研修・勉強会/展覧会, 高断熱高気密省エネ住宅.

美しい断熱+気密施工。外壁内側に筋かいは無い。

 

ゴールデンウィーク前の4/24()は、新住協関東支部の研修会で、高崎のアライさんの現場を2軒見学させて頂いた。

 

断熱材と気密シートの施工が完了した、外壁225mm付加断熱のアライさんの現場は、非常に美しく断熱材+気密シート+気密部材(気密テープと気密コンセント等)が施工されており、それは仕上げのようでした。

 

梁廻り。ブチルテープの上に気密シート。気密シートと木材及び建材の取り合いも美しい。

現場研修会等で見学させて頂いている新住協の会員さんは、全国でもトップレベルの高断熱・高気密の工務店なので、このように確実かつ美しく断熱材と気密シート等を施工しています。

 

しかし一方で、「一般的な高断熱住宅を施工している住宅会社」は、断熱と気密の施工のポイントを知らないため、「そもそも高断熱・高気密住宅に不向きな仕様」で造られていることが多く、確実に断熱材と気密シートが施工出来ていないというアンケート結果が出ています。

 

まずは、住宅の省エネルギー設計・施工の実態の、アンケートを見て、一般的な高断熱住宅の断熱施工の現状を見てみましょう。

 

住宅の省エネルギー設計・施工の実態とは?

住宅の省エネルギー設計・施工の実態とは、国土交通省補助事業である「住宅省エネルギー技術講習会」の受講者に対して、断熱及び気密施工の実態アンケートの結果をまとめたモノ。

 

全国の設計者・施工管理者はもちろん、周りのほとんどの工務店経営者及び大工も受講しているので、高断熱住宅の一番実態に近いアンケートだと思います。私も施工編と設計編の両方を受講しました。

 

住宅会社が、難しいと感じている断熱・気密施工は「筋かい廻り」と「気流止め」なので、「筋かいを無くす耐力面材」と「気流止めの必要を無くす剛床」を住宅会社にオーダーしよう

 

写真出典:住宅の省エネルギー設計・施工の実態

結論から言うと、グラスウール・ロックウール・羊毛等の繊維系断熱材を施工する時には、耐力面材と剛床は必須。

 

 住宅の省エネルギー設計・施工の実態を見ると、住宅会社が難しいと感じている断熱施工は「筋かい廻り」と「気流止め」、この2つで5割を超えます。

 

断熱材が入る部分に筋違が入ってしまうと、上記写真のように断熱材が上手く入れられない上に、筋違に押されて断熱材が薄くなります。新住協の会員工務店は、壁の断熱材の入る外壁下地には、耐力面材(ダイライト・モイス・構造用合板等)を貼って筋かいを入れないようにします。基本的に筋違を入れる箇所は、断熱材の入らない室内の間仕切り壁だけにします。

 

また耐力面材を貼ると、断熱施工ばかりでなく、雨水による漏水も防止しやすくなります。耐力面材と、その外側の通気胴縁の間には透湿防水シートを貼りますが、耐力面材自体が、透湿防水シートや防水テープの「当て」になるので、透湿防水シートと防水テープがしっかり貼れます。

 

ですから、漏水防止の点からも耐力面材を貼るのが良いのです。耐力面材が無い、筋かいの場合は透湿防水シートの「下地の当て」がないので、フワフワしてしまい、特に防水テープは貼りにくいです。

 

また、新住協の会員工務店は、「気流止め」の代わりにするために、28mm24mmの構造用合板を床に貼る「剛床」にしている方も多いです。剛床にすると「合板が気流止めの代わりになるので気流止めが必要ない」上に、建て方の時に合板によって2階の床下地が出来るので落下防止になり、職人も安全なのです。根太を床下地にする場合は、建て方時に床が出来ません。

 

この住宅の省エネルギー設計・施工の実態を読むとビックリ!することですが、いまだに耐力面材を使わずに筋かいを使っているので、「壁の筋かい部分の断熱材が適切に施工出来ていない」住宅会社が多く、「剛床にもしていない」ので、気流止めもキチンと出来ていない会社が多いのが分かります。

 

壁の中に上昇気流が発生すると、壁に断熱材を入れても効きにくくなるので、断熱施工の中では「気流止め」が一番大切なのです。

 

耐力面材を使って、かつ剛床にすると値段は上がりますが、「断熱及び気密施工のポイント」になる上に、「漏水防止のポイント」にもなり「安全性も上がる」ので、この2つはマストアイテムになります。

 

断熱施工に関する、その他の気になるアンケート結果

 

断熱工法は充填断熱が7割、充填+付加断熱は1割以下

 

断熱工法は充填断熱が7割、外張り断熱は1割程度、充填+付加断熱は1割以下という施工実態なのが分かる。


屋根・天井・外壁の断熱材の種類はグラスウール・ロックウールが8割近い

 

屋根と外壁の断熱材は、普遍性の高いグラスウール・ロックウールが8割近いシェア。リフォームする時もグラスウール・ロックウールだと施工業者が多数いるということ。耐火性の点からも屋根・天井・外壁は火災に強いグラスウールもしくはロックウール断熱材が良い。納得。

 

逆に床及び基礎の断熱材は発砲系断熱材が8割近い

 

住宅の省エネルギー設計・施工の実態

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

*