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栃木県で建てられている新築住宅の外壁材の8割程度は、窯業系サイディングだと言われています。

 

しかし、窯業系サイディングは新築時の初期コストは安いものの、約10~15年に1度、足場を架けて外壁の再塗装が必要になるので、生涯コスト(メンテナンスコスト)は高額になるという矛盾の大きな外壁材であることは、あまり知られていません。

 

今日は、窯業系サイディングを使わないほうが良い理由と、どのような外壁材を使うとメンテナンスコストを少なくできるか見てみましょう。

 

外壁材シェア

 

窯業系サイディング 画像の検索結果の一部

 

窯業系サイディングのメリット

窯業系サイディングのメリットは、①価格が安いこと②工期が早いこと→低コストに繋がる③施工性が良いこと→工程が少ないので現場管理も楽④防火性が高いので幅広い地域で使えることの4つになります。

 

窯業系サイディングのデメリット

 

窯業系サイディングのデメリットは、①塗膜(塗装の膜)で維持されている外壁材なので、約10~15年に1度、再塗装が必要となる②ありきたりな外観になること③工業製品なので廃盤になると、部分交換ができないので、全部貼り替えが必要となり高コストになるの3つになります。

 

窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料にして、板状に形成したものなので、塗膜下の素地は吸水しやすく、冬に吸水したまま凍ると素地は爆裂します。爆裂すると、塗装は出来ず貼り替えが必要になりますが、その時には、廃盤になっていることが多く部分的に貼り替えすることは出来ず、全面貼り替えの可能性が高いです。

 

リフォーム業界を支えているのは外壁塗装リフォーム

 

窯業系サイディング、ALC、モルタル下地塗装仕上げ等の外壁は、新築後、約10~15年ごとに再塗装が必要になるので、住宅ローンを返し終わる前に、200万円前後の費用が掛かる外装リフォームが1度か2度必要になることが多いです。

 

外装リフォームの費用は、外壁塗装工事だけでなく、足場工事、外壁材のシーリング、軒天、雨樋、庇等の外装塗装、屋根補修工事、ベランダ防水等のリフォームが含まれます。家の大きさや状況、仕様にもよりますが、1度の外装リフォーム工事で、200万円前後の費用は掛かるはずです。

 

そのような理由で、全国的にリフォームのメイン工事は、おのずと外壁塗装を含む外装リフォーム工事になっています。

 

ネットが発達してメンテナンス回数の減らせる外壁材を認識するようになった

 

住宅会社や設計事務所等、造り手側の人達も、インターネットが発達したこの10~15年程度で、メンテナンス回数の減らせる外壁材を認識し、使用するようになったというのが現状だと思います。

 

私もインターネットで情報が取れるようになる以前は、窯業系サイディングやALCやモルタル下地塗装仕上げの外壁などを、ごく一般的な外壁材として使ってきました。どういう外壁材を使うとメンテナンス回数が少なく出来て、長持ちするのか、分からなかったからです。

 

外壁のメンテナンス回数を減らしたい、という意思があるなら、窯業系サイディングは新築時の選択肢から外す必要があります。

 

木の外壁材が長持ちする証拠は、神社の外壁

近所の神社。写真撮ってきました

 

現在、当社ではメンテナンス回数が減らせて、長期使用出来る外壁材として、ガルバリウム鋼板外壁材と無垢の木の外壁材(杉や米杉)の2種類が良いと考えておススメしています。どちらも、耐久性と持続性(廃盤になりにくい)がある外壁材です。左官系だと「しらすそとん壁」が良いと思いますが、当社では分厚い付加断熱を基本仕様としているので、重量の軽いガルバリウム鋼板外壁材と無垢の木の外壁材がベターと考えます。

 

中でも、無垢の木の外壁材は、「木は腐る」という先入観があり違和感を覚える人も多いと思います。木は雨が掛かれば、腐朽菌により朽ちていきますが、雨掛りにならなければ、非常に長持ちすることは神社が証明しています。

 

この写真は、当社から歩いてすぐの神社。無垢の木の外壁材です。私は今年50歳ですが、物覚えのあるころには既にこの神社は建っていましたから、非常に長持ちしています。隣の町内の神社なので、定期的にメンテナンスしているかは不明。少なくともメンテのために足場が掛かっているのを見たことがありません。あなた家の近くにも、このような無垢の木の外壁材で造られた、古い神社があるはずです。

 

神社の木製外壁材。定期的にメンテナンスはしていない様子。

 

木の外壁材の経年変化に違和感が無く、雨がかりにならないような外観が造れて、かつ、木の外壁材とした時に、防火関連法規が低コストでクリア出来れば、生涯にかかるメンテナンスコストは非常に安くなると思います。

 

また、無垢の木の外壁材のメリットは、工業製品ではないので廃盤になることが無く、傷んだ部分のみ「部分的に交換できること」です。

 

この「廃盤にならないので、部分的に交換できる」ということが、長期使用するには非常に重要です。他のほとんどの外壁材が長期使用できない理由は、「廃盤になってしまい部分的に交換できないので、全面貼り替えになるから」です。

 

ガルバリウム鋼板は、屋根材にも使われる非常に耐久性が高い素材ですが、工業製品なので、断面形状が変わったりする可能性はあるわけです。そうなると部分的に交換することは出来ません。

 

メンテナンス回数の減らせる外壁材を提案して使うとお客様にとっては良いですが、住宅会社にとってはリフォーム工事が確実に少なくなるという非常に厳しい現実が待っています。だから10~15年程度のスパンで確実に外装リフォーム工事が確保できる窯業系サイディングを新築時に使うのも、仕事として考えたら悪いことではないと思います。

 

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  1. 猫好き

    ヨシダさんこんばんは

    外壁材の選択、悩みます。
    ご近所に屋根、外壁共ガルバリウムを使った築5~6年のお宅があるのですが、プツプツとした小さなサビ?みたいなものがあるのです。柄かと思うほどです。
    これは施工?環境?住人の使い方?一体何に問題があるのだろうかと考えてしまいます。市街地の住宅街なので、環境は悪くはないとは思うのですが。
    栃木は大谷石を外壁に使ったお店をよく見かけるのですが一般住宅の外壁に使うとメンテナンスはどうなのでしょうか?

    返信
    • yoshidacraft

      猫好きさん、コメントありがとうございます。

      ご近所のガルバリウム鋼板の件は、見ていないので何とも言えないです。

      黒等の濃い色のガルバリウム鋼板は、蜘蛛の巣等の汚れが目立つということはあります。傷んだ経験は今の所ありません。
      海に近いお宅でガルバリウム鋼板を使うと「塩害」で傷むと聞いたことはありますが、猫好きさんが栃木県の方なら、それは無いわけですし。

      母親の実家が益子で石屋をやっており、外壁が大谷石でしたが、特にメンテナンスはしていなかったです。近所にも古い大谷石の蔵が沢山ありますが
      メンテナンスしているのを見たことがありません。ただし重い部類の外壁材なので、当社で行っている付加断熱下地との相性は、良いというわけではないと思います。

      外壁材に限らず、どんな材料でもメリットデメリットは必ずあるので、材料把握したら決断して使うしかないですよ。

      返信

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