2017-03-10
リフォーム
日常のお手入れ

新築後10~15年に行うべき外装メンテナンスリフォーム、具体的に何をすれば良いのか?

屋根棟瓦の漆喰の割れ状況。写真があると施主も分かり易い。

 

新築後10~15年くらいの間には、外装で何らかのメンテナンスリフォーム工事が必要になりることが多いです。

 

今日は、「新築後10~15年のメンテナンスリフォームでは、実際は何をすれば良いのか?」をご紹介します。

 

キーワードは、外装メンテナンスと防蟻です。

 

モルタルやサイディング外壁、塗膜の耐用年数は10年~15年

モルタルやサイディング外壁の塗膜の耐用年数は、10年~15年であり、シーリングの耐用年数はそれ以前に切れています。

 

外壁や屋根の塗膜の寿命が10年~15年で訪れるので、新築後15年くらいまでには、外装メンテナンスリフォームをすることが大切です。

 

外壁材の塗膜が劣化するメカニズム

新築後15年以上外装メンテナンスリフォームをしないでいると、塗膜の耐用年数は切れていますから、劣化は加速します。

 

外壁材の塗膜劣化が進んで塗膜の下に雨水が入って、冬の寒さで凍ると、外壁材自体が凍害で爆裂し、それを繰り返すと、外壁が傷むばかりか外壁下地にまで雨水は侵入します。時には柱や梁の構造部分まで劣化することがありますから注意が必要です。

 

私の経験では、新築後20年まで外装塗装リフォームをしなかったお宅のサイディングが、塗膜が劣化して凍害で爆裂し、塗装対応出来ずに外壁材を全て貼り換えるリフォームをしたことがあります。窯業系サイディング等の外壁材は、すぐに廃盤になるので部分交換できず、全面貼り替えになることが多いです。

 

新築後15年くらいまでに塗装しておけば、数百万掛かる外壁の貼り替えはしなくても済んだと思います。

 

新築後10~15年の外装テナンスリフォーム、具体的に何をすれば良いのか?

・足場を架けて行う工事になるので、ケチらずに外装全ての作業を行ったほうがお得である。

 

・屋根瓦の場合は漆喰補修。漆喰補修とは、屋根の一番上の棟瓦下(むねかわらした)の漆喰やモルタル交換のこと。漆喰は10~15年で劣化してヒビ割れているので、棟瓦を撤去して新たに漆喰を入れて積み直す。

 

見積段階では足場を架けていないので、屋根の一番上の漆喰状態が分からない。急勾配の屋根だと昇れないので、望遠レンズの付いたカメラ等で漆喰の割れ状況が撮影できると、お客さんに説明しやすい。一番上の写真です。

 

・鋼板屋根の場合は外壁塗装と一緒に全面塗装する。屋根と外壁は足場を架けた時にセットで行うことが基本。

 

・外壁シーリング工事。サイディングの場合は、外壁シーリングが劣化しているので撤去して新たにシールする。外壁材を高圧洗浄して埃や汚れを落とした後で、再塗装。シーリングの上にも塗装を載せる。シーリングは、窓廻り、外壁と軒天との隙間等も行う。

 

・外壁以外の外装各所の塗装。軒天、水切り、縦樋、軒樋、庇等、全ての箇所の塗装を行う。足場を架けた時に全て行うことが大切。

 

・ベランダ防水。木造はFRP防水が多いと思うが、既存防水の上から下地処理を行い防水をかける。既存防水の表皮を削ることになるので、粉が舞うから足場の養生ネットは必須であり、事前に近隣には洗濯物を外に干さないようにしてもらう必要もあるかもしれない。

 

・防蟻工事。白蟻を予防する工事のこと。見積段階で白蟻業者に床下に入ってもらい、白蟻が出ていないかを確認します。新築時の白蟻の保証期間は5年ですが、5年ごとに防蟻工事を行う人は、ほぼ居ません。

 

しかし、新築後、防蟻工事しないでいると15年には20%程度が白蟻の被害にあっているというデータもあることから、新築後10~15年の間には、防蟻工事を行うべきだろう。

 

白蟻が出ていない状態で行う防蟻工事と白蟻が出てしまい駆除をする白蟻駆除工事は、値段が違う。作業数が多くなる白蟻駆除工事のほうが当然値段が高い。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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