これからの家は、30坪前後が標準的な大きさになる

例えば70坪の大きな家でも、断熱性能が低く寒い家なら、暖房していない部屋は使われていないことが多く、実際に使っているのは暖房器具があるLDK・寝室と水廻りの20坪程度だったりします。外観は70坪の大きな家ですが、実際は20坪しか使っていない狭い家。現実こんな家は少なくありません。

子供が巣立ち、家族が減り体力も低下すると、大きな家は掃除も大変になります。また定期的に訪れるリフォームの費用は、基本的に面積×単価で算出するので、大きな家はリフォーム費用も高額になります。

だから不必要に大きな家ではなく、必要最小限の大きさの家を建てるのが良いのです。

今後の社会情勢や今までの経験から、これからの家は30坪前後が適正な大きさになると考えています。30坪前後の家なら4人家族でも十分暮らせて、1人や2人でも広さを持てあますことがありません。

次は小さな家のメリットを見てみましょう。

 

小さな家のメリット

小さな家でも、広々と大きく暮らすことは可能です。住まいの断熱性能を高めれば家の中がどこでも寒くないので、例えば30坪程度の小さな家でも家全体を広く隅々まで使うことができます。高性能住宅(Q値1.35以下、C値1以下)では、吹抜けのような大きな空間を造っても寒くないので、小さな家と吹抜けをセットで考えることで、小さな家でも広く感じることができます。

家族人数が多いのは子供が学生時代まで。子供部屋を頻繁に使うのは中学から高校卒業までと考えると6年程度、大学まで入れても10年くらい。だから思い切って子供部屋を小さくするなど、新築時に家を小さくして、なるべく上質な建材を使って質を高めておいたほうが、メンテナンス費用も安く、後々の負担も少なくなります。小さな家のほうが、冷暖房のコストも安い。

ですから新築時に必要最小限の小さな家を提案しています。次は小さな家を造る時に、広がりのある空間にするコツを教えます。

 

小さな家を広がりのある空間にする具体的方法をご紹介します

1. 天井と壁を同じ材料とすることで広く感じる

 

壁と天井の素材を統一している

天井と壁を同一仕上げ材として、廻り縁を設置しないことで余計なラインを見せず、かつ白色にすることで広く感じる。※廻り縁(まわりぶち)とは、壁の1番上の天井との境目に付いた木材

2. 小さな家は吹抜けとセットで考える

 

壁吹抜けの引戸を開けると吹抜けと繋がる。

小さな家を広がりのある空間にするには、建物内部の広がりを意識する。小さな家でも「吹抜け」を造ると広く感じる理由は、吹抜けを造って空間を縦に伸ばし1階の床から2階の天井までが見える状態を作ると、視線が遠くに行くので広がりを感じるからである。

また広くするだけでなく、空間に落着きを与える為に、適切な場所にバランス良く壁を設けることも重要です。

断熱性と気密性が悪い住宅で吹抜けを造ると、寒く不快となり経済性も損なう為、ここでも数値確認された高断熱高気密が重要となります。

Q1住宅(キューワン住宅)クラスの断熱性があると、少ない光熱費で温度差の少ない吹抜け空間が造れるので快適である。

3. リビング階段とする

 

リビング内階段
リビング内階段

リビング内に階段を設けると、「LDK→階段→2階」と空間が繋がるので、小さな家でも広がりを感じます。リビング階段は吹抜けと一緒で広い空間になるので、Q1住宅(キューワン住宅)クラスの断熱性があると、少ない光熱費で温度差の少ないリビング階段空間が造れるので快適である。

断熱性と気密性の低い家で吹抜けを設けリビング階段にした場合、寒い家となり電気代が掛かりすぎるので、やめたほうが良いだろう。

4. 回遊できる動線をつくる

 

回遊式動線
回遊式動線

行き止まりのない動線は広がりを感じる。その場所にいろいろな行き方ができるのは楽しい。しかし、動線ばかりでは建物が大きくなり、収納の確保も難しくなるので注意が必要である。

5. 小さな家では収納計画が重要

 

造り付け収納
造り付け収納

小さな家でモノが散らかっていると狭く感じてしまうので、小さな家では、モノが散らからないようにする収納計画が重要である。大工工事で家具を作った例。箱を大工が造り、建具職人が扉を入れて収納とした。目立たないように、壁と同色の白い収納としている。

6. 小さな家のダイニングテーブルは丸テーブルが便利

 

置き家具
置き家具

ダイニングテーブルや椅子などの置き家具は、毎日使い体に触れるものなので、その良し悪しが生活の豊かさを大きく左右します。小さな家でテーブルを選ぶ時は円形のものをオススメしています。

円形テーブルは狭いスペースでも多くの人が座れて、周囲を廻れる動線ができるから小さい家に合っています。

私の造る家にはシンプルで機能的な北欧家具等が合うと思い、県内の家具屋さんも紹介しています。安くてすぐに壊れる家具よりも、高価でも良い家具を買って、修理しながら長く使ったほうがお得です。

その場所に固定しない置き家具は、移動して使える為、小さな家の大きな味方です。

7. 幅の広いフローリングを使う

 

幅広フローリング
幅広フローリング

幅広のフローリングを使うと、部屋が広く感じます。

8. 小さな家では2階リビングで勾配天井とすると広がりを感じる

 

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2階リビング勾配天井

2階リビングのメリットは、リビングを勾配天井とすると、容積が大きくなり広がりを感じること。街中の狭小地での2階リビングは、採光や通風も有利になる場合が多いです。2階リビングのデメリットは、足腰が弱くなった時に2階に上がるのが辛くなること。水廻りも2階に設置する為、寝室となる1階での水の音に対する防音は考えておかなければなりません。

敷地や住まい手の状況もありますが、延床30坪以下の小さな家なら2階リビングのメリットは多いと思います。