2016-05-17
リフォーム
建材・住宅設備・便利グッズ

ブレーカーを落ちないようにする分電盤リフォームのコツは、どの家電をどこで使うか考えておくこと

分電盤リフォーム

 

リフォームをする時に「電気の容量が少なくてブレーカーが落ちるからどうにかして」と言われることがあります。

 

リフォーム工事でコンセントの数を増やし、位置を工夫して使いやすくしても、家で使える電気容量が増えるわけではありません。コンセントを増やして、容量以上に電気を使うとブレーカーが落ちやすくなります。

 

先日書いたブログ、コンセントの仕様と位置で後悔しないためには、新築・リフォームの前に準備が必要でコンセントについて書きましたので、今日は電気ブレーカーが付いている「分電盤(ぶんでんばん)」の話です。

 

分電盤とは電気を安全に各部屋に分配する箱のこと
分電盤外部

分電盤とはこんな箱

 

分電盤は、一家に一台必ず設置されている薄いBOXです。通常は、プラスチックや鉄製で壁に付いています。分電盤の色は壁紙に多い白に合わせて、白やベージュが多いです。

 

設置場所として多いのは、洗面脱衣室、キッチン、LDK等。私が造る住宅では、住人がすぐに操作でき、なおかつ目立たない場所に設置するようにしています。

 

分電盤は安全に使用するために漏電遮断器(漏電ブレーカー)や配線用遮断器(安全ブレーカー)を1つにまとめてあります。電気を使いすぎた時や漏電した時は、安全のために自動的に切れるようになっています。

分電盤内部

分電盤の中はこんな感じ

分電盤出典

 

各住宅で使える電気容量は、電力会社との契約で決まっていて、家全体の電気容量が不足すると、一番おおもとの「アンペアブレーカー」が落ち、家全体が停電します。アンペアブレーカーとは、電力会社との契約された電力以上が流れると自動的に止める装置のことです。アンペアブレーカーが落ちる原因は、家全体の電気容量が不足していることです。

 

アンペアブレーカーを通った電気は、分電盤の中でいくつかの回路に分けられます。この回路には「小ブレーカー」と呼ばれるスイッチが何個も付いています。1つの回路内で電気を使いすぎると自動的に小ブレーカーが落ちます。小ブレーカーが落ちると、家の中の一部分だけ停電します。原因は、その回路内での電気容量不足であることが多いです。

 

お宅の契約アンペアの確認方法と適正な契約アンペアの選び方

 

キッチン家電を使うとブレーカーが落ちる場合

キッチンで朝、電子レンジ、電気ポットを使いながら、洗面所でドライヤーを使ったりして、分電盤のブレーカーが落ちたという経験はないでしょうか?現在の住まいでは、特に水廻りで消費電力の大きな家電を使うことが多くなっています。

 

キッチンでは、電子レンジ、電気ポット、電子ジャー、電子コンベック、トースター、食洗機等。洗面脱衣室ではヘアドライアーを使うことが多いです。ですから、これらを同時に使うと、分電盤の小ブレーカーが落ちたりします。

 

リフォーム時にブレーカーを落ちなくするには

リフォーム時にブレーカーを落ちなくするには、どんな家電をどこで使うか、設計時に住宅会社もしくは設計者と相談しておきましょう。

 

「どのような家電をどこで使うか?」「同時に使う家電はありそうか?」など、家族の毎日の生活を想定して、1つの回路に大きな消費電力の家電が集中しないように回路を分けて設定してもらうことが大切だと思います。

 

特に消費電力の大きな家電を使う水廻りの回路のブレーカーが落ちやすいです。

 

また、キッチンをガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換する場合、単相3線式と呼ばれる200V配線工事が必須となってきます。

 

キッチンを含むリフォームをする場合は、消費電力の大きな家電を多数つかうことになりますから、回路増設、コンセント追加となることが多いので、契約容量の変更と分電盤の交換をすることがあります。

 

エアコンや電子レンジなど、消費電力の多い器具は専用回路やコンセントが必要です。専用回路とは、その機器だけが専用に使う回路のことです。

 

全体の容量が足りない場合は、電気の契約容量を上げます。しかし、契約容量を上げると基本料金が上がりますから、いくらくらい上がるのか事前に確認が必要です。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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