2014-11-06
住まいと健康
自然素材
高断熱・高気密住宅

住宅が健康に与える影響が分かるデータ5選。自然素材と睡眠の関係データも必見です。

不整脈になり、2年間で2回手術をして復活、健康の有難さを実感している私です。

これから寒くなり、心臓・血液・呼吸器系の病気が出やすい季節を迎えます。

 

寒い住宅ほど病気になりやすく、暖かい住宅ほど健康に暮らせるというデータを見て、ざっくりコメントをしたいと思います。

近年、様々な研究により、住宅の断熱性(住宅の温熱環境)と健康との関係が明らかになりつつあります。

また、ある意味衝撃的な木質内装化率と睡眠の関係を示した資料も上げます。

 

以下は、有名な大学教授が出している健康と住宅の関係が分かるデータなので、信頼性が高い。

新築やリフォームを考えている方の参考になるのではないでしょうか?

 

1.「各種疾病の改善率と転居した住宅の断熱性との関係」近畿大学 岩前篤教授

各種疾病の改善率と転居した住宅の断熱性との関係

断熱性能の高い住宅に引っ越しした方を対象に、病気の人が改善した割合を表しています。

断熱性能が上がるに従って、各種疾病の改善した割合が高くなっていることが分かります。

分かりやすく言うと、断熱性能の高い住宅は、冬に楽に室温が高く維持できるので、

省エネも付与して病気が治りやすいのだと思います。住宅の断熱性能と健康には大きな関係があることが分かります。

2002年以降合計で約3万5千人を対象に行った健康調査とのことです。

 

2.「季節の変化が明らかな死亡原因」近畿大学 岩前篤教授

季節の変化が明らかな死亡原因

 

冬の寒さが原因で、循環器系、呼吸器系、神経系、血管系などの疾患の死亡率があがっている。

 

上記データ2つは「断熱住宅.com」さんよりお借りしました。

岩前教授のコラムは分かりやすく面白い、是非読んでください。

 

3.「高断熱・高気密住宅では入浴時の負担が軽減」

高断熱・高気密住宅では入浴時の負担が軽減

 

断熱性の高いモデルハウスに体験宿泊した場合、建物内の温度差が少ないので、入浴時の心臓負担が軽減している。

冬に温度差がなく暖かい住宅で暮らすと、心臓負担が半減するということだろうか。

国の事業で、高知県梼原町(ゆすはらまち)で、断熱性・省エネ性能の高いモデル住宅が建てられ、健康と住宅の関係を調査している。

 

4.「室温低下に伴う血圧上昇量の比較」

室温低下に伴う血圧上昇量の比較

 

高齢者ほど、室内の寒さで血圧が大きく上昇している。血圧が高くなるのは40代以降に多く見られる様子。

 

5.「床と天井の木質化が良好な睡眠をもたらす」

木質内装化と睡眠の関係

 

自然素材(無垢フローリング、天井羽目板)と睡眠(健康)を調査したある意味、衝撃的レポート。

木質化率50%の場合に、一番睡眠が良好となるのは興味深い。

写真のように室内の天井と床が木の場合木質化率がほぼ50%になるそうです。

木が多すぎてもダメなのだ。木の香りの調査結果もあることから、この場合の木は、無垢材のことを指す。

木目がプリントされた新建材ではない。

新建材を使った住宅では、このような調査結果は出ないだろうから、新建材メーカーでは、こんな調査は行わないだろう。

ローコストビルダーとハウスメーカーは新建材を用いた家づくりなので、出してほしくないデータだと思われる。

 

上記3つのデータは「ナイス」さんよりお借りしました。

慶応義塾大学 伊香賀教授の住宅・健康・自然素材に関する研究報告が紹介されています。

 

 

国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進事業

 

国が、今まで書いたような住宅と健康の関係を調べています。

省エネ改修工事(断熱リフォーム工事)を住宅関係者が医療や福祉関係者との連携による推進体制のもと、

既存住宅の改修工事、及び改修工事前後の居住者の健康状況の変化等に関する調査への連携・協力などにより、

高齢者等への健康維持・増進に資する住宅を普及するための事業。高齢化が進む中で、

冬に温度差の無い住宅を増やしたほうが、健康に長く暮らせて、医療費も下がると考えたのだと思います。

 

  • 省エネ改修に対して最高100万円の補助金
  • 改修工事前後の居住者の健康状況の調査に連携協力すること。

 

ただし、以下の団体に登録しないと、補助金は受けられないらしいです。

一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議

 

登録加盟料10万円。趣旨は賛同するが、会員になる為の金額が高くて微妙。

この補助金を使って断熱改修リフォームしたい方は、こちらまでご連絡ください。

 

まとめ

新築でもリフォームでも、高気密・高断熱住宅にすると、冬に温度差の少ない室内にしやすい。

その為、循環器系、呼吸器系、神経系、血管系で健康が保たれる可能性が高い。

栃木ではQ値2以下が良いだろう。

また、室内に無垢材を使うと睡眠の質が上がることから、

無垢のフローリングとできれば無垢羽目板を天井に使うと良い。

無垢フローリングと既製品の室内ドアのインテリアはチグハグになるので、

無垢フローリングの場合の室内のドアは、造作建具となるのが自然である。

結果として、坪単価は上がるので、新築は、延床面積30坪以下程度の小さな家が良いと思う。

小さな家はメンテ費用も最少にできる。

中古住宅を買ってリフォームする場合や既存住宅のリフォームでも、

高断熱・高気密にすると健康が維持でき、病気が快復する可能性が高くなる。

 

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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