小さな家のメリット
延床面積が小さくなることで建築コストが少なくてすみ、暖房負荷も減ってランニングコストも下がります。その分のコストを高断熱化や省エネルギー機器、長く使える仕上げ材にまわすことができるのが、小さな家のメリットです。小さな家は、ランニングコストを少なくできるだけでなく、メンテナンスコストも安くできるので、長期的に考えても省コストに暮らせる住まいです。小さな家でも、断熱性能を高くして暖かくすると、家の隅々まで使用頻度が増して、広く使えます。
逆に大きな家でも寒ければ、暖房の付いた部屋しか頻繁に使えませんから、大きくても狭い家になってしまいます。例えば延床面積70坪の大きな家でも、断熱性能の低い家の場合、暖房していない部屋は寒いので使われていないことが多く、実際に使っているのは暖房があるLDK・寝室・水廻りの20坪程度だったりします。外観は70坪の大きな家ですが、実際は20坪しか使えない狭い家。現実このような家は少なくありません。
子供が巣立つと広い家は必要なくなります。家族人数が多いのは子供が学生時代まで。実際に子供部屋を使うのは中学から高校卒業までと考えると6年程度、大学まで入れても10年くらい。だから思い切って子供部屋を小さくするなど、なるべく新築時に家を小さくしておくのが良いと思います。
老後、広い家を管理するのは大変です。家族が減り体力も低下する年齢になると、広い家は物置場と化し、そこは何もしないと埃だらけになるので、掃除が手間になります。10~15年に1度定期的に訪れるメンテナンスリフォームの費用も、基本的に「面積×単価」で算出するので、大きな家はリフォーム費用も高額になります。だから不必要に広い家は建てないことが大切です。
必要最小限の大きさの家を、Q1.0住宅の断熱性能で、かつメンテしながら長く使える仕上げ材料で建てると、長くメリットを実感しやすい。断熱性能に由来する快適性にプラスして、「片付く収納」などの工夫を行うことで、小さな家で豊かに暮らすことが可能になります。