SI-house(宇都宮市), 建築いろいろ.

SI-house土台

ダブル断熱で土台を2重に敷くので基礎幅も厚くした。

 

ちなみに、ここでいう「躯体精度が上がった」とは、「建物の床が水平で壁が垂直に建っている」ということです。

 

「えっ!? 建物が垂直に建っているのは当たり前でしょ!?」

 

「いやいや、セルフレべリング材とプレカットの普及前は、建物を簡単に水平・垂直にするのは難しかったのです」

 

30~40年くらい前の木造住宅の床を貼り換えたりするリフォームすると、建物を水平、垂直にするのが、難しかったかが分かります。既存の床を剥がしてみると、土台の下に「高さを調整する木のパッキン」を挟んで、なんとか土台の水平を確保しているお宅もあります。

 

今は、材料と技術の進歩で、誰でも建物の精度を上げることができるようになりました。

 

まずは、セルフレべリング材について見てみましょう。

 

基礎天端が水平だと建物は真っ直ぐ建つ

昨日、SI-houseの土台敷きをやりました。上記写真の基礎天端の誤差は、建物全体で1~2㎜程度と非常に良いものでした。基礎天端とは、土台(木材)が載っているコンクリートのことを言います。この土台に柱が立ちますから、基礎天端が水平だと土台も水平になり、柱が垂直に建つので、建物の水平と垂直が確保できるのです。

 

基礎天端の水平を簡単に確保できるようになったのは、セルフレべリング材という材料の普及です。セルフレべリング材が普及する前は、建物の水平、垂直を出すのが難しかったのです。SI-houseもセルフレべリング材を使っています。そうでなければ、基礎天端の誤差1~2㎜なんて無理。

 

セルフレべリング材が普及する前は、基礎型枠を外した後で、もう一度木製の型枠を造り、基礎天端に15~20㎜モルタルを塗って仕上げていました。ただし、これは人力なので、セルフレべリング材に比べると施工精度にバラつきがあったと思います。

 

セルフレべリング材によって基礎天端を平らにできるようになった
セルフレべリング材

出典

セルフレベリング材とは、文字通り自然に平らになる材料。セメント系の自然流動材です。凸凹したコンクリート床面や、べた基礎・布基礎の天端に厚さ5~10㎜程度を流して、平たん、平滑な面を「コテ押えなし」「流し入れるだけ」で仕上げる材料。レベラーとも呼ばれています。

 

セルフレべリング材は、セメント袋のようなモノに入っています。上の写真のように、それを水で溶いて、型枠のある段階で流し込みます。

 

基礎立ち上がり高さは、通常、所定の高さより5~10㎜程度低くして、一旦コンクリートを打設します。再び基礎屋が、5~10㎜の厚さでセルフレべリング材を流し入れて、基礎天端を水平に仕上げます。誰が施工しても、一定の精度が出るのが良い点です。

 

基礎天端が水平に仕上がる材料が分かったら、次はプレカットを見てみましょう。

 

構造材をプレカットすることで、木造住宅の躯体精度が上がった
プレカット

 

プレカットとは、木造住宅を建てる際に必要な構造材(土台・柱・梁等)を、現場で組みやすいサイズや形にあらかじめ工場で加工しておくことです。構造材を専用工場で機械加工してトラックで搬入した構造材を現場で組んで上棟できるので、大幅な工期の短縮・建築費の削減につながります。 また機械加工による高精度の継ぎ手・仕口加工により安定した軸組が組めます。

 

プレカット普及率出典

 

プレカット以前は、大工さんが自分の作業小屋で構造材を手加工して仕上げたものを現場に運んでいました。大きな違いは、コンピューター制御された機械加工と大工の手加工の差です。プレカットは、1990年頃より普及したと言われています。上記のプレカット普及率を見ると、2016年では、ほぼ100%プレカットなのではないでしょうか?

 

現在では、構造材だけではなく、羽柄材(はがらざい)と呼ばれる、屋根垂木、間柱、筋違い、床合板等もプレカットすることが普通になりました。工場で加工済なので、作業スペースの少ない街中の狭小地でも作業効率を下げずに家を造ることが出来ます。プレカットは、大工に構造材を手加工させるより値段が安く、相対的に精度も高く、間違いも少ない。木造住宅はプレカットを主体として、プレカットで加工することが難しい曲り梁等の部材は、大工が手加工するのが、一番効率的だと思います。

 

建築家が手刻み信仰するのは、間違った場合のご自身のコスト負担が無いから

住宅系建築家の中には、プレカット工法に比べて、大工の手加工が優れていると発言している方もいらっしゃるようですが、私は逆で、プレカットのほうが相対的に優れていると思います。現代の建物は複雑になっているので、大工が手刻みして間違わない可能性のほうが低いと思います。 また現在のプレカットは継手や仕口がユルユルなどということは無く、しっかりと納まります。

 

住宅系建築家の方は、大工が間違った場合でも、ご自身がコスト負担をすることがないので、手刻みが良いという発言が出来るのではないかと思います。工務店のように、大工が間違ったら自身がコスト負担しなければならない立場になれば、考えは変わると思われます。コンピューター制御された機械でプレカットしたほうが、間違う可能性は断然低いです。

 

セルフレべリング材で水平が確保された基礎の上に、工場でプレカット加工された精度の高い構造材が組み上げられるようになったことが、木造住宅の躯体精度が上がった原因だという話でした。躯体精度が上がると、建物の水平と垂直がキッチリと確保出ますから、仕上げ工事の精度も上がることになります。

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