脱窯業系サイディング!
栃木県で建てられている新築住宅の外壁材の8割程度は、窯業系サイディングだと言われています。価格が安く、工程管理が楽な上に工期が短縮でき、初期クレームが少ないので、多くの造り手と住まい手に選ばれています。
しかし、窯業系サイディングは新築時のコストは安いものの、生涯コスト(メンテナンスコスト)は高額になる、矛盾の大きな外壁材であることは、住宅業界人以外にはあまり知られていません。窯業系サイディングのデメリットをお話ししましょう。
窯業系サイディングの素地は吸水性があり、水を吸うと凍害等でダメになるので、それを防ぐために表面に塗装をしてあります。塗装により品質を維持しているので、10~15年に1度、必ず足場を架けて、シーリングという防水工事を行った後に再塗装が必要になります。住宅ローンを抱えている人が、10~15年に1度、定期的に150~200万円くらいの外壁塗装リフォーム費用を捻出し続けるのは困難です。
また劣化したら、部分的に貼り替えが出来れば良いのですが、サイディングは工業製品なので商品サイクルが早く、10~15年後には、ほぼ全てが廃盤になるのが普通です。廃盤になった材料は部材が無くなるので、一部が傷んだからといって部分的に貼り替えることができません。一部分のみが傷んでいる場合でも、傷んでいない部分も全て解体撤去して、全面貼り替えして新商品を採用することになります。外壁材の全面貼り替えになると、既存外壁の撤去処分費用が掛かる上に、この時期には、屋根及び雨樋塗装とベランダ防水のやり替えと、床下の白蟻防除も一緒に行うのが普通です。それには高級国産乗用車1台分くらいのリフォーム費用が掛かります。何度か経験しています。
ですから、新築時のコストだけでなく、生涯コストを最小にするという選択で、窯業系サイディングではない、長く使えて素材感のある外壁材を選んでいます。窯業系サイディングを使うと、ハウスメーカーやローコストビルダーと変わらない、味気ないありふれた外観になってしまうので、デザイン面からも窯業系サイディングを使うことは避けています。