建築いろいろ, .

どや建築という病

 

面白いだろうと期待して読みましたが、予想以上に面白かったのでブログを書きます

【光文社新書】非常識な建築業界「どや建築」という病。を読みました。新国立競技場問題の本質と背景をしりたい人、これから住宅を新築・リフォーム予定の人、建築学生、この3者は必見です。

 

内容をザックリ書くと、現在・過去・未来の建築及び建築業界の真実を、具体例を読みながら、分かりやすく理解できる本です。こう書くと、普通の建築本のように感じてしまいますが、違います!

 

ネットで情報が無料で手に入る現在。誰でも知っている羊ちゃんのような情報はうざいだけ。知りたいのは、皆が知らない刺激的なオオカミのような情報です!

 

この本には、建築業界人が会合の後の飲み会で話すような、具体的で刺激的なオオカミ情報が素人にも分かりやすい文章で載っています。ですから、お勧めいたします。

 

自分の勧めた本が面白くなかったら自分の信頼まで無くすけど、この本は面白いから大丈夫です。

 

これから家を新築・リフォームする人には、特にP140あたりをご覧ください。【非常識な建築家】オリジナルでなければ建築でない?!を是非読んでもらいたいです。

 

あとがきを含めて245ページですが、見せ場の連続でフィニッシュします。特に印象的だった文章を抜き出して感想としたいと思います。

 

著者は、新国立競技場問題で、TBSお昼の「ひるおび」に解説者として出ていた建築エコノミストの森山高至さん。テレビの解説はとても分かりやすかったのですが、本はそれ以上に明快でした。

 

非常識な建築業界「どや建築」という病を読んだほうが良い人7選

 

  1. 新国立競技場問題の本質と背景を知りたい人。
  2. 東京オリンピックの時に、新国立競技場問題について、偉そうに息子に語りたいお父さん
  3. これから住宅を新築・リフォーム予定の人。
  4. 建築学生。この本を読むと進路が変わるかもしれません。
  5. 建築家。自称建築家を含む。
  6. 公共建築物を造る時の自治体の担当者。
  7. 横浜傾斜マンション事件の本質と背景を知りたい人。

 

 

非常識な建築業界「どや建築」という病で印象的だった文章5選

刺激的な文章が並びます。前後の文章も是非読んでください。

 

  1. コンペの審査員が考える「良い案」、それは「選んだ自分自身が同業者から評価される案」です。P50

 

  1. 「新しくオリジナリティあるものを」という価値観を好んでけしかけたのは、建築学科の教授たちより、こうした非常勤講師たちでした。彼らは、建築の形態にしろ、空間構成にしろ、二言目には、「オリジナリティを大切に」と口にしたのです。P130

 

  1. 物理的に(建物の)出っ張りをなくすような処理は、すればするほど建物に性能上のリスクを負わせてしまう。P141

 

  1. うがった見方をすれば、建築家たちは業界内の評価だけで仕事を廻していきたいという本音が露見しないよう、一般大衆から自分達が評価されるしくみをつくられないよう、長い時間をかけて周到に予防線を張ってきたとも言えます。P153

 

  1. 元請けのゼネコンがオモテに出てこない。建物の施工プロセス全体を差配したはずの建設会社が沈黙を守り続け、二次下請けである旭化成建材のみが記者会見を開き、謝罪と説明を繰り返した。この奇怪な「逆転現象」は、現在の建築業界、なかでも、施工の現場で起きている諸問題を世間一般に向けて浮き彫りにしたという点で、実に象徴的な出来事と言えます。大仰にいえば「歴史的な会見」でした。P164

 

日本が経済発展しなくなり余裕が無くなったことで、無駄なことができなくなりました。その上ネット、主にSNSの普及で、今まで表に出なかった情報が出廻るようになっています。

 

実を言うと、私「どや建築」の近くに居ました

 

ちなみに、森山さん命名の「どや建築」とは、建築家が過剰に自己表現しすぎてしまった「どや顔をした建築」のこと。

 

