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コレで辞めました

「コレでした!」と言うと、この禁煙パイポのCMが思い出されたので最初に写真を持ってきました。本文とは全く関係ありません。昭和40年代以前の生まれの人にはわかる。www

 

さて、本題!

これから新築される方で、知らない方にとってはショックかもしれませんが、国と不動産業界と金融業界の評価として、新築木造住宅は「20年で価値ゼロ」になっています。下の表の赤い囲いをご覧ください。

○耐用年数の設定については、木造住宅の場合、他に根拠がないため税法に基づく財務省令上の耐用年数である22年等を参考にせざるをえず、20~25年の経済的耐用年数が設定される。

○適確にリフォームが行われても、リフォームによる物件価値の向上を客観的に評価する基準・手法が確立されていないため、リフォームが市場価値の上昇を伴わないことが多い。

と書いてあります。これは国土交通省から出ている資料です。新築しても、耐用年数が22年と設定されて、リフォームしても世間から価値が認められないなら、新築する意味もリフォームする価値も無いじゃないか!?

 

中古住宅の建物評価の実態

中古住宅の建物評価の実態

 

しかし実際に20年建った住宅が住めないわけではありません。外装の塗装や住宅設備機器の交換等をすれば充分快適に暮らせます。下記の表をご覧ください。木造住宅の平均寿命は長いです。本当は「20年で価値ゼロ」にはなっていない住宅が、「20年で価値ゼロ」になってしまう理由は何なのか?

 

建物平均寿命建物の平均寿命について

 

それが分かりやすく書いてある記事、日経ビジネス2016年2月22日号「家の寿命は20年」を私なりに要約し、考えも入れてご紹介します。素晴らしい記事なので、これから家を新築、リフォームする方は必見です!

 

日経ビジネス 家の寿命は20年

 

ザックリ要約すると、「日本の家の寿命が20年と短命な理由」は、国と不動産業界と金融業界の3者にとって「新築住宅の寿命を20年とするのほう都合が良かったから」です。

 

「住宅は資産」。その思い込みをあっさりと覆すデータがある。1969年以降、500兆円を超える国民の住宅資産がひっそりと消えうせている。この国における、住宅とは単なる消費財にすぎないのが実情だ。新築購入直後から急速に価値が下落する独特の業界慣行が、住宅品質の価値を認めないいびつな中古マーケットを生んだ。人生最大の買い物を胸を張って「資産」と呼べるようになる日は来るのか。(日経ビジネス2016年2月22日号「家の寿命は20年」)

 

日本の住宅は「資産」でなく「消費財」なのか?

日本の木造住宅が「20年で価値ゼロ」というルールは、国と不動産業界と金融業界の3者のビジネスの前提条件としてガッチリ組み込まれている。日本の住宅は、「資産」ではなく「消費財」である。

 

日本の新築住宅が「20年で価値ゼロ」と見なされる根拠は定かではないが「財務省令で木造住宅の耐用年数を22年と定めている」いう説が有力、しかし市場価格と税制上の扱いは、本来何の関係もない。

 

一生の買い物として手に入れた住まいが、いつまにか無価値になっているという納得しがたい慣習が表面化しなかったのにはワケがある。高度経済成長に伴う地価上昇が住宅価格下落を覆い隠してきたのだ。しかし、人口減少が鮮明になる中で、もう地価上昇は期待できない。

 

日本の家が「20年で価値ゼロ」と見なされる理由。それは、新築を中心に家づくりしたほうが、国、不動産業界、金融業界の3者にとって都合が良かったからである。

 

国とって新築住宅が「20年で価値ゼロ」になるのは都合が良かった

国にとっては、新築住宅を消費財、かつ固定資産であるとしたほうが、消費税と固定資産税の2つの税金が取れるので非常に都合が良い。国にとっては、新築住宅を「20年で価値ゼロ」と見なし、20年で建て替えさせたほうが確実に税収をあげられたのだ。本文によると、アメリカとイギリスでは住宅に消費税はかからないそうである。

 

