建築いろいろ.

透湿防水シートは文字を外側にして貼る。

木造住宅の外壁材の下には、上の写真のような「透湿防水シート(とうしつぼうすいしーと)」という、白っぽい色のシートを全面に貼ります。

 

デュポンタイベックと書いてある白いシートが「透湿防水シート」です。

 

木造住宅の外壁は、この透湿防水シートで雨水から防水をしています。

 

透湿防水シートの用途は、文字通り「防水と透湿」。

 

外からの雨水は通さないが、壁体内の湿気(水蒸気)は通して外側に出すので、壁体内結露が「しずらい」性質をもつシートです。

 

万が一、雨水が外壁に染みこんでも、透湿防水シートがあれば雨水は防水シートの外側を通り、壁体内に雨水は入らないということになります。

 

今日のブログは、外壁材の下に貼る「透湿防水シートの表裏を貼り間違えると、穴が開きやすくなり、全く防水シートにならない」という実例写真をお見せしたいと思います。

 

外壁材を剥がしたら、無数に穴の開いた透湿防水シートが出てきた

透湿防水シートの表裏を逆に貼ると穴が開きやすく防水シートにならない。

当社のwebを見てご連絡があり、窯業系サイディングを貼り替えるリフォームをしたお宅の透湿防水シートの写真です。

 

築15年の住宅。

 

窯業系サイディングの塗装リフォームでなく、貼り替えリフォームになった理由は、適切な時期に再塗装をしなかった為に、塗膜下まで傷んでしまいボロボロになってしまい全面貼り替えになりました。

 

傷んだ既存外壁材を剥がすと、写真のような透湿防水シートが出てきました。

 

〇〇工務店と印刷され、小さな穴が無数に空いています。

 

アップにするとこんな感じ。

外壁材の交換リフォームをする時に、外壁材を剥がすと透湿防水シートが傷んでいることはあります。

 

ただし、「外壁下地の透湿防水シート全てに写真のような無数の穴が開いていた」状態は初めて見ました。

 

透湿防水シートの表裏を貼り間違えると、シート自体に穴が開きやすくなり、全く防水シートにならない

通常、透湿防水シートは一番上の写真のように、「住宅会社名や建材メーカー名が印刷された面が防水面」なので、「印刷側を外側に貼ること」で、「正常に透湿防水シート」が作用します。

 

しかし、透湿防水シートを表裏逆に貼ってしまうと、「湿気を通す面が外側になる」ので、「外側からの湿気をどんどん壁体側に取り入れて」しまい「無数の穴が開きやすくなった」と考えられます。

 

透湿防水シートは会社のPRの役目もする

外壁材を貼り終わるまでの1~2週間程度は、透湿防水シートの状態が続くので、自社の名前や、シートの商品名を印字した面を外側にして、通行人に見せるPRの意味も大きいです。

 

だから、今回のように「〇〇工務店」と印刷されているのに、印刷面を裏側にするのは考えにくいです。

 

なぜ透湿防水シートの表裏を逆に貼ってしまったのか?

お客さんに聞いたところ、新築をしたのは透湿シートに印刷された名前の工務店とのこと。

 

透湿防水シートを貼るのは、通常は大工さんの仕事です。

 

多分、大工さんがあまり深く考えずにシートを貼ってしまったのだと思います。

 

外壁を貼る職人が透湿防水シートを貼ることもありますが、外壁材を貼る専門の職人が透湿防水シートの表裏を間違って貼るとは考えにくい。

 

また、現場管理をする現場監督も現場にあまり来なかったのかもしれませんし、来ていてもシートを貼っておけば、透湿防水シートとしての役割を果たすだろうと思ったのだと思います。

 

窯業系サイディング外壁材は10~15年に1度塗装が必要なのでメンテ費用が掛かる。メンテナンス回数を減らせる「無垢の杉板」や「ガルバリウム鋼板」の外壁材を採用すべき

窯業系サイディングは、廉価な部類の外壁材であり、耐火性も高いので新築木造住宅の8割で採用されていますが、10~15年に1度塗装が必要になります。

 

30年ローンだと、ローンを返し終わる前に2回の外壁塗装が発生します。

 

外壁塗装をするときには足場が必要であり、シーリングの打ち直しも必要。

 

かつベランダの防水のメンテナンスと屋根瓦のメンテナンス、床下の白蟻防除工事も10~15年に1度必要になるので、35~40坪の家だと、合計のメンテ費用が200万円以上掛かるのが普通です。

 

30年ローンが終わる前に、200万円以上のメンテ費用×2回=400万円以上のメンテナンス費用が掛かることになります。

 

住宅ローンが支払い終わる前に、400万円以上というメンテナンス費用が発生しますから、外壁材は窯業系サイディングでなく、メンテナンス回数を減らせる「無垢の杉板」や「ガルバリウム鋼板」の外壁材が良いと思います。

 

こちらのブログもご覧ください。

新築時の外壁材に窯業系サイディングを使わないほうが良い理由

 

磯田本に外れ無し。積読がある程度読み終わったら買う予定。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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