2014-08-06
リフォーム

外壁塗装リフォーム。長期保証をエサに営業をするのはやり過ぎだと思う件。

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外壁塗装リフォームをする場合。

お客様は、外壁塗装に保証を付けてもらうと安心感を持つのかもしれません。

外壁塗装の保証期間を「30年保証です」「20年保証です」「10年保証です」と強調して営業しているリフォーム業者さんや塗装業者さんがいます。

 

しかし、保証の内容を調べてみましたが、「どのような高級塗料でも保証対象となるのは、壁の塗装材(塗膜)の剥がれのみ」のようです。

壁の塗膜が剥がれるなんて、よほど既存外壁の状態が悪い場合です。

もしくは、ひび割れが原因でそこから剥がれるような場合ですね。

普通の下地状態で塗料が剥がれるなんてことは、まずありません。

 

また、壁のひび割れは、保証対象外です。

ひび割れは、既存外壁の状態、家の構造、地盤、地震、全面道路の揺れなどの影響も受けやすいので、ひび割れは保証対象外なのです。

 

壁のひび割れは、保証対象外ですから、30年保証でも20年保証でも、保証はほぼ無意味という見方もあるのです。

 

お客様に外壁塗装リフォームのアドバイスを求められて、回答したメールがあるので、それを見てみましょう。

 


 

 

〇〇様

 

ヨシダクラフトです。

お世話になっております。

 

遠隔地に住んでいて、私が施工できない友人にアドバイスするとしたら、

「ウレタン系塗装を勧めます」。

耐用期間が長いものが希望ならフッ素系ですが、

値段の差が耐用期間の差に正比例するのかは疑問です。

以下に書きますが、耐用期間の差は実際は5年程度かと思います。

 

ウレタン系は10年前後に塗り替えの必要がありますが、実際は10~15年で塗り替える人が多いです。

 

フッ素系は、高価な塗料でもちろん良いのですが、前回も書いたように耐用期間が倍の30年になるということは考えられないからです。(30年保証するという業者さんがいたようです)

 

ウレタン系と比べてフッ素系は耐用年数は長いと思いますが、実際は15年から20年のうちには塗り替えが必要でしょう。その前に塗装下地のシーリング(外壁材と外壁材の隙間の防水材)が長く持って5~10年ですから、下地シールがダメになると塗装もダメになると考えるのが普通です。

 

と思って「フッ素系〇〇〇ロン 保証期間」でググると、登録業者のみが施工することになっていて、メーカーが10年保証しています。実際、フッ素系〇〇〇ロンを使っている施工者は、やはり15年~20年が耐用期間だと言っています。メーカーが10年保証するということは、実際は15年~20年が耐用期間なのです。

 

そう考えると、ウレタン系とフッ素系〇〇〇ロンの耐用期間の差は5年程度だと考えるのが妥当かと思います。費用と耐用期間をどう考えるかでしょうね。

 

また、屋根の庇が大きく出ている建物は雨や太陽光が掛かりにくいので壁の塗装も長持ちしています。逆に庇の出ていない建物の塗装耐用年数は短いです。

 

よろしくお願いいたします。

 


 

勿論、フッ素塗料は値段が高く良い塗料だという事を明記しておきます。

ただし、30年とか20年とか長期保証をエサに営業をするのはやり過ぎではないかなと思い、このブログを書きました。

 

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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