リフォーム.

リノベーションジャーナル1~2号

 

リノベーションジャーナルという雑誌は、主に住宅のプロの向け雑誌ですが、リフォーム、リノベーションをしたいと考えている一般消費者が読んでも、とても面白く勉強になる雑誌だと思いますのでご紹介します。リノベーションジャーナルの巻頭言が刺さります。

 

まず、リノベーションの定義、成り立ち、現況、造り手と住まい手の関係について、これだけ的確に、かつ「エグく」まとめられた文章は、見たことがありません。

 

どこが「エグイ」のかと言うと、住まい手(施主)と造り手(業者)の心裏にまで踏み込んで書いているところ。

 

リノベーションに傾斜するきっかけは、多くの場合「お金がない」という困難な現実だ。

 

と「お金」の件をハッキリ言い切っています。普通に本屋で売られている雑誌は、デザイン面のみ取り上げ、「リノベーションは味がある」くらいしか書きません。

 

世間でリノベーションと言われることをしている人たちは、空間の個性化をウリにする設計事務所や一部の住宅会社、リフォーム会社だ。

要は「作品」にこだわる人たちで、仕事の成果物に自己投影する人たちだ。

 

コレも、分かるわぁ~と思います。

 

今回は1号と2号の巻頭言についての読書感想文。ボリュームありすぎなので、各号の巻頭言を読んで、気になった文章にコメントを入れながら、何回かに分けてブログ書きます。巻頭言は編集長の大菅力さんが書いています。

 

リノベーションはノアの箱舟となるか  リノベーションジャーナルvol.1 P9

 

リノベーションという言葉が使われ出したのは2006年くらいのことである。

「リフォームとは趣旨の異なる改装行為」

当事者からは言外にそういう主張を感じたが、それが具体的に何なのかは定まっていなかった。

 

リノベーションという言葉は10年も前から使われているわりに、一般に浸透していない。リフォームという言葉があるからリノベーションは浸透しないのだ。水廻り機器の交換工事は、リフォームと言い、リノベーションとは言わない。劣化すると簡単なリフォームは、おこなわざるを得ないが、新築に近い大規模リフォームであるリノベーションは、新築並みの決意が無いと行えない。当然、リノベーションという言葉も、造り手側の都合で発信され始めた言葉である。

 

日本における最大の消費ゲームの対象は持ち家である。

リノベーションは、住宅取得の方法論のムーブメントではない。

アンチ消費という生き方のムーブメントなのである。

「一億総持ち家政策」を前提とした産業構造のこの国では、それがたまたま住宅という分野に色濃く出たということなのだ。

では、消費に背を向けた彼らは、生活する上での刺激を何に求めるのか。答えは簡単だ。生産である。

 

単純化して言えば、「買う」から「つくる」への転換である。

そうした考え方で住居を得ようとしたとき、「すでにあるもの」ほベースに考えるのは必然である。

 

上記の「買う」から「つくる」への転換は、もっと分かりやすくいうと、「既製品の建材で造られた物を買う」から「造作でオリジナルな部材をつくる」になるだろう。

 

WEB上にリノベーション事例は多々紹介されているが、既製品建材、新建材を使ったハウスメーカー的な事例は、大規模工事を行っても、リノベーションとは紹介されていません。

 

当事者であるハウスメーカーはリノベーション・リフォームと言っていますが、新建材、既製品建材が多く、造作部材、自然素材を使ったリノベーションよりも見劣りがする印象です。自然素材や造作部材は品質が安定しないことがあるのでクレームになりやすく、施工棟数の多いハウスメーカーや大手ビルダーは管理するのが大変なので、自然素材や造作部材とは相性が良くないと思われる。

 

一般的に、リノベーションとは、経年美化して風合いを増すような無垢素材や空間に調和するオリジナルな造作部材を使った工事を指すようです。

 

貧乏は正しい━「リノベーション業界」は形成されるのか  リノベーションジャーナルvol.2 P8

 

リノベーションとは、乱暴に言うとあえて中古+改修を選択するということだ。

「あえて」というエンドユーザーの意思こそが住宅のあり方や住宅産業を変える可能性をもったマグマである。

能動的に振る舞うことは、自意識の高い現代人にとって最も価値が高いことだ。

そして、中古+改修という選択により、高い費用対効果を得ることは、知性の証明である。

つまり、「あえて」の底流にあるのは、「お金はないが個性的でスマート」という自己主張なのだ。

 

言うまでもなく、リノベーションに傾斜するきっかけは、多くの場合「お金がない」という困難な現実だ。

その現実を突破するためにまず改修という「手段」が発見された。

そこから「能動性」という新しい価値観が抽出され、リノベーションという「手法」へと進化したともいえる。

お金がなければないほど現実の困難さは増し、より高い能動性が求められるので、リノベーションを軸にした住宅の変革は進む。

そういう意味で「貧乏は正しい」のだ。

 

リノベーション工事の実態を、手造り感のある造作部材(例えば造作建具やオリジナル家具)で構成された室内外だとすると、それを新築で表現するには多大なお金が掛かる。一番安くできるのは、既製品の建材を使った普通の家なのだ。普通の家にするのが一番安い。だから、ローコストビルダーはそうするし、新興団地はそのような家が多い。しかし、ハウスメーカーで建てられた坪単価100万円超えの新築の家も、既製品の新建材であることが多いのは不思議である。

 

リノベーションは、既存空間(壁、床、天井)を利用して造られることが多いので、その分、安くできることが多いし、既存の寸法には、既製品では納まらないことも多い。かつ、味のある既存空間と新しい既製品の建材は見た目の相性が悪いので、造作部材にすると違和感なくスッキリと納まることが多いのだ。

そんじゃーね。

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