SI-house(宇都宮市), 建築いろいろ.

狭小敷地の「建て方」は普通のクレーンでは無理

木造住宅の建築現場で、クレーンを使って柱や梁等の構造材を組む作業を、建て方(たてかた)と言います。ちなみに、上棟(じょうとう)というのは、建て方で一番上の棟木(むなぎ)が取り付けられた状態を言います。

 

宇都宮市は敷地が広めなので、今までは普通のクレーンを使って建て方が出来ていたのですが、今回初めて、普通のクレーンでは建て方が出来ないということを経験しました。特殊な小型クレーンと上棟システムを使ったのでブログを書きます。

 

東京や埼玉の住宅密集地では、敷地が狭くて普通のクレーンが入らないことは当たり前かもしれませんが、広い敷地の多い宇都宮では珍しいケースです。

 

昨日のブログ「狭小敷地に家を建てる場合は、特有の計画や施工方法があるという話」にも書きましたが、敷地が広めでも、建物が敷地一杯に建てば、狭小敷地と同じ状態になりますから、普通の家と同じように家は建ちません。今回敷地は約47坪ありますが、建物が敷地一杯に建つので狭小敷地と同じ状況になっています。

 

普通の建て方作業はこんな感じ
建て方クレーン

木造住宅の「建て方」で使う普通のクレーンはこれ。クレーンは大きく、アームは斜めにしか伸びない。

 

普通の木造住宅の「建て方」に使うクレーンはこんな感じです。宇都宮市では、普通の木造住宅の建て方は、大工3~4人とクレーンのオペレーターさん1名の合計4~5名が来て行うのが普通です。普通のクレーンでは、クレーンのオペレーター(運転手)はクレーンに乗ったまま、クレーンの操作しかしないのが普通。このようなクレーンは見たことがあると思います。これが普通のクレーン、大きいです。

 

特殊な小型クレーンはこんな感じ、3tトラックの荷台に乗ったポターンクレーン
ポターンクレーン

トラックの荷台に一体化されたポターンクレーン。おフランス製。

 

クレーンのオペレーターがクレーンに乗らずに現場作業も出来て効率的

しかし今回は、敷地の間口が狭く建物の奥行が15M以上と長く、普通のクレーンでは、一番奥まで届かなかったので、こんなタイプのクレーンを使いました。3tトラックの荷台に付いた不思議な小型クレーン。ポターンクレーンと言います。この特殊なクレーンを持っているのは、宇都宮市近辺では、東京ビケ足場さんしかないようです。

 

ポターンクレーンはフランス製で、ビケ足場さんのオリジナル車両です。小さなリモコンでクレーン操作ができるので、車には乗らずに建て方作業をしながら、作業できます。これも少人数で建て方が出来る凄いポイント!クレーンオペレーターが現場での木材組み立ても行いますから、普通の建て方に比べて、オペレーター1名分少ない人数で作業してました。

 

特殊な小型クレーンを持っている東京ビケ足場の「上棟システム」を採用
上棟システムクレーン作業

クレーンのアームが垂直に13M伸びて、かつ水平にも13M伸びる。電動クレーンなので音も静か。

 

3tトラックの荷台にポターンクレーンと呼ばれる特殊なクレーンが付いており、高さ13M、半径13Mまで施工できる優れもの。上の写真を見ると、クレーンのアームが隣の4階建てのビルと同じくらいの高さまで垂直に伸び、かつ水平にも伸びているのが分かります。アームは折りたたむとコンパクトですが、メチャメチャ伸びます。トラックのアウトリガーを出しても、幅4Mで納まりますから、敷地内に3tトラックが停められる空きスペースがあれば、普通は建て方作業が出来ます。。

 

東京ビケ足場さんは、 「上棟システム」という「足場設置+建て方の両方を行う」システムを持っています。足場に設置するクレーンも持っており、今回のトラック一体型のポターンクレーンが設置出来ない場合の狭小敷地の建て方のノウハウも持っていますから、狭い敷地の方は、諦めずに相談してみると良いでしょう。東京の狭小地等では、車両が全く入れない敷地での建て方も行っているようです。

 

一般的に、建て方は大工(鳶が参加することも)が行っていますが、このシステムは足場屋さんが建て方を行うのです。

 

自分達で足場を掛け、構造材の荷受けのステージを設置し、上棟までやってもらいます。ビケ足場の作業員さん3人(2日目は2人)に、大工の棟梁が1人で作業を行いました。

 

上棟システム上棟

足場屋さんが行う上棟システムで上棟した。

 

大型のクレーンも必要なく、電気式の小型のクレーンで作業するので騒音も小さく、狭小敷地の家造りにはピッタリです。足場1日、建て方2日の合計3日で上棟まで完了しましたから、普通の建て方と日程は同じです。足場にステージを組んで2日に分けて構造材を搬入して建て方作業を行います。簡単にステージを組み替えられる「特殊な足場部材」もシンプルで凄いと思いました。ステージの形を頻繁に変えて、狭い敷地(今回は建物内部にステージを組んだ)を有効に使います。

 

また、東京ビケ足場の作業員さんは、20~30歳台と若くパワーがあります。大工さんは高齢化が進んでいますから、高所作業でかつ重い合板等を持たなければならない建て方作業は、足場とセットで若い人が作業する足場屋さんに依頼するのが主流になっていく気がします。

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