2015-09-08
リフォーム
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人気の外壁リフォーム。外壁サイディングのカバー工法にはデメリットもあるという実話

壁美人出典

 

外壁サイディングカバー工法にはデメリットもある

今日のブログは、人気の外壁サイディングのカバー工法にはデメリットもあるという話です。INAXの壁美人という外壁サイディングカバー工法のお宅から、リフォームしたいとネット経由でお問い合わせがあり、打ち合わせを重ねて大規模リフォームの計画をしていました。しかし、INAXの壁美人が廃盤になっていて材料が無く、壁美人を使ったリフォームが出来ない。建物全体をリフォームしたいというご希望でしたので、2重になっている外壁を全て撤去して、スケルトン状態まで解体してから、断熱性と耐震性と内装を大幅向上するしかなくりました。そうなると、新築並みにお金が掛かるという事で、計画が頓挫したのでありました(涙)。

 

今ザックリと「外壁カバー工法」でネット検索してみたら、メリットばかりが載っています。今回、私が知った外壁カバー工法のデメリットになりそうなことは載っていません。ですから、外壁カバー工法のデメリットを書きたいと思います。これは1種類の商品の例であり、他の商品まで当てはまるのかは分かりません。

 

まずは外壁カバー工法のメリット

まず、外壁カバー工法とは、既存の外壁をそのままにして、その上から金属サイディングを重ね貼りする工法です。最大のメリットは、既存外壁を解体することなく、仕上がることです。解体費用と処分費用がなくなれば、費用と工期が大きく削減できます。住まいながらのリフォームの場合、解体工事が無いメリットは大きいです。

 

音や埃が建つことなく、近所迷惑になりませんし、解体しないので、工事途中に雨が降ってきて、解体した部分から雨が室内に浸入してしまうなんてこともありません。既存外壁の上にまた外壁を貼るわけですから、遮音性も高まると思います。カバー工法に使うサイディングは、軽いガルバリウム鋼板等の金属サイディングが使われることが多いです。既存外壁の上に重い外壁材を貼ると、剥がれる心配があるからです。ガルバリウム鋼板は、屋根材としても使われる耐久性の高い材料です。

 

重い外壁カバー工法のデメリットは、経年変化や地震で既存外壁と胴縁の間に隙間が開く可能性があること

壁美人構造図出典

ネット上では良いことばかり書かれている外壁カバー工法。しかし、上記のお宅では、経年変化してカバーしたサイディングが一部はらんできた(一部変形してふくらみ剥がれてきた)ので、リフォームするため調査したのです。ちなみにINAXの 壁美人は、「はらんでくる」ことはよくあることのようで、メーカーに補修マニュアルがありました。はらんだ場合の補修マニュアルがきちんと出来ているということは、同じような状態になった家が多かったということです。この場合の「はらむ」とは「剥がれてふくらんだように見える」という意味です。

 

新築ではありえない外壁の広範囲が「はらんだ」状態でした。しかし、20年以上前に建てられた住まいでしたが、はらんでいるだけで、外壁材料自体は、色あせ等も無くとても良い状態でした。というのも、INAXの 壁美人は、薄いですが本物のタイルがガルバリウム鋼板の上に貼ってあるのです。タイル外壁なので、風雨に対する耐久性は高い。

 

INAXの 壁美人がはらんだ理由の1つは、その重さにあるような気がします。本物のタイルが貼ってあるサイディングだけに重い。「はらんだ」写真が出せないのが残念です。

 

重い外壁カバー工法は「はらむ」危険あり、王道の外壁交換リフォームは貼り替え

私が調査したのは、INAXの 壁美人という外壁カバーサイディングのみですから、他のメーカーのカバー工法にもデメリットがあるのかどうかは分かりません。物事には、必ずメリットとデメリットがありますので、どちらが良いかという判断は、場合によって違います。外壁カバー工法で外壁リフォームをするなら、下地である既存外壁の状態を調査して、下地の状態が良ければ、まず軽い金属サイディングに限定して考えるのが良いと思います。かつメーカーに、その商品について「はらんだ事例」「剥がれてきた事例」が無いかを確認してから採用するのが良いでしょう。外壁カバー工法は、新築時のように柱の上に外壁を留める工法でなく、既存外壁の上に新規外壁を重ね貼りするという特殊な工法だからです。「はらむ」可能性を回避するなら、手間とお金は掛かりますが、既存外壁を全て剥がして貼りかえるのが、現在のところ、王道の外壁交換リフォーム方法だと思います。

 

新築時の外壁材の選択は廃盤になる可能性の少ないものが良い
木製外壁材

木製外壁材

ガルバリウム鋼板外壁材

ガルバリウム鋼板外壁材

廃盤になってしまう可能性の高い建材を使うのは、住まい手にも造り手にも良くないのです。今回のようにリフォームが出来なくなる可能性があります。外壁材に限ると、将来にわたり、手に入りやすいということのみで選択するなら、無垢の木製サイディングかモルタル壁+塗装、もしくはガルバリウム鋼板の3択のみです。建材について書いています。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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