住宅設計, 高断熱高気密省エネ住宅.

南東より建物を見る。母屋+下屋のシンプルな外観。ベランダ手摺と板塀は同じデザインで統一感を出している。

高性能住宅にふさわしい杉板外壁の素朴な家

宇都宮市の街中、敷地面積約70坪。旗状敷地に建つ、延床面積約40坪の住宅です。

 

総2階(37坪)+自転車等を置く下屋(3坪)という構成。

 

普遍的で飽きの来ない高性能住宅にふさわしい外観を目指しました。

 

旗地以外の敷地が、整形で真南を向いているので、1階のLDKと和室、2階の個室を南面させ、冬の日射を充分に取り込み、かつ夏の日差しを軒と外壁で、簡単に遮蔽できる外観としています。

 

外壁は木製杉板外壁材を想定しています。

 

木の外壁材は工業製品ではないので廃盤になることが無く、長期に渡って部分的に貼り替えが出来る唯一の外壁材であることが、長持ちする理由です。

 

外壁の経年変化を気にしなければ、メンテナンスコストも他の外壁材に比べて安く出来ると思います。かつ、木は軽い外壁材なので、200㎜を越える厚さの付加断熱下地とも相性が良い外壁材です。

 

木の外壁材はビスが打ちやすく、簾(すだれ)等を掛けやすいので、夏の日射を遮蔽しやすいと考えています。

「木の外壁材は短命である」という意見への「反証」

雷雨の多い宇都宮の気候風土に合うように、屋根勾配と軒の出を確保した外観は雨から建物を守る。外壁は全て杉板縦貼り押し縁仕上げで、水キレが良い。

 

一般的には、木の外壁材は腐るので短命だと考えられていますが、実は全くの逆だと思います。

 

工業製品ではないので、廃盤になることが無いため交換が効くということが、一番の長命理由です。当たり前の話ですが、廃盤になったら交換は出来ません。

 

もう1つ、「木の外壁材は短命である」という意見への「反証」として、「神社の外壁材は木で造られていることが多いですが、とても長持ちしている」ことも挙げたいと思います。

 

神社のように屋根の軒を出して、木の外壁材に雨を当てにくくすると、木は乾燥しやすいので木材を劣化させる木材腐朽菌は発生しにくくなり、長持ちしやすいのです。

 

杉板外壁材はウッドロングエコ塗装として、窯業系サイディングのように外壁塗装を10~15年に1度繰り返して行うことを必要としないコスパを目指しています。

 

外壁材を窯業系サイディングにすると、住宅ローンを返済しながら、10~15年に1度、ベランダ防水リフォームも入れて200万円前後の外装リフォーム代金を支払い続けることになります。

 

しかし、それは大変だと思いますので、木の外壁材にしてメンテナンスコストを軽減する提案です。木の外壁材は、雰囲気と景観も良くします。

 

外壁材の種類とメリット・デメリットはこちらのブログに書きました。

新築時の外壁材に窯業系サイディングを使わないほうが良い理由

 

1階と2階の壁の位置を合わせてシンプルな矩形として、壁の直下率を高くして合理的な構造としています。平面が長方形で凹凸が無いので、屋根もシンプルな切妻屋根で谷部分が必要なく、耐久性が高い屋根形状です。

 

ご夫婦と小さな子供3人が、ゆとりを持って生活できる間取り

真南より建物を見る。シンプルで素朴な外観。軒が出ているので外壁を濡らしにくい。

 

間取りは、ご夫婦と小さな子供3人が、ゆとりを持って生活できることを要望されました。当社にしては大きめの40.5坪の住宅です。

 

現在子供は2人なので、2人のままなら、2階の1部屋は共用納戸として使用できます。

 

室内はもちろん、庭も片付く住宅

南東より建物を見る。下屋として、自転車やタイヤを入れる物置を設けて、片付く庭も実現。

 

玄関ドア前には、3帖ほどの平らなスペースがあり、雨も掛からないので、不在でも宅配便の放置が可能。玄関内には乳母車や傘を入れる1帖の土間クロゼットがあり、玄関ホールには、上着等が収納できる1帖のクロゼットを設けました。

 

1階は、16帖のLDK+6帖の和室を南面に配置。LDKの一部が吹抜けとなっており、2階の主寝室、子供部屋と繋がります。LDKと和室は雨の掛かりにくい「濡れ縁」にも隣接し、庭との距離を近くしています。濡れ縁と2階ベランダには、屋根が掛かっているため、洗濯物が濡れにくく、使い易いと思います。

 

洗面脱衣室はもちろん、室内の各所にも充分な収納を確保、かつ自転車や冬用タイヤが置かれる物置を下屋としてキッチン脇に設けて、室内はもちろん、庭も片付く住宅を目指しました。

 

2階は、主寝室、将来間仕切りできる子供室、5.5帖の共用の納戸がある。5.5帖の納戸は、子供部屋としても使える広さである。屋根の掛かったベランダもあり、洗濯物は1階と2階のどちらでも干せる。トイレは各階1箇所。

 

付加断熱+床下エアコンで快適空間

旗状敷地の為、隣家との関係性も検討しました。

 

「とにかく暖かい家」で「気持ち良く生活したい」というご希望だったので、SI-houseを見学・体感して頂き、基本仕様で設計しています。

 

壁を分厚い225㎜の付加断熱として断熱性能を上げ、基礎断熱+床下エアコンとしました。床下に設置した1台の家庭用エアコンで、隅々まで暖かい室内を実現しています。

外壁材の検討をした外観パース。南面の窓が大きく、冬の日射が室内に入りやすい。夏はすだれ等が掛けやすく室内が暑くなりにくい。全面杉板外壁材バージョン、こちらがおススメ。

ガルバリウム鋼板外壁材と杉板外壁材のコンビバージョン。

E-house住宅  概要 

■所在地: 栃木県宇都宮市

■用途・構造: 専用住宅 木造軸組構法2階建て

■設計施工:(有)ヨシダクラフト

■敷地面積: 約70坪

■延床面積: 134.14㎡(40.5坪)

■熱損失係数Q値1.35 W/m2K程度想定

■隙間相当面積C値1.0 cm2/m2以下想定

■屋根: ガルバリウム鋼板立ハゼ葺き

■外壁: 杉板ウッドロングエコ塗装

■室内壁:珪藻土クロス

■天井:ラワンべニア自然塗料仕上げ、珪藻土クロス

■室内床:パインフローリング

■玄関ドア:東欧木製高断熱玄関ドア

■サッシ:樹脂サッシ トリプルガラス、南面樹脂サッシペアガラス

■基礎内断熱:立上りA種押出法ポリスチレンフォーム3種50㎜+スカート断熱材910㎜

■壁断熱:高性能グラスウール断熱材16K厚120+付加断熱厚105 合計225㎜

■桁上断熱:グラスウール300㎜以上

■換気システム:第1種全熱交換型換気扇

 

※この住宅は、お施主さんが急に仕事を退職するというアクシデントがあり、残念ながら実施設計前で計画中止となりました。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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