中古住宅流通では、基本的に消費税が発生しないし、土地の売買に消費税はかからない。

※中古住宅の多くは、一般個人が自宅を売却するものであるために、その売買価格には消費税がかからない。しかし、中古住宅の多くは不動産仲介業者の仲介(媒介)によって取引される。不動産仲介業者へ支払う仲介手数料は消費税が課税される。また不動産会社が売主となって中古住宅を売却しているケースも消費税がかかります。

 

記事の中で、新築住宅に消費税と固定資産税がかかるのはおかしいから、長期優良住宅に限って消費税を減免するという提案をある経営者がしている。しかし国に何度も陳情したが、ダメたったそうだ。

 

これが出来たら消費者にも良いし、建築業界にもありがたいことだし、日本の住宅は良い方向に変わるかもしれない。少なくとも、縦割り行政から来るアホな補助金申請の手間は無くなる。

 

新築住宅の消費税減免が出来ない理由は、住宅業界の裾野が広すぎて大幅税収減になってしまうからだろう。住宅会社にとっては、お客さんから消費税を頂かずに、建材購入費や下請け工事費の消費税を支払ったら赤字になってしまう。

 

これをやるなら住宅会社や下請業者、部材メーカー等が支払う消費税も、減免にしてもらわなければならないから裾野が広すぎて税収減になる。これが陳情したが、ダメな理由なのかもしれない。詳しい人がいたら教えてください。

 

一部の不動産業者と建築業者にとっては中古住宅の価値を認めないほうが良い

不動産業者にとっては中古住宅の価値を認めないほうが良い。中古住宅の価値を認めてしまうと、中古住宅の流通が高まり、新築住宅の減少に繋がるからだ。

 

後述するが、今まで書いてきたような、国と不動産業界と金融業界という3者の新築偏重によって、中古住宅流通という流れにならないのだ。

 

中古住宅市場の活性化が期待される中、2015年9月に不動産協会が出した税制改正要望の第1項目は、「新築住宅に係わる固定資産税の軽減特例の延長」だから、今後も新築だのみだ。

 

金融業界にとっては、新築住宅ローンを扱えるのは美味しい

家を売っても借金が残るため、住み替えられない。そんな一翼をになうのが金融機関だろう。

 

ある地銀の中堅幹部は、「まだ使い続けられる建物に価値があるという議論はわかる。だが、市場が認めない価値を銀行が認めて融資するわけにいかない」と説明する。

 

現在の住宅ローンは、取りっぱぐれの無い美味しい商品である。

 

金融業界にとっては、新築住宅ローンを扱えるのは、額が大きく美味しいので中古住宅流通にしたくない。

 

税収減を恐れる国、新築着工戸数減少を少しでも先送りしたい不動産・建築業界。消費者に余分な負担を強いていることを認識しながら、その状況を放置する金融機関。

 

魅力的な中古住宅にするにはどうしたら良いか?

今まで書いたようなしくみだと、新築した住宅をリフォームして暮らしやすい家にしたり、メンテナンスしたりしても、資産価値が高まるわけではない。となれば、住み続けていくために、最低限の修繕にとどめる。その結果、住宅の魅力はますますなくなり、売却できないまま、家主が死亡し、買い手の無い空家になる。

 

リフォーム、リノベーションの時代だと毎年のように建築業界誌は謳っているが、額の大きなリフォーム、リノベーションが少なく、新築頼みになってしまう理由は今まで書いてきた3者の作ったルールにある。

 

このまま新築偏重が続けば、日本に空家があふれかえる。というか、もう空家だらけになっている。唯一の解決策は、中古住宅の資産価値を引き上げ、住み替えやすい環境を作ることだ。

 

当社に限って言えば、中古住宅を購入して、1000万円以上の大規模リフォーム(リノベーションとも言う)を行ったお施主さんのリフォーム、リノベーション内容は、例外なく自然素材を使い、造作家具と造作建具にして、断熱改修である。

 

住宅雑誌等を見ていても、同じ傾向だ。だから新築時から、長期優良住宅の耐震性と断熱性にすることは勿論、自然素材+造作家具+造作建具にしたほうが、中古住宅として売りに出した時に買い手が付く可能性は高いと思われる。

 

日経ビジネスは購読していないのですが、良記事だというので送ってくれた方がいまして、ブログが書けました。

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