小さな家に暮らすというと、違和感があるかもしれません。
小さな家を造るというよりも、無駄に大きな家を造らないと言ったほうが、分かりやすいかもしれません。
注文住宅において、質を落とさず予算に近づける為には、計画の初期から面積を絞り込んでおく必要があります。
また、家族の人数が多いのは、子供が学生時代まで。個室を頻繁に使うのは中学から高校卒業までと考えると、6年程度。
だから思い切って、新築時に家を小さくして質を高めておいたほうが、メンテナンス費用も安く済み、負担も少なくなる。
小さな家のほうが、冷暖房のコストも安くすむ。

弊社では、リフォーム工事を多数手掛けている為、家族人数の減少や高齢化による、住まいのその後の様子を沢山見ています。
高齢になり夫婦2人きりになったり、伴侶を失い1人暮らしになる時期と、体力が低下してくる時期は同じくらいに訪れます。
そうなると大きな家の場合、掃除も大変、メンテナンスコストも高いということになりますから、
住まいを維持するのは大変で、殆ど手が廻らなくなるというのが現実です。
高齢になっても、できるだけ住まい手自身が家を管理できるように、新築時になるべく小さな家にするように提案しています。
小さな家を、広ろがりのある空間にする工夫をご紹介します。



1. 天井と壁を同じ材料とすることで広く感じる

壁と天井の素材を統一する

壁と天井の素材を統一している

同一仕上げ材として、余分なラインを見せず、かつ白色にすることで広く感じる。


2. オープンなプランニング(ここでも断熱性が重要)

吹抜け

吹抜けの引戸を開けると吹抜けと繋がる。

小さな家を広がりのある空間にするには、建物内部の広がりを意識する。
吹抜けで上下階との繋がりを意識し、空間を縦に伸ばして上下階の関係を作ると視線が遠くに行くので広がりを感じる。
また、広くするだけでなく、空間に落着きを与える為に、適切な場所にバランス良く壁を設けることが重要である。

広い吹抜け空間を造っても、断熱性が悪いと冬寒く不快となり、経済性も損なう為、ここでも断熱性が重要となる。

オープンな空間にするには、最低でも次世代省エネ基準をクリアする断熱性が必要である。



3. 廊下と階段をリビングと一体とする(リビング階段)

リビング内階段

リビング内階段

人が長く居るリビングの面積を大きくワンルームにする為、廊下と階段をリビングと一体としたリビング階段とする。


4. 回遊できる場所をつくる

回遊式動線

回遊式動線

行き止まりのない動線は広がりを感じる。
その場所にいろいろな行き方ができるのは楽しい


5. 適切な場所に造り付け収納を造る

造り付け収納

造り付け収納

物が散らからないように適切な場所に造り付け収納を造る。
大工工事で家具を作った例。箱を大工が造り、建具職人が扉を入れて収納とした。
目立たないように、壁と同色の白い収納としている。


6. 置き家具について

置き家具

置き家具

ダイニングテーブルや椅子などの置き家具は、体に触れ毎日使うものなので、その良し悪しが生活の豊かさを大きく左右します。
テーブルを選ぶ時は円形のものをオススメしています。
円形テーブルは狭いスペースでも多くの人が座れて、周囲を廻れる動線ができるからです。
私の造る家にはシンプルで機能的な北欧家具が一番合うと思い、お勧めしています。
その場所に固定しない置き家具は、移動して使える為、小さな家の大きな味方です。


7.幅の広いフローリングを使う

幅広フローリング

幅広フローリング

幅広のフローリングを使うと、部屋が広く感じます。


8. 2階リビングで勾配天井とする。

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2階リビング勾配天井

小さな家の場合、2階にリビングを設けて勾配天井とすると、容積が大きくなり広がりを感じます。
2階リビングとすると採光や通風も有利になる場合が多い。
小さな家でも大きな空間が取れて解放的に暮らせるのは2階リビングです。
デメリットは、足腰が弱くなった時に2階に上がるのが辛くなること。
水廻りも2階に設置する為、寝室となる1階での水の音に対する防音は考えておかなければなりません。
敷地や住まい手の状況もありますが、延床30坪以下の小さな家なら2階リビングのメリットは多いと思います。