リフォーム・リノベーション

SS-house

造作建具により空間操作をすることで、スペースを有効利用した2階部分のフルリフォーム

鉄骨造3階建て。2階部分のフルリフォーム(スケルトンリフォーム)。鉄骨造の為、部屋の中央に柱が無く、空間を広く使えるのが魅力ですが、街中にある為、あまり広い家ではありません。間口5m、奥行き13mの住宅です。柱型が出てきますから、実際の有効寸法はもっと狭くなります。

限られた 空間を繋げて広く使う為、90度に交わる引き戸を開けると、建具が消えて1つの空間となるようにしました。造作建具により空間を操作することで、限られたスペースを有効に使うことを意図しています。旦那様の定年を迎える前に行った、団塊の世代リフォームです。

窓台の無垢カウンターは、状態が良いので、削りなおして使っています。古い物の価値を生かして、新築にない味を出せるのがリフォームの魅力です。断熱材も入れなおし、サッシュの内側の障子は、組子の間にワーロンプレートを1枚ずつ落とし込んだアクリルワーロン障子戸を設け、温熱環境も改善しています。

キッチンは、I型からL型に形状変更はありましたが、位置変更は無し。以前のキッチンが出窓に面していて、出窓部分に物が置けることが使いやすいという奥様の話で、以前のキッチンと同じように出窓を使えるようにしました。街中の家なので、キッチンレイアウトを変えるほど、室内空間に余裕がなかったという理由もあります。また、排水管の勾配の確保からも、移動することは難しかったと思います。

私の父が20年前に建てた家のリフォーム。計画中も施工中も感慨深いものがありました。

リビングからダイニングを見る。壁と天井は全て珪藻土。組子の間にワーロンプレートを1枚ずつ落とし込んだアクリルワーロン障子戸。
リビングからキッチンを見る。
90度に交わる引き戸を見る。夏は空けると階段室と繋がり広く使える。冬は引戸を閉めて使う。
キッチンからリビングを見る。サッシュの内側にアクリルワーロン障子を入れて落ち着いた「和」の雰囲気。障子戸により開口部の断熱性も上げている。
キッチン方向を見る。キッチンに立って出窓を使えるようにキッチンの奥行きを60cmとしている。既存のスペースにぴったりのオーダーキッチン
収納も奥様と打ち合わせをして狭いスペースを有効利用。
和室も部屋の角の柱を無くして、建具(ドア)で間仕切り。90度に交わる引き戸を明けると、広く使える工夫。
和室も 90度に交わる引き戸を開けると廊下と繋がる。
洗面スペースを見る。壁のステンドグラスは、採光の取り入れ口。中廊下にあるスペースを明るくする工夫。
トイレはパイン材の腰壁+珪藻土。
旦那様の部屋の前がトイレのスペースとなっている。トイレのドアも引戸。
北側のサッシュの内側にはステンドグラス。奥様の趣味のステンドグラスとのコラボレーション多数。
張り替える必要の無いアクリルワーロン障子。断熱性も高まる。障子とフローリングの組み合わせは大人の雰囲気。窓台は削りなおして使っている。

既製品のキッチンだと天板(キャビネット)の奥行きは65cmと決まっています。奥行き65cmでは、出窓カウンターまで手が届かない。だからキッチンの奥行きを手の届く60cmをにしたい。そうなるとオーダーキッチンにするしかありません。たった5cmの違いが大きいのです。やはり、リフォームとオーダーキッチンは相性がいい。普通に見えますが、扉の開閉方法など、狭いスペースを有効に生かし、使いやすさを追究して造られています。ちなみに、奥行き60cmは食器洗い乾燥機が納まるギリギリのサイズでもあります。キッチンの色は施主希望の「さくら色」。

概要

SS-house

造作建具により空間操作をすることで、スペースを有効利用した2階部分のフルリフォーム

所在地
栃木県宇都宮市
用途・構造
専用住宅 鉄骨造3階建て2階部分の全面リフォーム
設計施工
(有)ヨシダクラフト 吉田武志
2階床面積
19.6坪(65㎡)
屋根
既存のまま
外壁
既存のまま
室内壁天井
珪藻土
室内床
楢フローリング
その他
オーダーキッチン・造作建具
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