車両の音でご迷惑を掛けてしまい、申し訳ありません」

■美女「私の予定に合わせて、工事して頂くわけにいきませんか?」

●私「えっ！あなた様の予定に合せて工事させて頂くということですか?」

※まさかのオウム返し。自分の予定に合わせて工事を行って欲しいという要望にびっくりしすぎて。

※瞬間に色々なことを考えてしまった。

※この女性は銀座の超一流店のホステスかもしれない。間違っても池袋や赤羽の店ではないだろう。美人過ぎて廻りの男達が「彼女からの無理な要望」を簡単にホイホイ聞いてしまうので、この場でも「私の予定に合わせて工事をしろ！」と言っているのかもしれない。もちろん、私は高級クラブにも、踊るクラブにも行ったことが無い。ディスコ世代であるが、ディスコも大学の時、JR川崎駅前にあったマハラジャというディスコに1度だけ行ったことのあるディスコ童貞に近い男である。

※でも、ホステスさんなら、完全に夜の仕事だから、「昼間寝ていることもある」ではなく「昼間は寝ている」と言うだろう。ということは、この方は、普通の人と同じように夜に寝ることもあるわけだ。

※ちなみに、私が他人に向かって「あなた様」という時は、9割以上は腹が立っている時である。多分、他の人も同じ。笑

■美女「そうです。(キッパリ)」

●私「(エーーー！と驚きながら)建築現場では、朝の8時くらいから夕方の6時くらいまで工事するのが普通なのです。あなた様のスケジュールを事前に聞いて、この日は昼間に作業するとか、この日は夜中に作業するとか、工事日程を決めるわけですか?」

■美女「そうです。(と、またもやキッパリ)」

●私「普通、工事現場は昼間に作業します。普通の人は夜に寝るので、静かな夜に作業すると、多くの方から苦情が来ます。ですから、申し訳ないですが、貴方様の予定に合わせて工事するのは無理です。ちなみにどんなお仕事をされているのですか?」

■美女「CA(しーえー)です」

●私「すみません、CAって何ですか?　初めて聞く職業で、どういうお仕事か全く分からないのですが?」

■美女「スチュワーデスです」

※これがCAという言葉を初めて聞いた瞬間でした。当時はスチュワーデスという言い方が主流で、CAとか客室乗務員とか言ってなかった。CA初体験！CA童貞はこの時捨てました！言っとくが言葉を初めて聞いたという意味ね。聞きたくないと思うが、私の童貞はこれよりかなり前に捨てていた。

※CIAと似てるので、ヤバい仕事なのかと思い軽くビビりました。はじめからスチュワーデスと言ってくれよ！と思いました。

●私「分かります。堀ちえみで有名なスチュワーデスですね！?」

※私は昭和42年生まれのスチュワーデス物語世代であるが、堀ちえみは全く私のタイプでなく、スチュワーデス物語(TVドラマです)も一度も見たことが無かった。

■美女「そうです(なんだか嫌そうに)」

※北川景子は「堀ちえみ」と関連付けられたことが嫌だったらしい。これは分かる！

出典http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0289/

●私「お宅はどちらなのですか?」

■美女「あのアパートの1階です」

※指の方向を見ると、現場前の通りから少し入ったところの地味な感じの木造2階建てアパートが見えた。派手なマンションにお住まいかと思ったら、とても地味な古い木造アパートだった。地味なアパートを見て、話せば分かってくれるのではないかと思い、なぜかホッとした。

●私「分かりました。工事の時間帯は変更できないので、なるべく音は出ないように作業致します。しかし今までも、わざとうるさく作業をしていたわけではないので、あまり印象は変わらないと思います。(私もキッパリ)」

※工事開始前に近隣挨拶をしたが、そのアパートは挨拶する範囲に入っていなかった。通常、近隣挨拶の範囲は、現場の道路の向いの3軒と、両隣の2軒と、裏3軒の合計8軒である。近隣挨拶について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

リフォーム前の近隣挨拶の具体例。近隣挨拶文と手みあげも公開します。

■美女「(冷笑を浮かべて)貴方に話をしても無駄でしたね。会社のほうに電話させて頂きます」

※と、現場に掲げてある工事看板の本社の電話番号をメモしていました。会社に電話するというと、何か自分(北川景子様側)に都合よくなると考えたのかもしれないが、同じである。

●私「すみません」

※颯爽と姿勢の良いCA歩きで去っていく北川景子似の美女。

※工事現場で作業音を出しているのは事実なので、近隣住民からご意見が来たら、きちんと話をするのは大切なのだ。しかし、予想外の言葉「私の予定に合わせて仕事してください！」に朝からビックリした。

実際に工事現場で起こったクレーム事例を、水野敬也風に書きました。これは実話です。

この話を聞いた、現場監督や工務店社長の中には、「わかるー」って思っている人は、多いと思います。

現代は、働き方が多様になり、夜働いて昼間に寝ている方も多いので、ありがちなクレームかもしれません。

人それぞれの環境や感じ方の違いにより「クレーム」が発生します。小さな音でも非常に気になって眠れない方もいらっしゃるのです。

工事現場は基本的に昼間の仕事なので、昼に寝ている夜の仕事の人からはクレームが来やすいのです。

しかし、クレームが来たからといって、相手方の「おっしゃるとおり」には出来ないことも多いです。

私が夜のみ営業している飲食店に対して、「うるさいから、夜辞めて昼間だけ営業してください」といっても聞いてもらえないでしょう。

今回のクレーム美女は、アパート住まいでしたが、戸建住宅の隣家からも、音のクレームが発生することがあります。

工事する側が十分に配慮するのは当然ですが、音を出さずに作業するのは不可能で必ず音は出てしまうものなのです。

無理な事を他人に言ったり、押し付けたりすると、必ず誰かにやり返されます。

ですから、「お互い様だよね！」の気持ちを持って、近隣同士はお付き合いするのが良いでしょう。

最近、水野敬也ファンになりました。この3冊メッチャ面白いです。

笑いを堪えるキモいオッサンになりますので、電車の中での読書は注意が必要です。