映画.

冷たい熱帯魚

出典

正月アマゾンプライムで、「冷たい熱帯魚」を見ました。ワタクシ、普段は「ヤバい」などという言葉を使いませんか、この映画を一言で表現すると「ヤバい」です。「恐怖」と「滑稽さ」(緊張と緩和)が上手く映像化されると、人間は魅力を感じてしまうのです。非常に刺激的な映画で2回観ました。

 

映画は、埼玉愛犬家連続殺人事件という実話をベースにして作られています。

 

地味な男が、恐るべき連続殺人鬼Sと知り合ってしまったため、殺人の共犯者となり、家族ともども悲惨な末路になるという話です。Sは実話ではドックブリーダーでしたが、映画では熱帯魚店経営者に変わっています。Sは、シベリアンハスキーを日本で広めた有名なブリーダーであり、アフリカの象徴的な犬であるローデシアン・リッジバッグを輸入、繁殖して金儲けをするという詐欺から殺人事件を起こしています。

 

地味な男を「吹越満」、滑稽で恐ろしい殺人鬼Sを「でんでん」が演じています。ウィキペディアによると、実際の殺人鬼Sも人間心理を読むことに長けており、ヤクザのような風体とは裏腹の、独特なユーモアと巧みな話術に引き込まれる人も多かったそうです。吹越さんの恐怖におののく表情により、でんでんさんの怪演が光ります。また、殺人鬼Sの妻を演じ、一緒に「ボディを透明にした」黒沢あすかさんも良かったです。

 

「ボティを透明にする」とは、遺体を無くしてしまう事。遺体を唐揚げくらいの大きさに切り刻み、川に流してしまいます。骨は醤油をかけて焼き、灰にします。醤油をかけるのは、BBQだと思わせるためのようです。

 

「ボディを透明にした」舞台が、山の中の一軒家のタイル貼りの風呂です。監督の園子音は、血と遺体の質感にとてもこだわったのだと思います。とてもリアルでびっくりしました。

 

映画の中に出てくる住宅は、キャラクターを印象付けるために非常にリアルに描かれるのが普通です。今回の山の中の一軒家も、中古住宅を借りて撮影されたと思われますが、殺人鬼Sの暗い過去を印象付ける住宅でありインテリアでした。今後、映画を見るときは、出演者の住んでいる住宅や地域もよく見ると、面白いかと思います。

 

最後に、Sの殺人哲学を掲載します。恐怖であり、滑稽です。

1.世の中のためにならない奴を殺す

2.すぐに足がつくため、保険金目的では殺さない

3.欲張りな奴を殺す

4.血は流さないことが重要

5.死体(ボディ)を透明にすることが一番大事

 

特に最後の「ボディを透明にする」という手法が注目された(後述の#遺体なき殺人を参照)。

 

他にも、共犯の山崎によるとSは「殺しのオリンピックがあれば、俺は金メダル間違いなしだ。殺しのオリンピックは本物のオリンピックよりずっと面白い」

「そのうち、俺は殺しの世界で一番の男になりたいと思うようになった。人間なんでも一番にならなきゃ駄目だ。殺しにかけては俺がいまナンバーワン」

「死体がなければただの行方不明だ。証拠があるなら出してみろ。俺に勝てる奴はどこにもいない」

「最初は俺も怖かったが、要は慣れ。何でもそうだが、一番大事なのは経験を積むこと」

「臭いの元は肉だ。そこで透明にする前に骨と肉をバラバラに切り離すことを思いついた」

「骨を燃やすのにもコツがいる」などのコメントを残している。

ウィキペディアより。

 

映画を見た後、下記の原作本を読みました。映画は原作の雰囲気がそのまま出ています。殺人鬼Sの芸人のような口調が、映画と同じように滑稽ですが、原作は映画よりも強烈な内容です。

さばいた人肉を自分で食べたり、鹿肉だと偽って他人に食べさせた時はあまりの旨さにリクエストがきたそうです。実話で、ハンニバルレクター博士の斜め上を行っています。これは映像に出来ません。本人曰く、30人以上殺して透明にしているということですから、世界でも類を見ないサカキバラの遥か上を行く殺人鬼です。

ほぼ、同じ内容の原作本が3冊出ていて、最新は下記の原作本です。恐ろしいノンフィクションですが、殺人鬼Sの芸人口調に笑ってしまうという、「緊張と緩和の魅力」のお手本のような書籍です。犯罪ノンフィクションとお笑いの好きな方にはおススメしたい本です。

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