お客様の声

D-house

既存の良いモノは残して、違和感のあるものは新しくする。的確な取捨選択により、想像の上を行く仕上がりになりました

何年に中古住宅を買ったのかを教えてください?

2006年です。

この中古住宅が新築されたのはいつか、分かれば教えてください?

1998年、今から26年前です。2006年当時、築8年の住宅を買ったことになります。

パラソル下のソファーに寝転んで、遠くを見ながら、人間のように寛ぐ犬。
貴方、人間ですか?
D-houseでは、犬2匹が放し飼いにされている。

どのようにこの中古住宅を探したのか、具体的に教えてください?

中古住宅を買った2006年当時は、旦那の実家のあるアイルランドに住んでおり、アイルランドに家がありました。

毎年、最短でも夏の2週間程度は、休暇で(奥様の)故郷の栃木県に帰省していました。

帰国する度に、家族6人が実家で過ごしていましたが、毎年帰国するので、休暇の間、過ごせる別荘的な小さな家が、栃木に欲しくなりました。

2006年、帰国していた2週間の間に、中古住宅をネットで探して、この家を買うことを決めました。

この家に決める前に、中古住宅を何軒が見ましたが、特に魅力を感じませんでした。

しかしこの家を見て、趣のある外観や、太い柱や梁、無垢の床材や漆喰壁に魅力を感じて買うことを決めました。

木工を仕事にしている父に購入前に立ち会って見てもらい、この家なら良いだろうと助言をもらいました。

「和」を感じさせる内外観が魅力的で、室内は埃だらけでしたが、内見した時から格好が良かったので、リフォームしたら、より良くなると確信していました。

ダイニングからロフト方向を見る。

特定の地域に絞って、中古住宅を探したわけではない、ということですね?

地域で選んだわけではなく、この家だから選びました。

購入した2006年も、2週間の滞在で帰国したので、購入手続きは、全て父に依頼しました。

旦那さんも日本的な雰囲気のするものが、好きなのですか?

私も大好きですね。(旦那様)

アイルランドは木造ではなく、石の組積造という印象ですが、アイルランドはどのような家なのですか?

石の家が多いです。アイルランドは地震がありません。ですから、日本に来て地震にはびっくりしました。アイルランドは北海道のような気候で、敷地と家は、とても広かったです。

どのような点に注意して、中古住宅を探しましたか?

購入当時は、休暇に訪れる日本の別荘のつもりだったので、小さな家で、かつ内外観の雰囲気が、自分の好みと合う家を探しました。

北側道路から建物を見る。
外観のライトアップも自然で雰囲気が良い。

「むくり屋根」の外観が独特で、地下室と囲炉裏もあるという、あまり、市場に出てこない平屋の中古住宅だと思います。 囲炉裏、玄関内部の灯篭、玄関の三和土部の室内添水(そうず)、地下室は、最初からあったのですか?

全て最初からありました。

ただし、現在御影石を貼っている玄関内部は、土の三和土(たたき:土の床仕上げのこと)で、最初は自分たちで砂利を敷いていました。

玄関框下の大きな石は、裏にありました。重かったのですが、父と2人で単管パイプに載せてゴロゴロと運んで、何とか設置しました。玄関外部等の飛び石も敷地内にあったものを運んできました。

地下室は、物置のような感じで使われていたのだと思います。

現在、地下室はどのように使っていますか?

映画を見たりしています。(旦那さんが)ラグビー観戦が好きで、特に母国のアイルランド戦は大声を上げて応援できるので、とても良い環境です。

※地下室への床面扉、地下室の内装工事は、木工職人のお父様と奥様が行った工事です。

玄関土間にある竹で出来た「ししおどし」のようなものは、購入前からあったのですか?何という名前のモノか、分かっていたら教えてください?

最初からありました。

竹が筧(かけい)で、地面に埋まった石が蹲(つくばい)です。

蹲(つくばい)の下で排水されており、止めてしまうと匂いが上がってくるので、水は流しています。

※筧(かけひ)とが蹲(つくばい)は、和の庭には欠かせないアイテムの1つ。蹲(つくばい)は茶室に入る前に、手を清めるために置かれた背の低い手水鉢に役石をおいて趣を加えたもの。

筧(かけい)と地面に埋まった蹲(つくばい)

外構についてお聞きします。道路側の生垣を含んだ植栽は元からあったのでしょうか?それとも購入してから、植栽を行ったのでしょうか?

生垣は最初からありました。ただし、購入時は、敷地100坪以上に対して、約25坪の平屋が1軒あるだけでした。他は全て庭だったのですが、放置されており、かなり草木が生い茂っていました。
 
最初に増築部分を建てて住むようになり、この中古住宅をリフォームして、そのあと植栽は自分たちで整理しました。

自分たちで植えた木もあります。

横溝正史の映画に出てくるような雰囲気の1枚。
歴史を手に入れられるのが、新築には無いリフォーム(リノベーション)の魅力の1つ。
しかし歴史になるには、木目のカラーボックスのようなパフパフの新建材ではダメ。

中古住宅購入時は、新築することも考えましたか?

