芸術家、村上隆さんの作品の好き嫌いは別にして、「芸術企業論」は、芸術の世界で勝ち残る勝利の方程式がドギツイ表現で具体的に書いてある、学べるビジネス本でした。
「芸術起業論」で、特に印象に残った箇所を2つだけとりあげます。
村上隆さんと言えば、ルイ・ヴィトンとのコラボが有名です。
作品の価値は発言や説明で高めるべき
マンセル・デュシャン「泉」出典http://rapt-neo.com/?p=33136
売れている芸術家は「作品を通して世界芸術史での文脈を作る」ことが「うまい」と書いてあります。
「文脈を作る」の意味を私が解釈すると「歴史の転換となるような出来事とその後の流れを作る」こと。
例えばマンセル・デュシャンが、「既製品の便器にサインをしただけなのに、それがアートになった」のは、「観念や概念が価値の源泉であり、ブランドの本質だということ」を、世界で初めて示した転換点だとされています。
「架空の名前をサインしただけのデュシャンの便器」を影響力のある評論家やお金持ちが認めると、それがアートになり高値が付きます。
芸術家は上手に「営業(文脈作り)」すべきであり、作ったあとの「売り方」まで考えている芸術家が「売れている芸術家」なのです。
歴史を学び、自分の文脈を見つけ、発言で価値を高める
特にモノづくり系の仕事では、一生の間、歴史を学習し続ければ、仕事が上手く行く可能性が高まります。
これは当たり前のことで、どの業界にも特有の文脈があり、「文脈の歴史のひきだしを開けたり閉めたりすること」が価値や流行を生み出すことであるから、歴史を学ぶ必要があるのです。
そして作った作品の価値は、「発言や説明」で高めるべきだと書かれています。
「芸術企業論」で印象に残った小見出し
・個人の歴史の蓄積をブランド化する方法
・歴史から自分だけの宝を見つける方法
・権威は自分で作り上げなければならない。
・挫折を超えられるかどうか、の分岐点
・業界を味方につけて重圧をかけるべき
今日の分かった
田端信太郎さんがシェアしているおススメ本から芸術企業論を読みました。住宅建築の仕事にも通じるところが多い名著。田端信太郎さんのブログを見たら書評も素晴らしいです。
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