YM-house

──家事動線に配慮した住宅

001
ホームページを見てご連絡頂き、家造りが始まりました。敷地は静かな住宅街にあります。玄関は道路から「引き」を取りました。出来たスペースは、安全性の確保と将来子供と遊べることを期待しています。インナーガレージ+2台の外部駐車場。簡潔に家事が処理できる動線とユーティリティが求められました。LDKと各個室は必要最低限の大きさとなっており、狭さを感じさせない為に階段を中心として、回遊性のあるプランとしています。階段により動線と用途を明確に分離。階段も2つある為、上下方向にも回遊可能。行き止まりの無いプランは広がりを感じます。室内も造作部材+自然素材で「味わいのある経年変化」を目指しています。空間に溶け込んだ薪ストーブと北欧家具は、あるべきところに納まった雰囲気になりました。


家事動線との連携を考えて配置されたキッチン。キッチン→ユーティリティ→洗面→お風呂と一直線の動線になっている。洗濯物もキッチン隣のユーティリティに干せるようにして家事動線を短縮しています。キッチンのデザインだけでなく、他のスペースとの関係性も計画すると家事が楽になります。キッチンの意匠は、ショールームのキッチンを元に造られています。しかし、機能はYMさん仕様。

001
南側隣地より建物を見る。隣地は空き地。しかし、将来、家が建っても、トップライト、ベランダスチール手摺等の効果で採光を確保できるよう計画。
002
キッチンから玄関ホール及びユーティリティを見る。階段を中心に回遊できるのが分かる。



003
ダイニングからキッチンを見る。シンプルな白いキッチンが違和感なく納まっている。カウンター下に足が入るので、キッチンカウンターで食事もできる。
004
リビングスペースからキッチンを見る。丸いテーブルは廻りを回遊でき、大勢で使えて便利。リビングから見ると家具に見えるキッチン。



016
吹抜けを見上げる。薪ストーブの熱も循環する。煙突が天井高さを強調している。
006
裏動線。階段下のスペースを収納としている。



007
2階個室より吹抜け部分を見る。壁の白と観葉植物のグリーンのコントラスト。吹抜けに面する建具は4枚引き戸、開ければ空間が1つになる。
008
2階ホールは共用スペース。3つの本棚と4人が座れる造り付けの机がある。洗面台とトイレもあるので、まるで1つの部屋。ガレージとも繋がっている。



009
外観CG。
010
模型で南側隣地に建物ができた場合の採光も検討。結果、光を入れる為トップライトやベランダスチール手摺が必要になった。機能から生まれた外観。
011
キッチン図面。機能性はもちろん、インテリアの印象も左右する大事な場所なので業者まかせにせず、自分で描くようにしている。
012
階段詳細図。スチール手摺の部材寸法と構成を検討した。



013
キッチンを見る。シンク下は扉とせず、ゴミ箱を入れた。機能性を重視し必要最低限で構成されたシンプルな形。
014
薪ストーブを見る。薪ストーブの暖かさは独特。冬は毎日炊いているそうです。
015
階段からリビングを見る。家具もコーディネイトされている。

016
キッチンからユーティリティを見る。家事動線は一直線で使いやすい。作業台は水を使えて、アイロンも掛けられる。天井には物干しが3本。
017
洗面脱衣室からユーティリティを見る。洗面台は大きな作業用流しを付けたオリジナル。使いやすいと思います。
背面家具の天板奥行きを広くしたのは、奥様のアイデア。天板の奥行が狭いと、炊飯器の水蒸気で吊戸棚が痛んでしまう。しかし、機械式の蒸気処理機は故障と廃盤の心配がある。スペースが取れたので、背面家具天板の奥行きを広くしました。蒸気処理機を付ける必要がなくなり、炊飯器を吊戸棚下からずらして使えば、棚は痛まない。ベストな選択だったと思います。このようなことができるのが、オーダーキッチンのメリットです。広くした背面家具天板の奥行きは75cmで、奥行きがあるのでいろいろと物が置けます。シンク下はゴミ箱置き場。それだけでは足りないので、背面家具のキャスターワゴンにもゴミ箱が置けるようになっています。ゴミの量も打ち合わせしてスペースを確保しています。


YMさんは、最初から薪ストーブを希望していました。機種はバーモントキャスティング社のアンコール。設置場所は無駄なく暖気を循環させる為、吹抜けで2階と繋がるリビングになりました。暖かい空気は、上へ昇り、冷たい空気は下に下がる。薪ストーブで、効率良く暖房を行うには、熱が上手く循環することがポイント。設計時点で、薪ストーブ上には吹抜けを設けました。暖気は上に上がり、吹抜けに面した2階個室→2階ホール→階段を下がり→1階リビングと計画どおり循環するようになりました。薪ストーブをリビングに設置する場合、テレビ中心でなく、薪ストーブ中心の配置にしたほうがバランスが取れる。ショールームのストーブと同じように、背面のレンガを白い耐熱塗料で塗装。薪ストーブは存在感が大きいので、その廻りは出来るだけシンプルにしたほうがすっきり見えます。薪ストーブを設置する場合は、ストーブ屋さんでなく、我々のような工務店に依頼したほうが、家全体の機能とデザインが調和した空間が出来ると思います。

018
玄関をみる。玄関ドアは外壁と同じ米杉。香りも良い。
019
東側道路より建物を見る。



020
建物をコの字形にした理由の1つは、インナーガレージの音と排気を居住部分に影響させたくなかったから。居住部分とガレージを少し離して、ゆるやかに繋げる意図。




YM-house 概要
所在地: 栃木県下野市
用途・構造: 専用住宅 木造軸組構法2階建て
設計施工: (有)ヨシダクラフト 吉田武志
設計協力: (有)枝川設計
敷地面積: 65坪  (215.5㎡)
延床面積: 47.4坪 (156.96㎡)
屋根: ガルバリウム鋼板AT式
外壁: 白洲そとん壁
室内壁天井: ルナファーザー+リボスディブロン
室内床: パインフローリング
その他: 造作建具・オーダーキッチン・薪ストーブ・蓄暖
写真撮影: フォトピエール