SI-house(宇都宮市).

立面図

立面図。長い屋根であることが分かる。

 

どのようなモノにも「オモテ」と「ウラ」があり、物事の本質や大切な部分は、目に見える表層でなく、完成すると隠れてしまう「ウラ」にあることが多いです。建築現場での苦労話も、「オモテ」でなく「ウラ」の施工にあることが多いです。お話しします。

 

住宅建築での「オモテ」と「ウラ」

住宅建築での「オモテ」が、見える室内の床や壁やドア、外壁等の「仕上げ部分」とすると、「ウラ」は「オモテ」の材料に覆われて工事中しか見ることが出来ない、構造部分、断熱材、気密部材、防水対策等の「下地部分」です。

 

SI-houseは、お盆明けから「オモテ」の窓枠やドア枠等、仕上げ工事が始まります。仕上げ工事が始まる前に、完成すると隠れてしまう「ウラ」の施工を、何回かに分けてブログで整理しておきます。

 

今回は屋根とその下地の話です。街中の狭小敷地で、15mの長いガルバリウム鋼板の屋根材を搬入して施工しました。

 

屋根の形をシンプルにすると美しく漏水も少ない。そのためには複雑な間取りにしないことが大切
野地合板

屋根の野地合板を水下から見る。人が小さく見え、長い屋根であることがわかる。シンプルな屋根形状。

 

予定通り7月7日に上棟。上棟した後は、屋根下地を素早く仕上げ、雨をなるべく室内に入れないようにする。素早く屋根下地の合板を貼り、合板の上にアスファルトルーフィング(防水シート)を敷く。

ゴムアスファルトルーフィング

ゴムアスファルトルーフィング完了。しかし・・・

 

屋根は、このゴムアスファルトルーフィングとガルバリウム鋼板屋根材で防水している。なるべく屋根の形は単純になることを心がけでいる。シンプルな形の屋根でスカイラインを切り取ったほうが美しい。

 

また複雑な形の屋根にしたくないのは、漏水の可能性が高くなるからだ。複雑な間取りは、複雑な形の屋根になることが多く、漏水の危険が増えるという当たり前のこと。ゴムアスファルトルーフィングの重ね厚さは、上下100mm、左右200mm、棟の重ねは200㎜以上必要で、それをチェックする。シンプルな屋根はチェック項目も少ない。複雑な屋根は、キチンとアスファルトルーフィングが機能しているか?を確認するのも大変である。

 

トップライト廻りは、アスファルトルーフィングを施工してもブルーシート養生が必要
ブルーシート屋根養生

水上より屋根を見る。ゴムアスファルトルーフィングの上からブルーシートを敷いた。

 

この住宅は、南北に4階建てのビルが建ち、採光が良くないので、トップライトを設けている。狭小敷地にトップライトは必須アイテムである。

 

アスファルトルーフィングを敷けば、屋根の板金工事をしなくても、漏水しないと思われがちだが、今回のようにトップライトが付く場合は、アスファルトルーフィングを敷いた後でも強い雨が降ると、トップライト廻りから多少漏水するのを初めて知り、ブルーシートを敷いた。普通の雨なら、トップライト廻りもルーフィングだけでも雨は漏らないが、強い雨だとほんの少し漏水する。

 

当社の場合は、大工が屋根の合板を貼った後で、板金業者がアスファルトルーフィングを敷きに来て、屋根の採寸をして屋根材を注文するので、採寸してから屋根を葺きはじめるのに、最短で5日程度かかるから、トップライトが付く場合は、アスファルトルーフィングだけでなく、ブルーシートも必要だと思われる。

 

また、破風板からブルーシートを垂らして壁面から室内に雨が入らないようにすることも必須。作業中は、暗く風通しも悪いのでブルーシートを捲りあげておき、雨が降りそうな場合や作業後はブルーシートを下しておく。

 

板金屋根(金属屋根)の葺き方は、大きく分けて縦葺きと横葺きの2つ
ガルバリウム鋼板屋根施工中

屋根を葺き始まったところ。真夏の屋根の上は灼熱。手前に水筒が見える。

 

SI-houseの屋根の葺き方は、「立平(たてひら)葺き」。板金屋根(金属屋根)の葺き方は、大きく分けて2つ、縦葺きと横葺きです。「立平(たてひら)葺き」は縦葺きの1種。

 

縦葺きは、水の流れる方向と同じ方向に、長い屋根材を並べ葺く工法で、横葺きは屋根材を水下である軒先から棟へと、水の流れと逆に葺きあげてゆく工法です。

 

ガルバリウム鋼板屋根

シンプルな屋根が葺きあがった

 

立平(たてひら)葺き」の意匠上の特徴は、ラインが少なくスッキリと見えること。当社では、この「立平(たてひら)葺き」と横葺きの「AT式」を建物の意匠に合わせて選択しています。

 

狭小敷地での長い屋根材の搬入作業は大変だった!
長尺屋根搬入

荷台の3人が持っているのが屋根材。メッチャ長いのが分かる。1時間弱で作業完了。

 

約15mの長い屋根です。「立平(たてひら)葺き」は、長く大きな屋根の形をできるだけシンプルに見せるために選択した。このことが大変なことに・・・。

 

街中で搬入トラックが駐車できるスペースが無いため、交通量の多い昼間の搬入は、車や歩行者の妨げになるので無理。朝5時に、職人3人、運転手含めて屋根材業者2人、私の計5人で搬入しました。前日までに、影響しそうな近隣4軒には朝5時から作業させて頂くことを挨拶済。前日の夕方に板金業者が現場に来て、搬入場所となる足場を解体しました。

 

●私「いつもは8時から作業させて頂いてますけど、明日だけ5時から作業させてください。搬入物があって、少しだけ車の音が出ます」

 

■近隣「いいですよ。ご苦労様」と快諾して頂き、

 

●私「ありがとうございます!ぺこり。ホッ~」

 

これも私の事務所と同じ町内の現場だから出来たことかもしれません。知らない土地だと、朝5時からの作業を理解してもらえるか、分からん。

 

狭小敷地での長い屋根の場合は、苦労した甲斐があり、シンプルで美しい屋根が葺きあがりました。いろんな意味で、ハラハラしながらの作業。今後は、同じような屋根なら、短い屋根材で済む「AT式」が良いと思いました(汗)。

 

とはいっても、今、施工中の外壁のガルパウリウム鋼板も、特注の長尺物使って貼っています。縦貼りなのですが、この長尺物も狭小敷地だと取り回しが大変です。しかし、1階と2階に横のラインが入らないほうが綺麗ですからね。

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