2006年の購入当時はアイルランドに家があり、向こうに永住するつもりでした。あくまでも日本の家は別荘のつもりだったので、新築は考えませんでした。

2006年に、85.01㎡(25.71坪)の木造平屋建ての中古住宅を買ってから、2008年に、敷地内に、89.42㎡(27坪)の総二階の住宅を増築しています。増築部で個室などを確保してから、最初に買った平屋の中古住宅のリフォームを始めたということですか?

中古住宅を購入した2006年以降、アイルランドに住んでいる時点で、旦那の勤務先が日本になりました。

別荘にするつもりで買った平屋の中古住宅部分に、6人で暮らすには狭いと考えて、中古住宅をリフォームするより先に、別棟で増築することにしました。

総二階の増築部分は、父の高校の同級生である、吉田さん(当社会長)なら、やってくれそうだということで依頼しました。

アイルランド滞在中に工事が始まり、帰国して1~2か月後に、増築部分が完成して住み始めました。

居住スペースを確保した上で、既存の平屋中古住宅のリフォームを始めました。最初は、キッチンのリフォームを行いました。

そのあと、居間のリフォーム、玄関リフォーム、お風呂のリフォームと、順番に行いました。

※増築とは、別棟で新築のように建築して、既存部分と繋げること

夜景。駐車場から建物を見る。

(当社の会長に聞いたところ)現場で、奥様のアイデアを、造り手である会長が、形にしていったとのことですが、具体的にどのような形で、造り手側にアイデアを伝えたのですか?

私がこのような感じで造りたいと要望を伝えて、形になっていきました。具体的には、私が「こうしたい」というと、それが予想以上の形で実現していきました。

色や質感の決め方の例ですが、玄関廻りの塗り壁の黒は、見本帳を見せてもらって決めました。

一例として、リフォーム部分の天井のエアコンの場合ですが、エアコンを付けた後で、「エアコンの機械がむき出しなのは、恰好が悪いので、何とかなりますか?」と言うと、大工さんが、エアコン本体はそのままで、エアコンの廻りに下地木材を組んでから、檜板を貼って仕上げてくれました。檜板と曲がった梁との隙間もなく、違和感の無い形に仕上がり、びっくりしました。良い仕上がりになったと思います。

大工さんを初め、(職人の中に)天才がたくさんいました(旦那様談)

また、居間の上部は壁になっていましたが、違和感があったので、「引き戸にしたい」というと、格子の引き戸が完成し、想像の上を行く仕上がりになりました。

リビングとして普段使い出来る和室は、初めて見た。

ユニットバスではない、造作のお風呂も素敵ですね?どの部分をリフォームしましたか?

浴槽を変えて、タイルを石に貼り直し、シャワーヘッドを変えました。

腰上壁の板張りと勾配天井の板張りと、全開口するサッシは、既存のままです。

窓を全て開けると、庭とお風呂が1つの空間になります。

浴槽内部も、お湯を何色かの光でライトアップできるので、綺麗です。

サッシが引き込まれて無くなり、庭と一体になる浴室。

室内の建材について。具体的に、この石を使いたいとか、この木を使いたいとか、要望を出したのですか?また、蜂と花の襖紙が素敵ですが、どこで買ったのですか?

私がこのようなものを使いたいと言うと、見本を持ってきてくれて、その中から選びました。

(吉田さんの)既存の良いモノは残して、違和感のあるものは新しくするという、取捨選択が素晴らしかったです。

蜂と花の襖紙は、北斎なのですが、当時は日本に売っているところがなくて輸入しました。今は北斎の襖紙というかクロスは、日本のお店で買えますよ。

印象的な襖紙。

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ヨシダクラフトより

施主のDさんには、審美眼があります。

中古住宅購入前の内見時には、敷地は草が生い茂り、室内は埃だらけだったそうです。しかし、一瞬で自分好みの家だと気付き、購入を決めました。

購入当時、築8年と新しく、かつ、独特な「むくり屋根」の外観で、地下室・囲炉裏・筧(かけひ)とが蹲(つくばい)があり、裏庭と一体となる「造作のお風呂」を持つ中古住宅は、間違いなく、日本中探しても、この住宅しかありません。

魅力的な、小さな平屋の中古住宅という土台に、施主のDさん家族のセンスと、当社会長の長年の経験が、掛け算されて完成した住まいです。

2008年から現在まで、当社会長が担当しており、私は今年の6月まで伺ったことはありませんでした。

しかし、あるきっかけで初めて伺い、独特のインテリアと、家と庭の一体感に触発されて、プロカメラマンによる写真撮影をお願いして、このコンテンツが出来ました。

以前から、当社の仕事をしている、一部の職人達の間では、「凝った家だね」「変わった家だ」と、話題になっていた住宅です。

職人達は、様々な住宅会社の、多くの家で仕事をするので、手がけた家の意匠を、仲間と話題にすることは、まずありません。

職人達にとっても、気になる仕事だったのでしょう。

室内の仕上がりを見ると、特にやる気になった職人が、少なからず居たことは、間違いないと確信しました。

植栽の手入れは、プロが入っているのだと思っていましたが、出来る範囲を限定して、施主が的確に行っており、植栽もセンスが良いと感じました。

このD-houseリフォームは、自分の仕事があったので、見に行く機会がありませんでしたが、リフォーム工事中、足を運んでいれば良かったと、少し後悔しています。

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