パッシブデザイン, 高断熱高気密省エネ住宅.

今だ、意匠系設計者や一部の工務店経営者の中には、「高気密は息が詰まる」「防湿気密シートは張らずに呼吸する家が良い」とか言って、繊維系断熱材を使っているのに防湿気密シートを施工していない人がいます。

 

そうした造り手の影響で、これから家を建てる方も、高気密にしないほうが良いと誤解をしている人が多い「気密」についてブログを書きます。

 

私の高断熱・高気密遍歴

高性能グラスウールと防湿気密シート

コンセントや配管廻りも気密コンセントBOX等の気密部材で隙間を防ぐ。

私、ウレタン断熱パネルFPパネル→羊毛断熱材ウールブレス→高性能グラスウールと使う断熱材は変わってきましたが、ウレタンパネルであるFPパネルを除いて、防湿気密シートはしっかり施工して高断熱・高気密を心がけております。FPパネルの場合も、しっかり気密テープを貼って高断熱・高気密にしておりました。

 

「呼吸する家派の方へ」羊毛断熱材でも防湿気密シートを張ったほうが、断熱材はちゃんと効きますよ

羊毛断熱材ウールブレスでも防湿気密シートと気密コンセントBOXは必須だと思う。

写真のように、羊毛断熱材ウールブレスを使っていた時も、防湿気密シートと気密コンセントBOXはしっかり施工していました。「呼吸する家」だと言っている人は、防湿気密シートを張らずに、積極的に羊毛断熱材に室内の湿気を吸わせているので、「呼吸する家」と言っているのだと思いますが、断熱材に積極的に湿気を吸わせてもデメリットこそあれ、メリットは無いだろう。その理由は、オーガニックスタジオ新潟の相模さんのブログを参照してください。

防湿層を省いた住宅に起こるリスク

 

防湿気密シートを張らない低気密の住宅だと、断熱材の効き目が悪くなる理由は以下に書きます。

 

低気密の家は、暖房するほどに寒くなる

上記写真はエコハウスのウソP240

高気密にすることは非常に重要。グラスウールや羊毛等の繊維系断熱材の場合は、石膏ボードの下に防湿気密シートを張ることで気密性、防湿性を確保する。「断熱材内部の空気の流れ」を防湿気密シートでキチンと止めれば断熱材は効くからである。また、室内の湿気を断熱材の内部に入れない防湿の役割も重要だ。

 

反対に、防湿気密シートを張らない「低気密・中気密の家」や「呼吸する家」は、断熱材の内部に室内の湿気のある空気が入り、暖房して暖められた空気は上に逃げてしまう。また上に逃げた空気の代わりに空気が入るという悪循環。

 

上の絵を見ると、低気密の家は、暖房するほどに寒くなるというのが分かり易い。低気密だと冷たい外気も建物内部に侵入して、暖房で暖められて壁の上部や天井から出ていくのが分かる。

 

エコハウスのウソでは、気密性の低い家を「大きな穴の開いた気球」に例えて、せっかく暖まった空気は、建物上部の屋根や壁から逃げると、とても分かり易く書いてあります。

 

低気密住宅では断熱材がちゃんと効かない

気密性能は非常に重要で、グラスウール等の繊維系断熱材の場合は、石膏ボードの下に張る防湿気密シートで、「断熱材内部の空気の流れ」を止めないと、せっかく入れた断熱材がちゃんと効かない。

 

これは、ウレタンパネル等の発砲系断熱材にも当てはまり、繊維や樹脂で空気を止めているから断熱材として効きます。隙間相当面積C値は1以下としたい。

 

低気密住宅は機械換気も効果半減

低気密では機械換気も効果が半減する。低気密だと、排気ファンの周辺からだけ外気が吸い込まれてショートサーキットしてしまい、肝心の居住域の空気が動きにくくなり、正常に換気出来ない可能性がある。

 

本の写真はエコハウスのウソ「増補改訂版」からの引用です。エコハウスのウソ「増補改訂版」の文章P238~P243が「気密」についても非常に分かり易いです。

吉田武志

有限会社ヨシダクラフト 代表取締役・一級建築士

栃木県宇都宮市を中心に、手作り感のある「暖房を止めて寝ても朝寒くない快適な注文住宅」と既存を生かした「リフォーム・リノベーション」を手掛けている。創業118年の工務店(2017年現在)。

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