2019-01-22
リフォーム

リビングの足元が冷えて電気代がかかりすぎるからと言って、直ぐに「床暖房リフォーム」することは正しいのか?

リフォームのQ&Aサイトに、「寒さ対策で、床暖房にリフォームを検討しています」という投稿があったので、「床暖房リフォーム」をする前に、「床の断熱リフォームと内窓の設置」をすべきだと回答しました。

 

一般の方は、やたらと床暖房=快適だと考えているのですが、断熱が効いていない室内で暖房を付けても、穴の開いたバケツに水をいれるようなもので、光熱費が掛かりすぎるばかりか、逆に床暖房が不快に感じることもあり得ます。

 

質問

現在、築約30年の一戸建て住宅に住んでいます。 リビングがフローリングなのですが(12畳ほど)、最近は冬が寒く、特に足元が冷えます。

 

エアコンを暖房に特化したものに変えたり、電気床マットを付けたりしていますが、とても電気代がかかって悩んでいました。また、電気マットを敷いていない部分から冷気が来て、やはり寒いです。

 

思い切って、床暖房にリフォームした方が良いのではないかと考えたのですが、どのような工事になるのでしょうか。フローリングを全部はがさなければいけないのでしょうか。そうすると、工事中はリビングは使えないのでしょうか。工事期間と費用も気になります。そもそも、築30年の家で、床暖房にリフォームするのは可能なのでしょうか?

 

回答

栃木県宇都宮市の設計事務所兼工務店、ヨシダクラフトの吉田と申します。一級建築士です。

 

質問を読ませて頂きましたが、「床暖房リフォーム」をする前に、「床の断熱リフォームと内窓の設置」をすべきだと思いました。

 

床が冷たい理由は、床の断熱が入っていないか、入っていてもあまり効いていないからだと思います。また、床の断熱が効いていないということは、床と繋がる外壁と間仕切り壁の下も床下と繋がっており、壁の内部にも床下から空気が流れ込み、壁の中を上昇気流が上がっていると考えられます。繊維系断熱材は気流(空気の流れ)を止めないと効きません。壁の断熱材も効いてない可能性が高いです。

 

断熱が効いていない状態で、「床暖房リフォーム」をしても「底の抜けたバケツに水を大量に注ぐようなもの」なので、また光熱費が「かかりすぎる」ことになる上に、断熱が効いていない状態だと、かなり床暖房の設定温度を上げなければなりません。そうなると、また光熱費がかかる上に、足裏が熱めになり「逆に床暖房が不快に感じられるようになるのでは?」と想像します。

 

最初にやるべきことは、「底の抜けたバケツ」を修理すること。エネルギーの漏れを防ぐには「床下の断熱リフォーム」をして床の断熱と壁の上昇気流を止めて、かつ費用対効果の大きな断熱リフォームである、既存窓の内側に樹脂のペアガラスサッシを付ける「断熱内窓リフォーム」をすることが先決だと思います。

 

この2つは床や窓を壊さずにできるので、コスパが高いです。

 

去年、宇都宮市で床が寒いという方に、「床の断熱リフォーム」を行い、ブログを書きました。こちらをご覧ください。

【更新】床下から行う「床の断熱リフォーム」をする時は、防蟻再施工と防湿シート敷の同時施工がおススメ 

 

リビングに暖房に特化したエアコン(床置きエアコン?)とホットカーペットがあるなら、この2つの断熱リフォームを行えば、室内は暖かくなるはずです。

 

また、既存の床や壁や天井の上から、3センチ程度の薄い断熱パネルを貼る方法もありますが、基本的に断熱材の性能は厚さに比例するので、壁を撤去して柱と同じ厚さの、厚い断熱材を入れ替えたり、2階なら天井裏に入って分厚く断熱材を吹きこんだほうが効果があります。既存壁を壊さずに、室内側に断熱材を貼る断熱リフォームについては、ブログを書きました。こちら。

【断熱リフォームQ&A】既存壁を壊さずに、室内側に石膏ボード付断熱材を貼る方法は、断熱リフォームとしてコスパが高いのか?貴方に代わってお調べしました!

 

回答したリフォームについてのQ&Aページはこちらです。

 

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吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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