なんで、この本に過剰反応したかと考えると、私自身が「どや建築」の近くに居たからでした。

 

建築業界に入ったキッカケは大学時代のバイトです。文系大学の3~4年時に、建築専門の広告代理店でバイトしていました。その会社は建築雑誌「新建築」の広告の総合窓口でした。

 

「新建築」は、「どや建築」も掲載されている日本の最先端の建築雑誌です。(もちろん、どや建築以外も多数掲載されており、むしろ、どや建築は少なかったです。って何で私が言い訳せにゃいけんの。笑)

 

その後、バイト先で「建築」に大いに影響を受けた私は、建築家が設計した住宅を多数施工していた佐藤秀工務店に現場監督として入社します。施工に携わった住宅で「どや建築」は無かったですが、個性的な住宅ばかりであったことは確かです。

 

最後にまとめとなりますが、素人相手に、分かりやすく建築という専門分野を伝えるには、非常に参考になる本です。分かりやすい文章って、こう書くのかと思いました。

 

ですから、建築ブログを書いている工務店社長や設計事務所のボスも必見です。この本を読んで文章を勉強し、時には無意識のうちにセンテンスパクリングし、笑。分かりやすいブログを書きたいと思います。

 

【光文社新書】非常識な建築業界「どや建築」という病が、あまりにも単刀直入だったので、興奮しながら読み、読書感想文を書きました。

 

  1. 森山高至

    お詠みいただき、なおかつ素晴らしいご感想いただきまして感謝感激です。
    なおかつネタバレしないようにしながらも、重要なポイントを抑えてのご紹介いただきましてありがとうございます。

    返信
    • yoshidacraft

      こちらこそ、著者ご本人にコメント頂き、感激です。
      良い本なので、売れれば建築業界自体も良くなり、私の仕事も良くなると思い、ブログを書きました。

      返信
    • yoshidacraft

      ありがとうございます。って私には印税入ってきませんが。笑。
      読んで面白かったら、廻りの方にもすすめてください。

      返信
  2. shigen

    建築専門の広告代理店、湯島天神にほど近い所にあった広告代理店でしょうか? そこでしたら、私も大学時代バイトしていたことがあります。コンペの手伝いや建築家の講演会の現場手伝いをした事があり、いろんな裏側を見たせいか、その後の進路は、ゼネコンや設計事務所を避け大手ディスプレイ会社に就職しました。森山さんの新書購入したいと思います

    返信
    • yoshidacraft

      shigenさん、初めまして。そうです。建築専門の広告代理店、湯島天神にほど近い所にある広告代理店です。「近い所にあった」と過去形だったので、ネット検索したら、湯島のままで移転していません。
      この広告代理店でバイトしたことにより、進路が、私とは真逆になりましたね。面白い!私は、文系大学を出て、建築業界へ。多分shigenさんは、建築系の大学を出て大手ディスプレイ会社へ。
      森山さんの本は、建築業界、建築家、施工会社を的確に批評していて面白かったです。特に今まで、建築家を的確に分かりやすく批評した本は、私の知る限り無かったです。
      よかったらfacebookで友達申請してください。よろしくお願いします。

      返信
  3. shigen

    yoshidacraft さん 建◯社 湯島のままなのですね 新建築社が移転したのでついていったのかと思いました 当時はA+Uの編集部が同じビルに入っていたと思います facebookで友達申請致します 宜しくお願いします

    返信
  4. archi.stu

    はじめまして。

    結局のところ、あなたは「どや建築」がなんなのかわかったのですか?

    ブログを読んでいてもそれがまったく見えてこないのですが

    返信
    • yoshidacraft

      こんにちは。コメントありがとうございます。
      「どや建築という病」読みましたか?
      どういう建築が「どや建築の」なのか、本に書いてありますよ。
      「どや顔」をした威圧的で使いにくい建築だそうです。
      「どや建築」も「表現建築家」も著者の森山さんの造語だけど、すごく分かり易いと思いました。

      返信

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