1. リフォームはコミュニケーションが最重要
予算という制約がありますから、家族全員が満足することは難しいことかもしれません。
しかし、家族内での十分な話し合いが、最後には必ず意味のあるプロセスになります。
また、住まい手と造り手のコミュニケーションも新築以上に重要となります。
リフォームやリノベーションでは、お客様が住まいながらの工事になることが多い為、住まい手と造り手が長時間一緒に居ることになります。反対に共働き等で不在の場合は、鍵をお借りして工事することになります。新築工事よりも、住まい手と造り手の関係が密接になる為、お互いの相性、信頼関係が重要になります。
2. 長く暮らせる材料
本物の素材なので、時が経つと良い経年変化をして空間に馴染みます。自然素材を真似た既製品の新建材と違い、廃盤になる可能性が少ない為に、長く使えます。新建材や大量生産部材は廃盤になると交換が出来ないばかりか、部材的な交換が出来ない為に、壊す必要の無い周囲まで大きく壊して部材交換することになってしまいます。
自然素材やオリジナル部材は、暮らし継がれる住まいを目指す弊社のマストアイテムです。
例えば、無垢のフローリング。年月が経つと良い具合に焼けて色が濃くなります。素足で歩いても、足触りも良い。節の入り方や模様もそれぞれ違い、世界に2つとは無いオリジナルになります。冬になると乾燥収縮して隙間が開いて、夏になると、湿気を吸って隙間は少なくなります。
しかし、部材の隙間が開いたりすることは、神経質な人にとっては耐えられない欠点になりますから、御自身と御家族の性格や暮らし方をよく見極めて材料を選択する必要があります。
自然素材について、詳しくはこちらをご覧ください。
3. 長く暮らせる設計
1例ですが、勾配が少ない屋根、軒の出のない屋根は、意識的に造らないようにしています。勾配が少ない屋根は、水切れが悪くなり、屋根自体の耐久性を悪くします。また軒の出が少ないと、雨が外壁に掛かり、外壁と住宅設備が共に傷みやすくなる。屋根勾配と軒の出が少ない家は、本州の気候に合わず、自然の摂理に反した家といえます。
よく考えれば素人でもわかることですが、新築主体の設計事務所や住宅会社では、家の完成後の姿を見る機会が少ないので、身近な事として考えられないのかもしれません。
また、雨漏りや腐朽、シロアリなどが構造体の大きなダメージとなるのは、小さな問題が発生した時に気が付かないまま長期間放置されることの影響が大きいものです。楽に点検やメンテナンスできる設計をしておく必要があります。
長く暮らせる家について、詳しくはこちらのページをご覧ください。
4. 部材の取り合いの管理が大切
当然、不具合(瑕疵)はその取り合いに発生することが多いです。各部材を施工する専門工事業者 (職人)や設備メーカーは、自分達の供給する部材及び施工には責任を持ちますが、他の部材や構造体との「取り合い」には責任は持てません。専門工事業者は、自分の施工責任範囲以外の部分は、責任が取れません。「取り合い部分」の責任は、工務店(現場管理者のいる住宅会社)の仕事です。
取り合い部分の責任を持つことが工務店の技術であり重要な仕事の1つになります。特にリフォームやリノベーションでは、既存部分と新設部分の取り合いが生じるため、より経験が必要となります。
住まい手の中には、専門工事業者に直接仕事を依頼すると安くて良いように思われる方がいらっしゃいます。しかし、専門工事業者は、重要な取り合いの責任は取れません。よく考えると工務店(現場管理者のいる住宅会社)に仕事を依頼したほうが良いことがわかるはずです。