IS-house

──好みの意匠の中古住宅を購入してリフォーム

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好みの意匠の中古住宅を探した。

ISさんは、築28年の中古住宅を購入して大規模リフォームを行いました。最初、ホームページをご覧になり、中古住宅を買うのでリフォームをしたいと連絡を頂きました。ショールームにて顔合わせした当日、一緒に購入予定の中古住宅を見に行きました。

築28年。設計者が妹の為に建てた住宅は、深く出た軒とコーナーの大きな出窓が印象的な品の良い落ち着いた住宅です。こういう意匠の中古住宅を探されたのだなと、何となく好みが理解できた感じがしました。

ISさんが、その中古住宅を選んだ理由は、「意思が感じられる住宅」であると感じたから。「意思のある住宅」とは、「何かしら、人の思いが込められた住宅」。住まい手と造り手の意思が感じられる建築を「あえて選んだ」とのことでした。

この住宅に辿り着くまで、中古住宅を何十件か探した結果、ハウスメーカー的な住宅は綺麗で機能も申し分ないが、「何か味気ない感じ」がしていたそうです。窯業系サイディング+ビニールクロスに代表される新建材の内外装が、ISさんにとっては、人の意思が感じられない、手作り感が無い、味気ないと感じられたのだと思います。

経年変化を楽しめるリフォームにしたいという希望でした。建築物に限らず、世の中の物事は、どうしても経年変化、劣化をするものなので、積極的にそれを楽しみたいという要望でした。 色合いも新築然としたものより、落ち着いたものが好みとのこと。

既存空間を自分の価値観に合う空間に読み替える。

ハウスメーカー的な新建材住宅に違和感があり、中古住宅を購入してリフォームすることを選択したので、造作建具や自然素材等の手づくり感のある住宅を造っている当社に依頼してくれたのだと理解しました。また、私のブログを全て読んでくださり(膨大な量です)、考え方も合うと思って頂けたようです。

手づくり感のある内装とそれを造っていく過程、特に現場の様子を、いつも以上に見て頂きながら、作業を進めることにしました。

買った中古住宅が傾いていた。

しかし、最初に現場を見た時に1つ問題を発見しました。建物が傾いていたのです。すぐに地盤調査を入れると地盤が悪いことが原因で、建物が最大7㎝傾いていました。

沈下修正工事をせずに、床だけ平らにするリフォームを行い、再沈下してしまうと、せっかく新たにリフォームした内外装が全てダメになってしまいます。キチンと沈下修正工事をして建物を水平に直し、それからリフォームをすることにしました。お金が掛かる工事ですが、ご理解頂くことがIS-houseリフォームでの一番重要なことでした。

沈下修正工事の方法は、実績のあるアンダーピニング。人力でモグラのように穴を掘り、職人が基礎の下に入り、鋼管杭を油圧ジャッキで固い支持層まで入れて、その反力で家の傾きを水平に直し、固定する工法です。

専門の職人達が東京から2週間以上宇都宮に泊まり込みで作業を行うという、大規模な工事になりました。直径約14㎝の小口径鋼管杭を28本基礎下に打ち込み、最大で7㎝傾いていた建物を、ほぼ水平(傾き3㎜程度)に修正し固定しました。

リフォームの内容

趣ある木製造作玄関ドア、下駄箱、和室はそのまま残し、既存部分と新規部分が違和感なく見えるように造作建具と無垢の床材でシンプルに造っています。それが経年変化を楽しむリフォームに繋がるように計画しました。

DKと隣接するリビングが、1部屋の広い空間として感じられるように、間仕切りに天井までの大きなガラス引き違い戸を新設しました。幅、高さとも2.5mの大きなガラスの建具で、木枠の見付は4.5センチという細さです。その他の造作建具も、全て引き戸として動きやすい室内も実現しています。

DKに隣接するリビングは6畳程度と狭く、リビングというより個室です。しかし、ガラス引き戸によりDKと一体化することで、広がりのある部屋になりました。リビングは、天井までの本棚が造られ、ソファーとテレビボードの「寛ぎの三種の神器」がセットされます。後は珈琲が入れば、リラックスできる空間の出来上がりです。

壁付けだったキッチンもペニンシュラ型の対面式のオープンキッチンになりました。キッチン隣には狭いですがパントリーを設け、片付く室内も目指しています。キッチンが建物の中心にあり、1階のほぼ全てが感じられる造りになっています。大きなダイニングテーブルは、作業机としても活躍しそうです。

狭いタイルのお風呂を1坪のユニットバスに変更。 隣接する洗面脱衣室にも、下着やタオル、洗剤の入る2箇所の収納を造り付けました。

断熱リフォームは開口部の断熱強化。

LDK、リビング、和室の大きな5箇所の開口部に樹脂製ペアガラスの断熱内窓を設けて、断熱リフォームしました。既存の木製造作玄関ドアは、隙間風を無くすためにゴムパッキンで気密性をあげて、ガラス面にハニカムサーモブラインドを付けて断熱性を高めています。

2階部分は、トイレを新規に造った程度。メリハリの利いたリフォームになっています。

工事期間中は、毎週2回程度ISさんご家族と現場でお会いして、進捗状況確認と打ち合わせを行い工事が完成しました。

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道路から建物を見る。庇が大きく出た落ち着きのある住宅。前面道路は狭いが、駐車場は広いため、車の出し入れはしやすい。
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1階和室。コーナーの出窓が外観の意匠的特徴になっている。壁を珪藻土に塗り替え、出窓に内窓を設置


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2階個室。この部屋にも意匠的特徴になっている出窓がある。


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2階トイレ。2階にはトイレが無かったので新設した。廊下に面するため、引き戸としている。
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階段。ここにもコーナー出窓。手摺を新設した。


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1階玄関ホールから階段を見る。階段の隣はトイレドア。床をレッドパインフローリングに貼り替えたが、階段は既存のまま。
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玄関ホール。木製造作玄関ドアはガラス面が大きく隙間風が入り寒かった。ハニカムサーモブラインドと気密部材を使い、玄関ドアの断熱気密リフォームを行った。


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LDK。天井までのガラス引違い戸で2つの部屋が1つの部屋のような雰囲気になる。造り付け本棚が見える。
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LDKには水廻りとパントリーも隣接。引き戸にしてスムーズな動線を確保している。


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キッチンを見る。濃い色のドアは既存。古い部材が入ると落ち着いた雰囲気になる。
リフォーム前。キッチンを見る
リフォーム工事前 キッチンを見る。


沈下修正工事アンダーピニング
沈下修正工事アンダーピニング。人が基礎の下に潜って鋼管杭を打っているところ


IS-house リフォーム概要
所在地: 栃木県宇都宮市
用途・構造: 専用住宅 木造2階建て
築年数: 28年
家族構成: 夫婦+子供+柴犬(将来?)
施工期間: 3か月
延床面積: 120.48平米(約36.37坪)
床: パインフロアクリアOS
壁・天井: 珪藻土クロス
その他: 室内造作ドア  造作家具
施工個所: 玄関、ダイニングキッチン、リビング、和室、浴室、洗面脱衣室、トイレ、階段、2階個室、沈下修正工事アンダーピニング、断熱内窓、