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1. ガルバリウム鋼板の利点と欠点

ガルバリウム鋼板を外壁に使う理由は、メーカー臭の薄いニュートラルでシンプルな意匠と耐久性です。

意匠面の利点は、建築雑誌やwebで数多くの写真が取上げられているので、書く必要が無いと思いますので、
耐久性について、窯業系サイディングとガルバリウム鋼板を比較しながら利点と欠点を書きたいと思います。

ガルバリウム鋼板とは、アルミと亜鉛で鉄を守ることにより生まれた耐久性、耐候性に優れた鋼板です。
素材自体の耐久性、メンテナンス回数を減らせる点では外壁材の中ではトップレベルです。耐久性については、窯業系サイディングよりもメンテナンス期間を長くできると思います。窯業系サイディングが10年程度に1回、塗装のメンテナンスを必要とするなら、ガルバリウム鋼板の場合は、目安として15年~20年に1回程度塗装が必要になると思います。

主に屋根に用いられる材料なので、雨や日射に対する耐久性は高いです。窯業系サイディングよりもメーカー数も種類も少ないので、廃盤になる確率も低く、長く製造される可能性の高い材料だと感じています。以前、湿気の多い土地で、漆喰外壁を施工して、カビが生えたということがありました。有機的材料を湿気の多い土地で使うと、カビのデメリットがあります。ガルバリウム鋼板は平滑なのでカビも付きにくく、湿気の多い場所にも適していると言えます。

ガルバリウム鋼板の欠点?ですが、0.3㎜程度の薄い鋼板なので、単体で考えると窯業系サイディングよりも、火災時の熱に弱い材料です。その為、ガルバリウム鋼板を外壁材とする場合、火災に対する壁下地の仕様が法律で定められています。モルタル外壁や窯業系サイディングはそれ自体が火に強い為、下地材料(壁の中の材料)の選択の余地は多くなっています。

また、薄い鋼板の為、物が当たるとへこんだり、傷がつきやすかったりします。窯業系サイディングやモルタル外壁では、傷やへこみにならないようなことでも、ガルバリウム鋼板の場合は、傷やへこみになる場合があります。



2. ガルバリウム鋼板の下地は準不燃材としてダイライト(又はモイス)+断熱材としてグラスウール(又はロックウール)が妥当

外壁材にガルバリウム鋼板を使う場合、火災に対する壁下地の仕様が法律で定められています。室内側より外に向かって、石膏ボード、柱、ダイライト(又はモイス)、透湿防水シート、通気層、ガルバリウム鋼板外壁材という順番になります。柱間にグラスウール断熱材(又はロックウール断熱材)を充填するというのが、法律で決められた仕様です。当社では、手に入りやすいという理由で、準不燃材兼耐力面材としてダイライトを、断熱材としてはグラスウールを使っています。

ガルバリウム鋼板外壁材+準不燃材料(ダイライト、モイス)とした場合の断熱材の種類が、法律でグラスウールかロックウールと決められているのは、火に強い断熱材だからです。ウレタン等の発砲系断熱材や羊毛等の自然素材系断熱材は、単体では火に対して弱い為、ガルバリウム鋼板外壁材の断熱材としては法律で認められていません。

ダイライトは、準不燃材でかつ耐力面材なので、1つの材料で2つの要素をクリアできる材料です。準不燃材でかつ耐力面材なのは、現在のところ、ダイライトとモイスしか無いようです。ダイライトとモイスは湿気にも弱くないので、外壁下地として適していると思います。法22条区域で求められる準防火性能であれば、ダイライトは準不燃材料の認定を受けているので、告示1362号に記載の準不燃材料下地に亜鉛鉄板張り(ガルバリウム鋼板)という仕様を当てはめることができます。



3.石膏ボードは外壁下地材に適していない

石膏ボードも準不燃材として法律で認められ、ガルバリウム鋼板外壁材の下地材として使えますが、石膏ボードは基本的に内装用であり、非常に湿気に弱いので、外壁下地材としては適していません。経年し、湿気によりボロボロになった外壁下地石膏ボードをリフォーム工事で何度か見ています。石膏ボードを外壁下地として使うことは認められていますが、実際に施工すると湿気で劣化するという問題が起こる可能性が高いので、私は使っていません。石膏ボードを貼れば、断熱材としてウレタン等の発砲系断熱材や羊毛等の自然素材系断熱材も使えるようです。しかし、上記の理由から石膏ボードは外壁下地としては使えず、代わりに準不燃材兼耐力面材にもなるダイライトを貼っています。

ガルバリウム鋼板外壁材「ガルスパン」のメーカーとして有名なアイジー工業に「ガルバリウム鋼板外壁材の下地として、石膏ボードはどうか?」と問い合わせたところ。ガルバリウム鋼板外壁材の下地として、石膏ボードを貼ることはガルバリウム鋼板外壁材から、雨水が浸入して石膏ボードを濡らしてしまうことを考えると、石膏ボードがボロボロになってしまうので、おすすめ出来ないとハッキリ言っています。今までの販売経験から、ガルバリウム鋼板外壁材の下地として、石膏ボードを貼ることは問題があったと言っていました。ガルバリウム鋼板外壁材の下地として、石膏ボードを使う場合は、透湿防水シートの貼り方を工夫する必要があるのだと思います。

結論としては、ガルバリウム鋼板外壁材とする場合は、準不燃材の下地材かつ耐力面材としてダイライト(モイス)を貼り、断熱材は、グラスウールかロックウールが妥当だと思います。当社はガルバリウム鋼板外壁材が増えている為、断熱材は殆どグラスウールになっています。

ガルバリウム鋼板外壁材は、断熱材が裏打ちされたものとも断熱材の付いていない波板の2種類から、予算により選択しています。シンプルな意匠性が特徴の為、1階と2階に継ぎ目の無い長尺物を使いたいと考えています。

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ガルバリウム鋼板外壁材、下地に石膏ボードを使う場合の注意点

北海道では、ガルバリウム鋼板を外壁に使うことが多い。北海道に研修に行った際も沢山見かけました。ガルバリウム鋼板外壁材は、耐久性があるので、気候の厳しい寒冷地でも人気のようです。

その時に、現地の工務店の方に良いことを聞きました。外壁仕上げ材としてガルバリウム鋼板を使った場合、下地として石膏ボードを貼る時、下地石膏ボードが雨に濡れにくい施工方法を口頭で教えて頂いたのです。これは、外壁仕上げ材として、木材を貼り下地に石膏ボードを貼る場合にも使えます。

その施工方法なら、雨水がガルバリウム鋼板から侵入してきた場合も、石膏ボードをあまり濡らさずに済みそう。石膏ボードはもともと内装用ですから、濡れるとボロボロに壊れます。お聞きした施工方法は、特に部材が増える訳でも、手間が沢山増えるわけでもありません。施工費も材料費も今までと変わりません。ちょっとした工夫です。簡単な方法なので、一般化しているのだと思います。聞けば、「なるほど、簡単!」となりますが、私は、見たことがありません。気候の厳しい地域は、些細なことでも進化しているようです。

予算の厳しい場合。ガルバリウム鋼板外壁材の下地としてダイライト等が貼れないこともあるかもしれません。その場合は、石膏ボードを貼ることになると思いますが、外壁ガルバリウム鋼板から雨水が浸入した場合の石膏ボードを濡らしにくい処理の方法を教えてもらいました。特に、石膏ボードの小口の処理です。ガルバリウム鋼板外壁材の下地として、石膏ボードを使う場合は、透湿防水シートの貼り方を工夫する必要があります。